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  • 2017/05/12
  • モト・チャンプ編集部

192psなのにフレンドリーな、ホンダの新型CBR1000RR/SPの実力に迫る!

初代CBR900RRから25年間磨き続けた「トータルコントロール」とは?

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■RIDER:キッシー岸田 ■PHOTO:平野 陽
ホンダが約9年ぶりに大々的なモデルチェンジを遂げた新型CBR1000RR/SPの開発コンセプト「トータルコントロール」。その答えを見つけるため、SP仕様に緊急試乗。キッシー岸田のインプレと開発者インタビューを交えて紐解いていこう。
CBR1000RR SP(ヴィクトリーレッド/246万2400円)

スロットルバイワイヤシステム。ブレーキ圧を制御してリヤホイールの浮き上がりを抑える専用ABS。コーナリング中の挙動を抑制する車体姿勢推測システム……。新型CBR1000RR/SPは、MotoGPで使われている電子制御システムを応用し、“操る喜びを”を進化させた。前モデル比-16kgという軽量化にも成功し、600cc並みの運動性能を手に入れているのも特徴だ。試乗したSPモデルでは、前後オーリンズ製電子制御サスペンションなどを装備し足周りを強化。さらにリチウムイオンバッテリー(-約2kg)や公道用量産車としては世界初のチタン製燃料タンク(-約1.3kg)を採用するなど、軽量化とマスの集中化を実現。スーパースポーツクラスでついに、ホンダの反撃が始まった。

「ライダーの意思の近いところで制御しているから自然(キッシー岸田)」

キッシー岸田(岸田年正:世界を舞台に活躍するミニバイクレーサー。排気量、ジャンル問わず、マシンのポテンシャルを引き出す能力はピカイチ!

モトチャンプ編集部(以下編):第一印象はどうでしたか?

キッシー岸田(以下岸):まず驚いたのは乗りやすさかな。アクセルをバーンて開けてもドン付きもないし、気を遣わず乗れる。このクラスのマシンの中でもずば抜けてる。足着き性も良かった。

編:開けはじめの「ドンッ」が少ないから、大型スポーツモデル初心者の僕でも気負わずに発進できました。アクセルの微妙な開閉に良い意味でファジー。ここに神経を使うのと使わないのとでは、疲労度が変わってきますもん。また、車重が軽いおかげでUターンもラクでしたね。富士山をバックに走るワインディングも楽しむ余裕がありました。 

岸:エンジンはどの回転数からでも吹け上がる全域フラットな印象。スロットルバイワイヤシステムでトルクの出し方をコントロールしているから、ラフに開けていっても扱いやすい。すごいところは、ライダーの意思の近いところで助けてくれる自然な制御。このあたりの味付けはさすがRC213V(ホンダのMotoGPワークスマシン)の技術を入れたことはあるなって。試しに制御なしの手動モードにしてみたけど、乗れないほどではなかったけどね。

編:僕は、エンブレの効きも弱く、挙動変化も少ない自動モードがラクでした。エンジンは5000rpmも回せば十分速い。それより感激したのは初採用されたクイックシフター(試乗車のSP仕様に標準装備され、スタンダードモデルはオプション設定となる)。アクセルやクラッチが操作不要でブレーキだけに集中できる。まるでスクーター感覚。続いてポジションは?

岸:シートの縦の移動量があって伏せやすかった。ちょっと残念だったのはハンドルとシートの位置関係。俺ならシート高を下げるかハンドルのタレ角を浅くするな。ただし、ステップの位置は良かったよ。

編:なるほど。僕はあまり気になりませんでした。ブレーキはどうでした?

岸:制動力は高いしコントロールもしやすい。リヤもABSの効きを絶妙にセッティングしているのか深くまで踏み込める。また、バンクしながらの減速する場面では例の車体姿勢推定システムが効くので暴れない。コーナー中の加減速も安心だったよ。

編:予想以上に深く回り込んだコーナーを走った時なんかに有効かも。ほかに気付いた点はあります?

岸:このクラスになるとエンジンの熱もハンパなくて、触ってもいないのに熱風で足がやられちゃう。今回はラジエターの冷却ファンが回るまで走ったけど、熱風を感じる場面は一度もなかった。ホンダは昔からこの熱の逃がし方がうまいよね。

編:最後にまとめをお願いします。

岸:気になった点はポジション。気に入った点はコンパクトですげー乗りやすいこと。アクセルのツキからコントロール。操安もニュートラル! どうだった?

編:革ツナギを着てサーキットを走ってみたい。

キ:強く同感~!

メインフレームは中空アルミダイキャスト製とし、エンジンハンガー部と剛性を最適化。ライダーの入力に対する応答性を向上させつつ、約300gの軽量化を実現している。

フルカラーTFT液晶メーター。走行状況や好みに応じたライディングモードの切り替え、エンジンブレーキの強さ、トラクションコントロールの効き具合をスピーディに調整可能。

アクセル開度を検出してロットルバルブ開度をコントロールする「スロットルバイワイヤ」システム。5段階の出力特性の選択も可能だ。

ECUにより、ミッションの駆動荷重を抜くことでシフトを行う「クイックシフター」。※CBR1000RRはオプション設定。

ヘッドライトは、従来のLo片側点灯からHi/Lo両側点灯に変更。コンパクト化を図り約500gもの軽量化に成功している。

マフラーは新構造のチタン製で、前モデルに比べ約2800gも軽量。ECUで制御するサーボモーター駆動の可変排気バルブを装備する。

SPモデルのみ、フロントにブレンボ製対向ラジアルマウントキャリパーを採用(STDモデルはTOKICO製)。

見せかけのためじゃない、本当のスポーツ性を追求

吉井泰一さん:初代CBR900RRから携わり、過去には開発責任者を担当。今回は完成図全体のパッケージングを行った。

キッシー岸田(以下岸):エアダクトですが、なぜ途中にサブ室があるのでしょうか?

吉井さん(以下吉):良く気が付きましたね。あのコブは、空気が通っていくときに共鳴しないよう、ある周波数を干渉させ吸気音を低減させるためのもの。また、容量を増やすことでスロットル開はじめのツキを良くする狙いもあります。

岸:SP仕様の方が、シートが高いと感じたのですが?

吉:数値的には同じです。しかし、サスの長さを変えて若干リヤを高くしています。これはCBR1000RRの良いところを出すための答えです。荷重が掛かるような条件になると、それを感じていただけると思います。ツイスティで高速コーナーをずーと開けていくような、スロットルのON /OFFが多いコースが楽しめますよ。

ダクト下に付いた三角形と筒状のコブ。吸気音を心地よいものに変えるといった、サウンドコントロールの役割も担うそう。1つでは解消できず2つになった。

CBR1000RR(ヴィクトリーレッド/204万6600円)
CBR1000RR(マットバリスティックブラックメタリック/201万4200円)

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高:2065mm×720mm×1125mm
軸間距離:1405mm
キャスター角度:23度20分
シート高:820mm
車両重量:196㎏[195㎏]
エンジン種類:水冷4ストDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量:999cc
ボア×ストローク:76.0mm×55.1mm
圧縮比:13.0
最高出力:192ps/1万3000rpm
最大トルク:11.6kgm/1万1000rpm
燃料タンク容量:16L
燃費:17.7km/L(WMTCモード値)
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6段リターン
タイヤ 前後:120/70ZR-17・190/50ZR-17
ブレーキ 前後:油圧式ダブルディスク・油圧式ディスク

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