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  • 2017/07/28
  • MotorFan編集部

驚きのフィット進化論。

王者の宣戦布告! 競合を突き放す大改良を実施

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ホンダ・フィット、トヨタ・アクア、日産ノート、マツダ・デミオなど販売台数ランキングの上位に名を連ねる各社の主役が揃うコンパクトカー市場。幅広い層から支持されるのは、サイズ感、使い勝手、走行性能、価格面など、全方位において“扱いやすい”バランスの良さだろう。最近、ライバルの影に隠れがちだったホンダ・フィットが、デビュー4年目を迎える直前に商品力を大幅に進化させて登場した。その実力を佐藤久実が探る。

REPORT◎佐藤久実(Kumi SATO) PHOTO◎市 健治(Kenji ICHI)

幅広い層を満足させる、商品力の高さが人気の要因。

「13G・F」は1.3ℓアトキンソンサイクルDOHCエンジンを搭載。Honda SENSINGはオプションで装着可能。

ホンダ・フィットがマイナーモデルチェンジを実施した。単にフロントマスクのデザインが変わったという簡単なものではなく、ここまでやるか!というくらいに性能向上のための改良がなされている。

というのも、フィットが属するコンパクトカーカテゴリーは、日本の乗用車市場の約50%を占める大激戦区である。最重要カテゴリーだけに、ホンダの気合いの入れ方もホンキ度満載なのだ。

このクラスの人気の要因は、独身ユーザーが約38%、ダウンサイザー約40%など、あらゆる世代から支持されていること。年齢層やライフスタイルの幅広い老若男女に愛されるのは素晴らしいが、その分、ニーズも広がるわけで、最大公約数を探る作り手としてはなかなか大変だ。

「ハイブリッドS」がお薦め 快適な走りと装備面の充実が肝。

ハイブリッドは4グレード展開。最上級の「ハイブリッド S Honda SENSING」は7速DCTにパドルシフトも完備。

まず試乗したのは、「ハイブリッドS」。フロントマスクが一新されて、グリルとヘッドライトが一体化した。そして、ライトにはLEDが採用されている。塊感のあるワンモーションのボディスタイルはそのままに、存在感のあるマスクを身に纏ってクリーンな先進性を体現している。

インテリアは、従来のブルー系からブラック/グレーのシックなものとなった。ベーシックで飽きのこない雰囲気ではあるが、ちょっと物足りない……と感じる高級志向のダウンサイザーやオシャレな女性には、「プレミアムブラウン・インテリア」も用意されている。

走りにおいては、ボディ剛性の向上がそのまま性能に反映されている感がある。安定性が高く、フットワークはしなやかに動いて、乗り心地も良い。

通常、このクラスはCVTが主流で、フィットもガソリンエンジン搭載車にはCVTを採用するが、ハイブリッドモデルには7速DCTが採用される。この点も小気味良くダイレクトな加速感を味わえる要因だろう。

さらに今回、ギヤ比が見直され、よりローギヤ化が図られた。これ、ドライバビリティには良いが、燃費は辛い方向となる。とはいえ、エンジンはシリンダーヘッドからピストン、カムシャフムをはじめ、あらゆる点を改良し、軽量化や燃焼技術向上、そしてフリクションの低減が図られている。さらに空力も見直され、JC08モードは37.2km/ℓという優秀な数値を達成している。

聞けば聞くほど、乗れば乗るほど、マイナーモデルチェンジとは思えないほどの“こだわり”が感じられる仕上がりだ。

抜群に面白い「RS」グレード 安全面の装備が進化の目玉。

「RS Honda SENSING」。RSシリーズのイメージカラーはサンセットオレンジⅡ。太陽光の下だと、艶やかさが一段と映える。

クルマを購入する際、重要視する項目のひとつに「燃費」が挙げられるだろう。フィットも販売台数の半数以上をハイブリッドモデルで占めるという現状がある。

一方で、コンパクトなボディを意のままに操ってキビキビ走りたい!と望むユーザーもいる。そして、いまどき、国産車でMT仕様のモデルを探すのは至難の技だ。それだけに「RS」グレードは貴重な存在といえる。

「RS」はオレンジがキーカラー。インタリアにも随所にオレンジのラインがアクセントとして使われている。外観はリヤディフューザーも装備されるなど、ハイブリッドモデルとはかなり印象が異なり自己主張も強い。

シートのフィット感はハイブリッドモデルよりしっくり収まり、ホールド性も良い。そしてマニュアルシフトは、操作性は軽いが適度な節度感もある。ステアフィールも同様に、軽いけど接地感がある。自ら操作する愉しさはありながら、マニュアルが苦にならない操作感だ。

スポーティなルックスで、タイヤも「ハイブリッドS」と同じ16インチアルミを装着。乗り心地も快適で、尖ったところはない。ハンドリングが物足りなければ、ホンダアクセスや無限から様々なアフターパーツも用意されているので、ドレスアップやチューニングの楽しみもある。

その一方、スポーティさと実用性の両立が魅力的だ。そもそもフィットの特徴でもあるセンタータンクレイアウトにより低床設計なので、室内空間が広々としている。さらに自転車やベビーカー、観葉植物、サーフボードなど、色々な形、サイズのものが収納できるシートアレンジも可能。

ミニバンのようにフルフラット前提ではないので、リヤシートの座り心地も犠牲にされず、もちろん、乗員に対するスペースも広い。この空間を見ると、妥協でコンパクトカーを選ぶわけでなく、これだけの広いスペースがあればフィットで十分満足、と積極的に選ばれるのも納得だ。

もちろん、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」も搭載される。高速道路でACCやLKASを試したが、巡行していればシフトを要求されることもなく前車に追従してくれる。思わず、料金所ゲートでクラッチ踏むのを忘れそうになってしまった……。

RSグレードは、スポーティな雰囲気を味わえながらも快適で実用性、そして安全装備も満載で、全方位で進化している。

フィットは各グレードに専用のインテリアカラーを展開。RSシリーズのテーマカラーはオレンジ。
ガソリン車の上級グレードは1.5ℓ直噴DOHCエンジンを搭載する。

ブラックを基調にオレンジのラインが施されたシート。改良前よりも落ち着いたデザインに変わった。
後席の座面は跳ね上げ可能で、背の高い荷物を効率的に積み込める。シートアレンジの豊富さもフィットの強み。

上級モデルの前後バンパーのデザインを一新し、低重心でワイドな印象が強まったフィット・シリーズ。パワートレイン、グレード、カラーなど豊富なバリエーションを揃える。
ハイブリッド車に搭載される1.5ℓアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンはブラッシュアップされた。空力性能も向上し、JC08モード燃費は37.2km/l(FF)を達成する。

ハイブリッド車専用メーター。シンプルなデザインで視認性も良い。
ハイブリッド専用セレクトレバー。その付近にはSモードのスイッチを配置。スイッチONでエンジン中心のスポーティな走りを満喫できる。

衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能など、8つの機能が備わった安全運転支援システム「Honda SENSING」の進化が改良の目玉。
フル乗車時の荷室の容量はガソリン車で363ℓ、ハイブリッド車で314ℓを確保。6対4分割可倒式の後席を倒せば、クラス最大級の広さに。

RSのリヤスタイル。大型テールゲートスポイラーがスポーティさ強調する。

SPECIFICATIONS
ホンダ・フィット ハイブリッドS Honda SENSING
■ボディサイズ:全長4045×全幅1695×全高1525㎜ ホイールベース:2530㎜ ■車両重量:1170㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHC 総排気量:1496cc 最高出力:81kW(110ps)/6000rpm 最大トルク:134Nm(13.7㎏m)/5000rpm ■モーター:最高出力:22kW(29.5ps)/1313-2000rpm
モーター最大トルク:160Nm(16.3kg-m)/0-1313rpm バッテリー:リチウムイオン ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:FF ■サスペンション形式:F マクファーソン式 R 車軸式 ■ブレーキ:FベンチレーテッドディスクR リーディングトレーリング■タイヤサイズ:185/55R16 ■環境性能(JC08モード)燃料消費率:31.8km/ℓ ■車両本体価格:220万5360円 

SPECIFICATIONS
ホンダ・フィット RS Honda SENSING
■ボディサイズ:全長4045×全幅1695×全高1525㎜ ホイールベース:2530㎜ ■車両重量:1070㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHC 総排気量:1496cc 最高出力:97kW(132ps)/6600rpm 最大トルク:155Nm(15.8㎏m)/4600rpm ■トランスミッション:6速MT ■駆動方式:FF ■サスペンション形式:Fマクファーソン式 R車軸式 ■ブレーキ:FベンチレーテッドディスクRディスク ■タイヤサイズ:185/55R16 ■環境性能(JC08モード)燃料消費率:19.2km/ℓ ■車両本体価格:205万902円 

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