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  • 2017/08/07
  • 遠藤正賢

ロールス・ロイス・ファントム、新型8代目へ14年ぶりにフルモデルチェンジ!

オールアルミ製スペースフレーム「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用

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新型ロールス・ロイス・ファントム
イギリスのロールス・ロイス・モーター・カーズは7月27日、同社のフラッグシップ超高級サルーン「ファントム」をフルモデルチェンジ。新型8代目をワールドプレミアさせた。
フロントまわりのデザインスケッチ

1925年に創業者のヘンリー・ロイスが初代ファントムを発売してから92年、BMWがロールス・ロイスを傘下に収め、先代7代目ファントムを最初のモデルとして発売した2003年から14年ぶりの世代交代となる新型「ロールス・ロイス・ファントム」は、新設計のオールアルミ製スペースフレームボディ「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用。先代より軽量化しつつボディ剛性を30%高め、乗り心地、静粛性、居住性を向上させた。

リヤまわりのデザインスケッチ

なお、ロールス・ロイスのエンジニアリング・ディレクターであるフィリップ・コーエン氏によれば、この「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」は新型ファントムのみならず、ロールス・ロイス初のSUVとなる「プロジェクト・カリナン」をはじめ、次世代のゴースト、レイス、ドーンにも用いられる見込み。

周囲のパネルと一体化した「パンテオン・グリル」と、その上に鎮座する「スピリット・オブ・エクスタシー」

「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」の採用によってパネル間の継ぎ目を大幅に減少させたエクステリアは、手作業で磨き上げられる伝統のステンレススチール製「パンテオン・グリル」を先代より大型化しつつ、初めて周囲のボディと一体化。「スピリット・オブ・エクスタシー」をその頂部中央に鎮座させた時の搭載位置は約1cm高められるなど、先代以上にモダンなフロントマスクが与えられた。

夜間に600m以上先の路面を照らす「レーザー・ヘッドライト・システム」

また、内側を曇りガラスとしたレンズに、外周全体を覆うリング状のデイタイムドライビングライトが観る者の目を引くヘッドライトには、「レーザー・ヘッドライト・システム」を搭載。夜間に600m以上先の路面を照らすことを可能としている。

標準ボディのサイドビュー
EWBのサイドビュー

サイドビューは歴代ファントムが伝統とする2:1の比率、フロントが短くリヤが長いオーバーハング、直立したフロント・エンドと流れるようなリヤ・エンドを堅持。一体式のサイドフレームフィニッシャーは手作業で磨き上げられたステンレス製で、エクステンデッド・ホイールベース(EWB)仕様にはさらに、1ピース式のステンレススチール製ストリップが装着される。

導光チューブ式LEDテールランプを装着したリヤまわり

リヤまわりは1950~60年代のモデルを想起させる流麗なルーフラインを備え、リヤガラスをステンレス製フレームで覆うとともに、初期のファントムと同じくトランクであることを明確に主張する形状のトランクリッドを採用。その下端には車両後部の気流を整えるため、フロント・グリルと対を成すデザインのステンレススチール製フィニッシャーを装着した。

EWBの「コーチ・ドア」

「コーチ・ドア」と呼ばれる観音開きドアのドアハンドルにはセンサーを内蔵。助手や駐車係が軽く触れると、乗員を優しく包み込むようにドアが閉まる。そのドアから室内に乗り込むと、快適性を高めるために手作業で製造され、幅の広さや快適性を強調すべく上部に水平のラインが入れられた後席が出迎える。

EWBの固定式センターコンソール付き個別シートから、ピクニックテーブルやシアターモニターが装着された前方を望む

前席背面のカナデル・パネリングには、ボタン一つで展開・収納できる電動式リヤピクニックテーブルおよびリヤシアターモニターを装着。後席はラウンジシート、格納式アームレスト付き個別シート、固定式センターコンソール付き個別シートのほか、新たに導入されたスリーピングシートから選択可能となっている。

EWBの固定式センターコンソール付き個別シート

固定式リヤセンターコンソール付き個別シートを選択するとさらに、ウィスキーグラス、デカンター、シャンパンフルート、クールボックス付きドリンクスキャビネットも備わるなど、後席のVIPを手厚くもてなすためのアイテムは極めて多彩だ。

標準ボディのラウンジシート

なお、シートヒーティング機能と連動する「ヒーテッド・サーフェス」付き「ファントム・スイート」装着車には、フロントドアアームレスト、フロントセンターコンソールリッド、Cピラー下部、個別シートの全てのリアサイドアームレスト、リアセンターアームレストなどにもヒーター機能がプラスされる。

12.3インチディスプレイを閉じた状態の運転席まわり

「ギャラリー」をコンセプトとする直立したダッシュボードには全幅にわたり強化ガラスが用いられ、その中にクローム製フレームで囲まれた計器類やアナログ時計、宝石類を配置。さらに、ナビやドライバー・アシスタンス・システムを表示するLEDバックライト付き12.3インチTFTカラーディスプレイ、7×3インチ高解像度ヘッドアップ・ディスプレイ、最新のナビゲーションシステム、エンターテイメントシステム、Wi-Fiホットスポットが装着された。

リャン・ヤンウェイの「オータム・パレット」
トルステン・フランクの「デジタル・ソウル」

ニンフェンブルクの「イモータル・ビューティ」
ヘレン・エイミー・マレーの「ウィスパード・ミューズ」

そして、ダッシュボード上部はアート展示スペースとされ、その強化ガラスの内側に、中国の有名なアーティスト、リャン・ヤンウェイ(Lian Yangwei)による秋の英国・サウス・ダウンズの風景にインスパイアされた油絵、ドイツのプロダクト・デザイン界の前衛作家、トルステン・フランク(Thorsten Franck)によるオーナーのDNAを3Dプリントで印刷した金メッキのプレート、世界的に有名な磁器メーカー、ニンフェンブルク(Nymphenburg)による手作りの陶器製のバラの茎、または英国の若手アーティスト、ヘレン・エイミー・マレー(Helen Amy Murray)の抽象的なデザインが施されたシルクなどを装着することが可能となっている。

ステレオカメラをフロントガラス上部、ミリ波レーダーをロアグリル中央に搭載

「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」の採用に伴い、走りのメカニズムも一新されている。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リヤが5リンク式。これに四輪操舵システムと最新世代のセルフレベリングエアサスペンションを組み合わせた。減衰力はボディの加速度、ホイールの加速度、ステアリングの操作状況、車載カメラからの情報を利用して毎秒数百万回調整される。

さらに、100km/h以下で走行中は、フロントガラス上部に装着されたステレオカメラで路面の状況を把握。フィードフォワード制御を行うことで操縦安定性を高めつつ、ロールス・ロイスならではの「魔法の絨毯」と呼ばれる乗り心地を確保した。

「世界で最も静粛なクルマ」を創造するため、極めて入念なNVH対策が施されている。厚さ6mmで2層のツヤ出し処理、重さ130kg以上の遮音材、鋳造アルミ製ジョイント、高性能の吸音素材を車両全体に採用した。

スペースフレームのフロアとバルクヘッドには二層式の合金製スキンを採用しつつ、その間にヘビー・フォーム(重さのある発泡素材)とフェルト層を挿入して、路面からの騒音を遮断。ヘッドライナー、ドア内部およびトランク内部の空洞部分には高吸収素材の層を設け、残響音を低減している。

空洞共鳴音を抑える22インチ「サイレント・シール」タイヤ

そのうえ、内側に発泡体の層を形成し空洞共鳴音を抑える22インチの「サイレント・シール」タイヤを採用して、タイヤ全体から発生する騒音を9db減少。車両全体で100km/h以下の騒音レベルを先代より約10%低減した。

新開発の6.75L V12ツインターボエンジン

搭載されるエンジンは最高出力563psを発揮する新設計の6.75L V12ツインターボとなり、900Nmの最大トルクを1,700rpmで発生。これにZF製8速ATと「サテライト・エイデッド・トランスミッション(SAT)」を組み合わせ、国家行事に参列する低速走行時の静粛性と、緊急時に必要とされる俊敏な加速力を両立させている。

予防安全技術としては、アラースネス・アシスタント、パノラミック・ビューおよびヘリコプター・ビューを含む全方位視野システムを可能にする4カメラ・システム、ナイト・ビジョンおよびビジョン・アシスト、アクティブ・クルーズ・コントロール、衝突警告、歩行者警告、交差交通警告、車線逸脱および車線変更警告などを設定。長距離長時間運転し続ける運転手の疲労を軽減し、後席の住人を事故の危険から遠ざけることが可能になった。

日本仕様は今年末に発表される予定。先代ファントムは標準ボディが51,670,000円、EWBが59,950,000円に設定されていたが、新型は6千万円の大台を突破する可能性が高い。

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