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  • 2017/08/25
  • 「東新宿交通取締情報局」

史上最強定置式オービス、LHシステムの怖さを科学する!【交通取締情報】

目立たない、間違いやすい、レーダー探知機無効etc. ドライバーを悩ます困ったやつ!

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新東名高速下り65.1kpに設置されているLHは電光掲示板とカラーコーディネートされ、ひたすら目立たないから厳重注意!
最近のスピード取り締まりに関する話題といえば、なんといっても可搬式の新型オービス。確かにネズミ捕りにオービスが導入されるというのはショッキングなニュースではあるけれど、それはもちょっと先の話。実はその陰に、定置式オービスでは最強と言われるLHシステムが、各地で密かに増殖しているという事実がある。どちらかといえば、わずかだがつけ込む隙があった従来のオービスにくらべてLHはまさに完全無欠…いや完全無欠ということになっているだけにその正体をしっかり把握することが肝心だ。

2車線対応型のLH。それぞれ右側がCCDカメラ、左側が赤外線ストロボだ。光磁気ディスクを内蔵し、映像はデジタル回線でその都度、中央装置に電送される。つまり、従来のフィルム式カメラのようなフィルム切れによる撮りっぱぐれがないというわけだ。

☆まずはLHシステムの正体を見極めよう。
LHシステムのデビューは1994年。なんだ古いじゃん、と思うかもしれないが、旧型のレーダー式やループコイル式オービスに対して遥かにハイレベルな性能を誇り、今でも日々、進化しているのだ。ちなみにその正式名称は「ループコイル式高速走行抑止システム」。「LOOP COIL」の「L」と「HIGH SPEED」の「H」をとってLHシステムと命名された。

製造しているのは東京航空計器(株)という計測器メーカー。余談だが、オービスの元祖であり、その呼称の元となった「オービスⅢ」をパテント生産し、最近ではレーダーではなくレーザースキャンという速度計測システムを搭載した可搬式オービスを開発するなど、スピード取り締まりとは切っても切れない関わりを持つメーカーだけに、製品の信頼性は警察のお墨付きとなっている。

その速度計測システムは、その名の通り、ループコイル式を採用。ちなみにループコイルとは、アスファルトの路面を長方形のミゾを切って、細めの電線を2~5巻埋め込んだもの。そのコイルに高周波電流(交流)を流すと磁界が発生する。そこにクルマなどの金属体が近づくと磁気が乱れ、流れている電流に影響を与える。これをスイッチ用信号として検出する仕組みだが、これで速度を計測するためには2個のループコイルを一定間隔(6.9m)で埋め込むことが必要。スタート側(スタートループ)とストップ側(ストップループ)でクルマを検出することで、6.9mの通過時間を測り、換算して速度を出す。

現在、使われているループコイル式では6.9mの中間(3.45m)地点にもループコイル(コントロールループ)が埋めてある。これは速度変化が激しい、など、クルマが異常走行したと判断されるときに、それを感知して撮影を中止させようというもの。できるだけ誤測定を防止しようというわけだ。

新設オービスでも必ず、この警告板が事前に掲示されているはず。見逃し厳禁!

☆LHシステムが怖い理由 その1
・レーダー探知機が無効!
いや、最近のレーダー探知機はGPSが搭載されレーダー波を感知しなくてもちゃんと位置情報を教えてくれるから問題ないじゃん、というあなた、オービスは日々、増殖し、1日あれば新設できるって知ってました?(ただし設置して即、稼働することはなく、ある程度の試験運用を経て実稼働をスタートさせてはいるが。)

つまり、GPSレーダー探知機やオービス情報を搭載したカーナビやスマホアプリであっても、つい最近、設置されたオービスには対応のしようがない、どんなハイテクアイテムでもレーダー波を出さない出来立てのLHシステムには無力だということです。

☆LHシステムが怖い理由 その2
・ループコイル式でも誤作動を起こす可能性がある!
コントロールループによってある程度の誤作動防止策がとられているループコイル式、とはいえ、クルマの最低地上高や路面の荒れ、地盤のひずみなどによってセンサーの感度が左右されたり、他の近接車両の影響を受ける可能性も、実は指摘されていたりするのだ。

例えば、首都高では1日の通過量が100万台を越え、過積載車両がループコイルの埋められた路面を踏みつけている、など、使用環境の過酷さによって思わぬ誤作動を引き起こす可能性は十分ある。機械である限り、絶対に故障しない、誤作動を起こさないなどということは考えられないのだから。

これはNシステム(自動車ナンバー自動読み取りシステム)。主に犯罪捜査に使われ、通過車両すべてのナンバーを撮影しているだけ(ドライバーの写真も撮っているという噂もある)で、速度測定は行われていない。

☆LHシステムが怖い理由 その3
・目立たない! 間違えやすい!
LHシステムは大きな白いはんぺんのようなレーダーアンテナが目立つ新Hシステムと違い、これといった特徴もなく、非常に目立たないことこの上ない。さらに、露出しているのはカメラとストロボだけ。カタチは若干、違うけど通過車両のナンバーを撮影しているNシステムと間違えやすいという面もある。逆に、NシステムをLHと間違え、急ブレーキを踏んだら追突された、なんてケースもままあるのだ。

度重なる誤計測により、各地で訴訟が起こされ、撤退を強いられている新Hシステム。すでにメーカー(三菱電機)も製造を中止している。

☆LHシステムが怖い理由 その4
・警察の威信がかかっている!
数々の誤計測により、急速に撤去が進んでいる新Hシステム。もちろん、警察は誤計測を認めたわけではないが、高等裁判所で逆転無罪判決が出る(その後、最高裁で差し戻しとなったが)など、警察にとっては都合の悪い状況に追い込まれたことは確かだ。で、撤去されたポイントの後継機種として設置されているのが、このLHシステム。1機3000万円とも言われるHシステムを大量導入した警察にとって、まさに威信がかかっているというわけだ。

つまり、「理由 その2」で述べた誤計測の可能性を警察としては絶対に認めるわけにはいかない、訴訟を起こしても全力で反撃してくるはず。ドライバーにとってさらに部の悪いことになりそうだ。

というわけで、LHシステムはいろんな意味で最強のオービスだということがわかっていただけただろうか。

もちろん、制限速度を守っていれば気にする必要はないけど、別に飛ばす気はなくても、なりゆきで、あるいはついうっかりスピードが出ちゃうことはままあるし、誤計測される可能性だってないわけじゃない。まずは敵を知ることで、自分の身は自分で守ってほしい。

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