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新ブランドメッセージ「Drive your Ambition」と新デザインフィロソフィ「Robust & Ingenious」を体現 三菱が「e-エボリューションコンセプト」の全容を公開。後輪左右モーターのトルクを片輪に集中可能な「デュアルモーターAYC」を搭載したクロスオーバーEV!【東京モーターショー2017】

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三菱e-エボリューションコンセプト

三菱が「第45回東京モーターショー2017」の目玉モデルとして、事前にはシルエットと概要のみを公開していた「e-エボリューションコンセプト」。その真の姿は、後輪左右モーターのトルクを片輪に集中可能な「デュアルモーターAYC」を搭載し、新ブランドメッセージ「Drive your Ambition」と新デザインフィロソフィ「Robust & Ingenious」を体現した、新世代のクロスオーバーEVだった!

三菱e-エボリューションコンセプトのサイドビュー

これからの三菱自動車のクルマづくりの方向性を示唆するという「e-エボリューションコンセプト」は、機動力に優れ多用途に応えるSUVを、三菱自動車の技術の粋を集めて進化させた、クロスオーバーSUVタイプの新世代ハイパフォーマンスEV。

三菱e-エボリューションコンセプトのリヤまわり

その内外装は、新たなデザインフィロソフィ「Robust & Ingenious」(力強い本物感と創意工夫)に基づいて描かれており、エクステリアでは台形グリルを核とするフロントマスク「ダイナミック・シールド」と、彫刻的なサイド&リヤ「スカルプチャード・ソリッド」を進化させることで、三菱車らしい力強さが表現された。

水平基調のインパネで姿勢変化の掴みやすさにも配慮した運転席まわり

大型ディスプレイがインパネ全面を占め、スイッチ類がセンターコンソールに集中したインテリアは、水平基調のインパネデザイン「ホリゾンタル・アクシス」で、姿勢変化を掴みやすく、広い前方視界と開放感が得られる空間を構築。

Bピラーレス構造と観音開きドアで乗降性を高めた三菱e-エボリューションコンセプト

しっかりした操作感のスイッチと安心感のあるグリップ形状による「ソリッド・タッチ」、直感的に操作できるマルチメディアとスイッチ類「ビジブル・ファンクショナリティ」、充実した収納スペース「おもてなし」をキーワードに、Bピラーレス構造と観音開きドアも採用することで、使い勝手が良く信頼感のある感触が得られるよう設計されている。

トリプルモーター方式4WDシステムによる低ミュー路の走行イメージ

そして、フロントに1機のモーターと、リヤに新開発の「デュアルモーターAYC」(AYC=アクティブヨーコントロール)を搭載したトリプルモーター方式の4WDシステムを採用。EVの高効率・高応答・高精度という特性を活かし、日常走行からスポーツドライビングまで全ての速度領域で、意のままの安全で快適なドライビングを実現する。

「デュアルモーターAYC」を開発した三菱自動車工業の澤瀬薫CTE
この「デュアルモーターAYC」、パワートレインの開発を担当した、同社EV・パワートレイン技術開発本部の澤瀬薫CTE(チーフテクノロジーエンジニア)によれば、「単に後輪左右のモーターが別々に各輪を駆動することで、トルクベクタリングを行うというものではありません」という。

「詳しいメカニズムはまだ話せません」とのことだが、状況に応じて後輪左右モーター両方のトルクを片輪に伝えられる構造とすることで、スプリットミュー路や片輪が浮いた状態でも、2個のモーターの性能を最大限活かしてトラクションや走破性を高めることができます」というのだ。

澤瀬薫CTEは、歴代ランサーエボリューションでAYCやACD(アクティブセンターディファレンシャル)、S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)を開発・実用化した、「ミスターAYC」の二つ名を持つことで知られるエンジニア。

歴代ランエボに搭載された各システムとの違いを聞くと、「これまでのシステムはあくまでエンジン車を前提に理想的なものとしていましたが、今回のデュアルモーターAYCは、電動化した時に理想的なトルクベクタリングの姿として考えました。モーターで制御するため応答性と精度が高く、余計なエネルギーロスが減らせるため、街乗りでもいつでも使えます」と説明した。

さらに、「e-エボリューションはSUVですので、本来なら大きく重いことで応答遅れが出やすいのですが、デュアルモーターAYCによってアクセル・ブレーキ・ステアリング操作に対する動きを軽くすることができます。それによって、初心者でも意のままに操る喜びを味わえ、プロが使えばもっと高い次元の走りを楽しめます」と、そのメリットを強調していた。

しかも、「e-エボリューションに投入した技術のいくつかは実際に開発を進めておりますので、きっとお見せできる日が来ると思います」と、市販車への投入を示唆。

ルノー・日産アライアンス加入後に益子修CEOが「いつか復活させたい」と話したランサーエボリューションへの採用についても、「いつかそういうクルマが出た時には、やはり入れたいですよね。クルマが自動運転になっても、運転する楽しさを捨てたくはありません。ドライバーが自分で運転したいと思った時に、こういう技術が役立つということを、実験などで確認しています。また、従来のランサーエボリューションと同様に、パフォーマンスも上がります」と、頼もしいコメントを返してくれた。

三菱ブランドの再構築について説明する三菱自動車工業の山下光彦副社長
また、山下光彦副社長は、SUVやEV、システムといった三菱の強みを活かしてブランドを再構築。新たなるブランドメッセージ「Drive your Ambition」を掲げ、アライアンスでのスケールメリットを拡大しながら独自性を強化する方針を明らかにしている。

こうした新たな方針を体現するコンセプトカーとして作られたe-エボリューションは、同じアライアンスに属する日産が、同じく東京モーターショー2017の場で発表したクロスオーバーEV「IMx」との共通点も多い。そのことからも、e-エボリューションは個々の技術のみならずクルマ全体としても、市販化が実現する可能性は決して低くはなさそうだ。

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