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  • 2018/01/08
  • GENROQ編集部 野口 優

【2018年のオススメ車】刺激満載の「アルファロメオ ジュリア」

FR車だからこそ味わえる”アルファロメオ”の官能性。

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ALFA ROMEO GIULIA QUADRIFOGLIO
久々のFR車としてデビューした「アルファロメオ ジュリア」。往年のアルフィスタはもちろん、ドイツ勢ばかりに目が行く保守派にとっても、このジュリアの官能性を知るべきだろう。今時、珍しいほどの”刺激”をもってドライビングを楽しませてくれる、スポーツセダンだ。

PHOTO◎市 健治(Kenji ICHI)

FR車だからこそ”アルファ”だ!

カーボン製のリヤスポイラーを備えるクアドリフォリオ。ルーフパネルにもカーボンを使用している。

アルファロメオが遂にFR車を復活させる!と大いに話題になった「ジュリア」。往年のアルフィスタなら喉から出が出そうなほど、触発される1台だ。もちろん、私自身も期待していた。FFの155や156も悪くなかったが、やはりアルファといえばFRに限るというのが本音だろう。

実に75以来のFR車となるこの新型ジュリアは、ライバルとされるBMW 3シリーズやメルセデスCクラスなどと比較すると、さすがに存在感がある。ドイツ勢のような保守的なデザインとは違い、やはりイタリアンデザインの妙技なのだろう、デザインからして“その気”にさせるから、乗る前から期待は膨らむ。ましてや、コクピットは意図してタイトに仕立てているのだから、尚さらだ。

ALFA ROMEO GIULIA QUADRIFOGLIO

はじめにステアリングを握ったのは、トップグレードのクアドリフォリオから。V6ツインターボエンジンを搭載し、510ps&600Nmというパワー&トルクを発揮する。これは、同じイタリアメーカーのマセラティ・ギブリよりも上。価格もクアドリフォリオのほうがやや高値に設定されているから、もはやヒエラルキーなど関係なくなったのだろう。そう思うと、見方も変わるというものだが、マセラティはエレガンスを基本としているのに対して、アルファロメオは、スポーツセダンを全面に押し出しているのが、見た目からして分かる。しかも同じV6ツインターボでも、エンジンはまったくの別物ということもあって、共通点も皆無と言っていい。

ステアリングに設けられた赤いボタンを押すと、そのV6ツインターボエンジンはやや強めの排圧をともなって始動した。悪くない。いや、実に刺激的なサウンドを発する。ギアボックスは8速AT、これに巨大(長い)なパドルシフトを備える。ステアリングのグリップも太めの設定だ。そして、レースモードまで用意されるドライブモードを確認し、まずはノーマルモードからスタートした。

官能的かつ刺激的な走りを見せるクアドリフォリオ。本気の走りにも応えるために、プロペラシャフトにカーボンを用いているのも特徴だ。

走り出してまず実感するのは、トルクフィール。滑らかに回り、極めてスムーズな印象だ。無論、街中での扱いやすさを優先しているのは明白で、特に2000rpmを堺に動かしていても8速ATの制御も相まって、意外にも控えめに感じる。とても600Nmを発揮するとは思えないくらいだ。乗り心地も快適だからマナーよく躾けられている。アイドリングストップや気筒休止システムを搭載しているのも“今時”らしくて好ましい。

ところが、ダイナミックモード(スポーツモード)を選択した途端、“アルファ”らしい官能的な面を露わにした。サスペンションは引き締まり、ステアフィールにも変化が見られ、漲るパワーを使い切れ!と言わんばかりに、ドライバーを煽る。速い!さすがは510psだと唸らせる。何しろ、3500rpmを超えたあたりから6500rpmくらいまでフラットに回るから、その間はあっという間に感じる。これは間違いなくトルクフィールの味付けが上手い証拠だ。0→100km/h加速は3.9秒! これを速いと思うか個人差はあれど、この数値以上に感じられたのは事実。イタリアンらしい高揚感を伴うとあって、この上ない刺激を味わえる。

もちろん、コーナリングでの姿勢も優秀だ。トルクベクタリングを備えることもあって、旋回性能は非常に高い。それに加え、シャシー制御も巧みだから、ワインディング程度では、その性能を使い切れるわけがないと思えるほど、実にいい動きをする。タイヤの接地感などインフォメーション性も良いため、みるみるうちにペースが上がってしまう。だが、しかし。ひとつだけ難点を言わせてもらうと、ステアフィール自体は悪くないのだが、ちょっと軽すぎると感じた。他社のスポーツセダンと比較すると、やや希薄だと思う。この点においてはマセラティ・ギブリのハンドリングを是非とも見習ってもらい(同じグループなんだから!と言いたい)。

予想以上に良い「ジュリア スーパー」

GIULIA SUPER

そして、続いて乗ったのは「ジュリア スーパー」。直4ツインスクロールターボを搭載し、200ps&330Nmを発揮する、いわばエントリーモデルである(この下に同じエンジンを積む「ジュリア」がラインアップするが、これは受注生産)。実はこれが予想以上に良かった。確かにこれなら“3シリーズ”や“Cクラス”を相手にしても不思議ではないと思えたのは本当だ。質感にしても悪くない。特にテスト車の仕様がウッドマテリアルを使っていたこともあって、個性が際立つどころか、粋だな!と素直に思わせる。こういったところは、やはりイタリア車、しかもアルファロメオが成せる技だろう。

走りに関しても同様。直4ターボとはいえ、330Nmという最大トルクをわずか1750rpmから得られるのだから乗りにくいわけがない。むしろ、普段の足として使い倒すのであれば、冷静沈着なドイツ勢よりもお薦めだ。なぜなら、こんなに洒落ていて、しかもイタリア車らしい高揚感も得られるうえ、価格帯を思わせないクラスレス的なスポーツセダンは他にないからだ。しかも常に軽快に走るとあって、普段の生活を豊かにしてくれそうな気さえする。

いずれにしても、“FRアルファ”の復活は、予想以上の完成度でホッとした。2018年、冷やかしでもいいから、是非一度、このジュリアをお試し頂きたい。できれば、今までドイツ車ばかりに乗っていた人にこそ、この“味”を知ってほしいと願っている。

【DETAIL CHECK】クアドリフォリオ

センタートンネルの高さがFRであることを物語る。それだけにコクピットはタイト感があって個性的。レザーやカーボンをふんだんに使用した、その質感の高さもジュリアの印象を高める理由だ。
アルファロメオらしい二連メーター。ターボ車としては7000rpmからレッドゾーンというのも好印象。
ギアボックスはZF製8速ATを採用。その右下に配置されているのがドライブモード。サーキット走行用にレースモードまで用意される。

ホールド性の高いスポーツシートを備えるクアドリフォリオ。レザーとアルカンターラを組み合わせる。
リヤシートはこのクラスとしては普通のサイズ。さほど広くはない。ちなみにクアドリフォリオのみ4名仕様となる。

510ps&600Nmを誇るV6ツインターボエンジン。スポーツモード以上では、漲るパワーを味わえる。気筒休止システムやアイドリングストップ機構も備わる。
クアドリフォリオにはドリルドローターが備わる。
カーボン製ボンネットを備えるのもクアドリフォリオの特徴だ。

【DETAIL CHECK】ジュリア スーパー

なんとも粋なコーディネートだった「ジュリア スーパー」の内装。こうしたウッドの雰囲気は往年のアルファ好きにはたまらないはず。
エントリーモデルとはいえ、質感が高いのが実に好ましい。レザーのタッチもよく、デザイン的にも優れている。

【SPECIFICATIONS】
アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ
■ボディサイズ:全長4635×全幅1865×全高1435㎜ ホイールベース:2820㎜ ■車両重量:1710㎏ ■エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ 総排気量:2981cc 最高出力:375kW(510ps)/6500rpm 最大トルク:600Nm(61.2㎏m)/2550rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■ステアリング位置:右ハンドル ■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ:前245/35ZR19 後285/30ZR19 ■車両本体価格:1132万円

【SPECIFICATIONS】
アルファロメオ ジュリア スーパー
■ボディサイズ:全長4645×全幅1865×全高1435㎜ ホイールベース:2820㎜ ■車両重量:1590㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHCツインスクロールターボ 総排気量:1995cc 最高出力:147kW(200ps)/4500rpm 最大トルク:330Nm(33.7㎏m)/1750rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■ステアリング位置:右ハンドル ■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ:前225/45R18 後255/40ZR18 ■環境性能(JC08) CO2排出量:171g/km 燃料消費率:13.6km/ℓ ■車両本体価格:543万円

ALFA ROMEO GIULIA QUADRIFOGLIO

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