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  • 2018/04/16
  • 遠藤正賢

【スズキ・スイフトスポーツvsアルトワークス試乗インプレ】余裕に満ちたポテンシャルを繊細に操るか、限られた性能を完全に使い切るか、それが問題だ

スイフトスポーツは万能性の高い“大人のGTハッチ”、アルトワークスはストイックに走りの楽しさを突き詰めた“青春のホットハッチ”

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スイフトスポーツとアルトワークス、実際の走りは?

スズキ・スイフトスポーツのエンジンルーム
スズキ・アルトワークスのエンジンルーム

そしてアクセルペダルを踏みクラッチをミート、加速し始めると、両車の違いが明確に現れてくる。端的に言えばスイフトスポーツはリニアかつトルクフル、アルトワークスはスイッチのように鋭い吹け上がりだ。そのためスイフトスポーツは速度を意のままにコントロールできるが、アルトワークスは加速をゆるめたければアクセルペダルを完全に戻すしかないのではないかと錯覚するほど、ペダル操作でのコントロールに幅がない。

スズキ・スイフトスポーツのメーターパネル
スズキ・アルトワークスのメーターパネル

一方でスイフトスポーツのレブリミットは5800rpmと低く、アルトワークスは7000rpmまで許容するため、回転域での加速コントロール性と回して楽しむ喜びは後者の方が上だろう。とはいえ、絶対的な性能は、140ps・230Nmのスイフトスポーツの方が圧倒的に高く、発進時やコーナーの立ち上がりで不用意にアクセルペダルを踏み込めば、容易にホイールスピンを起こしてしまう。

対する64ps・100Nmのアルトワークスは、目一杯加速してもそうやすやすとタイヤが音を上げることはない。前者は繊細なコントロールで速く走らせること、後者はポテンシャルを使い切ることに、その醍醐味があると言えそうだ。ただし、両車ともヘリカルLSDがオプション設定すらされておらず、インリフト時にトラクションが掛からなくなる点は、一刻も早く改善してもらいたい。

スズキ・アルトワークスのKYB製ダンパー

そしてハンドリングは、どちらも1tを切る車重で軽快そのものなのだが、スイフトスポーツよりもさらに300kg軽く、サスペンションの味付けもハード、さらに言えば室内空間もシートもタイトなアルトワークスの方が、特に下りのワインディングでより明確にクルマとの一体感を味わえる。

一方で乗り心地はスイフトスポーツの方が優れるのだが、アルトワークスも決して不快なほど跳ねるわけではなく、路面の凹凸をキレイにいなしながら減衰力の高いダンパーが即座に車体の動きを抑えてくれる。

なお、この軽さとサスペンションのしなやかさは高速巡航や上りのワインディングでの速さにも直結しており、アルトワークスは軽自動車とは思えないほど容易に加速し、かつ快適に走れるというのも大きな美点だ。しかしながら、スイフトスポーツでも決して静かとは言い切れないロードノイズが、アルトワークスはそれを遥かに凌駕するレベルで盛大なため、本当に長距離を移動するのは決してオススメできない。

スズキ・スイフトスポーツの単眼カメラ&レーザーレーダー
スズキ・スイフトスポーツのミリ波レーダー

そして何より、スイフトスポーツならばMT車でも、アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能、衝突被害軽減ブレーキなどの予防安全装備が装着できる。高速道路での長距離移動が多いならば、スイフトスポーツのセーフティパッケージ装着車を選ぶべきだ。

スズキ・スイフトスポーツのラゲッジルーム(後席使用時)
スズキ・スイフトスポーツのラゲッジルーム(後席格納時)

また、近所での買い物はもちろん、本格的にサーキット走行会やモータースポーツへ参加するうえで重要な積載能力は、スイフトスポーツは後席を起こしていても比較的余裕がある。だが倒せば荷室フロアとの段差が大きく、後席背もたれの傾斜も強いため、思いのほか使い勝手は良くない。

スズキ・アルトワークスのラゲッジルーム(後席使用時)
スズキ・アルトワークスのラゲッジルーム(後席格納時)

アルトワークスはベース車の時点で後席のニールームを優先(そのせいでヘッドクリアランスが犠牲になっているが…)しているため、後席使用時の荷室空間はまさに“猫の額”レベル。ただし後席を格納すると、6:4分割可倒式ではなく一体可倒式で、後席が完全に犠牲になるという問題はあるものの、その平板な形状が幸いして荷室フロアとの段差は小さく傾斜も弱いため、タイヤや工具箱などの大物も積みやすいだろう。

こうして両車を比較してみると、スイフトスポーツは万能性の高い“大人のGTハッチ”であり、アルトワークスは快適性をある程度犠牲にしながらストイックに走りの楽しさを突き詰めた“青春のホットハッチ”、というキャッチフレーズが筆者の脳裏に浮かび上がってくる。

免許取得から間もなく収入も少ない若者が腕を磨くドラテクマシンとするか、もしくはタイトなワインディング、ミニサーキットやジムカーナを主戦場とするならば、迷うことなくアルトワークスを選ぶべきだ。

スイフトスポーツは、アルトワークスを乗りこなした後、より速度レンジの高いステージで繊細なマシンコントロールを学ぶためのステップアップ用として、また若者と言える年代を過ぎ、ご近所から帰省まで快適に走るための1台として乗るべきだろう。

【Specifications】
<スズキ・スイフトスポーツ(FF・6MT)>
全長×全幅×全高:3890×1735×1500mm ホイールベース:2450mm 車両重量:970kg エンジン形式:直列4気筒DOHC直噴ターボ 排気量:1371cc ボア×ストローク:73.0×81.9mm 圧縮比:9.9 最高出力:103kW(140ps)/5500rpm 最大トルク:230Nm(23.4kgm)/2500-3500rpm JC08モード燃費:16.4km/L 車両価格:1,836,000円

<スズキ・アルトワークス(FF・5MT)>
全長×全幅×全高:3395×1475×1500mm ホイールベース:2460mm 車両重量:670kg エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ 排気量:658cc ボア×ストローク:64.0×68.2mm 圧縮比:9.1 最高出力:47kW(64ps)/6000rpm 最大トルク:100Nm(10.2kgm)/3000rpm JC08モード燃費:23.0km/L 車両価格:1,509,840円


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