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  • 2018/05/27
  • GENROQ編集部

今、最もお洒落で面白い2台。ボルボXC40 vsジャガーEペイス比較試乗!

ハンドリング、乗り心地、デザイン、どちらを選んでも素敵な生活が待っている。

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世界的なSUVブームの潮流の中、欧州から魅力的なコンパクトSUVがデビューした。
スポーツカー顔負けのハンドリングが魅力のEペイスとデザインコンシャスなXC40だ。
プレミアムコンパクトSUVにカテゴライズされる2台のポテンシャルを探った。

TEXT◎佐野弘宗(SANO Hiromune)
PHOTO◎市 健二(ICHI Kenji)

 世の中は、コンパクトSUVがブームだ。新型ジープ・コンパスや三菱エクリプスクロス、BMW X2……など、コンパクトSUVは国籍や価格を問わずに百花繚乱である。そんな中でも、今回の2台はクルマ通が特に注目すべき存在として注目したい。
 
 ジャガーEペイスとボルボXC40には共通点が多い。基本骨格はともに横置きエンジンのFFベースだ。Eペイスのそれは今やジャガーと一体化したランドローバー(イヴォーク/ディスカバリースポーツ)の改良進化版であり、かたやXC40は今回初出のCMA(コンパクトモジュールアーキテクチャー)という違いはある。ただ、いずれにしても、他ブランド量産大衆量の使い回しではなく、自社開発の骨格構造である。
 
 またジャガーとボルボという2つのブランドには共通点が多い。ともに長い伝統と確たるイメージがあり、しかも一時期は同じフォード傘下で血縁関係を結んでいた。かと思えば、ある日突然に離散させられて、現在は「お金は出すが口は出さない」という理想的(?)な親会社のもと、技術的には単独でやりくりする点でも両社は酷似している。

 それにしても、これほど深い因縁を持つ2台が同クラスのコンパクトSUVをほぼ同時に世に出すとは、改めてブームの渦中にいることを痛感させられる。また、両社ともに前記のような激動を経ての現在があり、それゆえに「自分たちのDNA、魅力とはなにか?」を明確に定義できている点も共通する。だから、EペイスもXC40もブーム便乗商品という側面があるのは事実としても、クルマとしての商品力もお世辞ぬきでメチャ高い。Eペイスは誰が乗ってもジャガーだし、XC40は骨の髄までボルボだ。
 

Jaguar E-Pace

Eペイスは現代のホットハッチ!?

 デザインの着想をFタイプから得たというEペイスは、見ても乗ってもスポーツカー……というか、そのサイズやレイアウトからすると、さしずめ「ホットハッチ」である。今のジャガーは「スポーツカーっぽい」を自分たちの定義とする。
 
 その思想はジャガー初のSUVだったFペイスでも明確だったが、より後発にして、サイズも小さくてFFベース、しかもライバルが多いEペイスでは、それがさらに徹底している。その明確なスモールキャビンデザインや、人間をタイトに取り囲むコクピットレイアウトは、なるほど、今あるどのジャガーよりも本格スポーツカーのFタイプに近い。
 

249ps/365Nmを発生するEペイスの2.0リッターターボエンジン。

 そんなEペイスは今回がスポーツ指向の「Rダイナミック」グレードだったこともあって、走りは徹底して鋭い。路面にベッタリ張りついて前後左右にほとんど動かない硬質なフットワークにも驚くが、とにかく緊密で超正確で、クリアな手応えのステアリングに「この瞬間がジャガーだね」としみじみしてしまう。この種の高性能4WDはターンインでズバッと向きを変えて、即座にアクセルを踏んで安定したロケット脱出加速的な走りで真価を発揮するタイプが多い。

 しかし、Eペイスの真骨頂は、あえてゆっくりと愛でるように味わいたくなる繊細美味な操舵感覚にある。この操舵感覚への執拗なこだわりこそ、今のジャガー最大の生命線で、フロントサブフレームをボディに直付けする構造は、Eペイス専用の新機軸だそうだ。


 さらに、Eペイスはサイズも機械構成もよく似たXC40より車重が約200kgも重いのだが、実際の運転感覚では重さをほとんど意識させられない。そのたっぷりと質量かけた豊潤な剛性感が「硬いのに跳ねない、重厚かつ軽快」というEペイスのフットワークに直結しているであろうこと、そしてジャガーのP250エンジンが額面以上にフレキシブルでパンチのある調律に成功していることがその理由だろう。

イケイケ感溢れる最新ボルボデザイン!

VOLVO XC40

 ボルボのXC40にしても、今回の「ファーストエディション」はパワフルなエンジンとスポーツサスを備えるT5 Rデザインがベースゆえに、今回はオンロードの戦闘力でもEペイスに引けを取らなかった。昨今のボルボはスポーツモデルにもすっかり開眼した感があり、このXC40の走りも、客観的に見ればクラス平均より、はるかに躍動的で俊敏である。

 ただ、今回のXC40がやけに穏やかで大人っぽく感じられるのは、となりのEペイスがその点で心地いいほどスカッと割り切って突き抜けていたからだ。しつこいようだが、XC40の走りを冷静に評価すれば、このシャープで安定した走りと、高級なストロークや乗り心地の両立点は、掛け値なしに現時点でトップクラスの1台といえる。

252ps/350Nmを発生する2.0Lターボ。

 XC40で走り以上に感慨深いのは、完全に潜在顧客の琴線をつかんだデザインと機能性だ。そのツボをズバッと突くデザインもそうだが、脱着式ゴミ箱など、まるで日本の軽自動車を思わせる(?)便利グッズをそこかしこに仕込んでくるあたり、今のボルボには「いい企画やアイデアがどんどん湧いてくる!」という好業績のイケイケ感が溢れているのがもっとも魅力なのである。


 ジャガーやボルボにとって、コンパクトSUVはエントリー商品である。よって、そこに使う技術や装備、アイデアには一定の割り切りと取捨選択を必要とする。その結果として、Eペイスはギンギンのホットハッチに、XC40はオシャレで多機能なツールになった。こうした割り切りと取捨選択こそ、各社のウデとセンスの見せどころであり、高級車ブランドもこぞって参入した今のコンパクトSUVは、だから面白い。

※本記事はGENROQ2018年6月号より転載しています。

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