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  • 2018/06/10
  • GENROQ編集部

未来感タップリ! テスラ・モデルSとモデルXを同時試乗!

人気のハイエンドEVの実力を試す

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電動化が加速する自動車界だが、その象徴がテスラだろう。すでにサルーンのモデルS、SUVのモデルXが日本でも発売され、北米ではモデル3という小型サルーンも登場している。スマートなそのデザインも注目だが、やはり気になるのはクルマとしての仕上がりだ。そこでモデルSとモデルXを改めて乗り比べてみることにしよう。

REPORT●佐藤久実(SATO Kumi)
PHOTO●宮門秀之(MIYAKADO Hideyuki)

 各自動車メーカーが”電動化”に向けた計画を次々に発表している現在。まだまだ先、と思っていた電気自動車が日々身近に感じられるようになってきている。シリコンバレー生まれの「テスラ」が新たに発表した「モデル3」は、アメリカでの車両価格が3万5000ドル(約380万円)から。従来モデルは日本で1000万円超えだったから、価格的にも現実的で身近な存在になりつつある。そこで、改めて既存のテスラ「モデルS」と「モデルX」に試乗して、テスラの魅力を徹底解剖してみた。

テスラ・モデルS

モデルSは非常に上質なサルーン

 まずはセダンの「モデルS 100D」。運転席に乗り込み、まず驚くのは”スイッチ類”がほとんどないことだ。その代わりに、センターコンソールにタブレット端末を縦置きしたような大きなモニターが居座る。すべての操作はこの画面を介して行う。実は私も、最初はヘッドライトのつけ方すらわからず困った。通常はステアリングの横側にスイッチがあるのだが……でもテスラに乗ると、このような既成概念に捉われること自体が古いのだと思わせる。このモニターはスクロールやスワイプなど、スマホと同じように操作できるので、慣れれば使い勝手は良いと思えるだろう。

 スイッチ類がないのでコクピットはスッキリしていて、ホワイト&ブラックのレザー、そしてカーボン素材のシンプルでエッジの効いたインテリアが際立つ。スッキリしているのは運転席まわりだけではない。既存のパワートレインを持たないのでフロアは完全にフラット。この恩恵を受けるのがリヤシートだ。足元スペースも十分だが、フロアがフラットだとこんなにも広々と感じるものなのか、と感心した。何より、中央の席に座る人も虐げられない。リヤシートには一切の収納スペースがないが、これもこだわりなのだろうか……。その代わりと言っては何だが、エアコン吹き出し口の所にUSBが二口装備されているのはさすが。

オーディオやナビだけでなく、クルマの設定はほぼ全てこの大型画面で行う。

 さて、走り出した印象は、とにかく滑らか。駆動系を介さない加速はシームレスで、力強い。上昇音を伴なわずに加速していくので最初はとまどうが、サルーンならこの静粛性の高さも快適さだ。ハイブリッドカーで思うことだが、エンジン音がなくなるとロードノイズや風切り音など、他の”雑音”が煩わしく感じる。だが、テスラはこの雑音も抑えられており、乗り心地も快適だ。段差を乗り越えた際も、重さは感じながらも不快な突き上げはない。ACCも試したが、加減速のみ、ステアリングのアシストありなどをチョイスでき、追従性も違和感がない。素材から走り味まで、全般的にサルーンとしての上質さを持つクルマだ。

テスラは自動車をわかっている人が作っている

テスラ・モデルX

 続いてはSUVの「モデルX 100D」。ルーフまで広がるフロントウインドウやリヤのファルコンウィングドアが独自性をアピールする。リヤゲートも含めてドアは高く跳ね上がるが、低い位置に開閉スイッチがあり、さらにオートクロージャーが装備されるので乗降性や使い勝手は良い。そしてウッド&レザーのインテリアも質感は十分。

 こちらの乗り味はモデルSに比べるとやや荒削りな感じ。とはいえ、ハンドリング性能は抜群だ。普通に走っていても低重心であることを実感させる安定感があり、かつ気持ちよく走れる。

モデルXも17インチの大型スクリーンを装備。操作はまるでスマホ感覚で、従来のクルマとは異なる発想で作られている感じだ。
ファルコンウィングと呼ばれるガルウイングドアを採用するモデルX。ドアは全て電動で、これもモニター画面から操作できる。

 電気自動車はコモディティ化してしまうのではないか?という不安もあったが、テスラに乗るとそれが払拭された。低重心、前後重量配分50:50というパッケージングを今回の2台は実現している。スポーツカーでもないのに、だ。それでいて、セグメントなりの異なる個性があるし、モードの選択で加速感も変更できる。強いて気になる点を言えば、サウンドによる官能がないことぐらいか。しかし、静かだとドライブ中にストレスを感じないのも事実。いずれは、あえてサウンドをつけた電気自動車、なんてものも出てくるかもしれないが……。少なくとも、テスラに関して言えばちゃんと「自動車」をわかっている人が作っている、という印象だった。

 電気自動車の2大難点は、航続距離の短さと充電時間だが、今回の2台のバッテリー容量は100kWhで、航続距離は約600kmと十分。専用の充電設備も徐々に増えつつあるが、これは住環境やクルマを使う場所によって印象が大きく異なるだろう。ちなみに今回は充電も行ってみたが、テスラスーパーチャージャー(出力120kW)では約50分で満充電に。チャデモ(44kW)による30分の急速充電ではバッテリー容量が58%から78%へ。そして、家庭用普通充電(3kW 200V)では16時間の充電で78%から98%となった。

テスラ・モデルS
テスラ・モデルX

 600kmの航続距離があれば安心してロングドライブができるが、たくさん走ればその分、長時間の充電を行う必要も生じる。充電器設置場所を確認し、また時間に余裕を持った計画を立てれば、長距離でも煩わしさを感じずに付き合うことができるだろう。私自身のライフスタイルで言えば、住んでいるマンションに充電設備がなく、ほぼ毎日クルマ移動をしている。しかしインフラが整備されて充電の不安がなくなれば、是非とも乗りたい。そう思わせるほど魅力のあるクルマだ。

※本記事はGENROQ2018年6月号より転載しています。

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