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  • 2018/06/18
  • MotorFan編集部

ライダー歴約50年の大ベテランは、その安定感にゾッコンです! トリシティ125試乗レポ/ヤマハ

“タイヤ3つ”はライダーに優しい&易しい!

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2014年9月に3輪トリシティが発売された時、筆者は歴史的なひとつの節目を感じた。3輪のパーソナルコミューターは将来的に多くの人の必需品となることは間違いなく、2輪4輪メーカーの多くが開発に着手してきている。その中でトリシティは次代を担う第一歩の製品と感じられたからである。
REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

■トリシティ125 ……394,200円

■トリシティ125 ABS……432,000円(今回の試乗車両)

 バイクの様に走れる3輪車は欧州でヒットしたピアッジオMP3等、既に珍しい存在ではなかったが、ヤマハはLMW(リーニング・マルチ・ホイール)の第一弾として投入。35万6400円というなかなかリーズナブルな価格設定は、スクーターを愛用する既存ユーザーだけでなく、2輪を知らない多くのユーザーにも親しんでもらおうと言う、同社の強い想いが伝わってくるものだった。

 トリシティはバイク感覚で乗ることができる3輪のスクーター。ホンダジャイロ系とは逆パターンで前が2輪、後輪が1輪というレイアウト。後輪の1輪は一般的なスクーターと同様なユニットスイング方式。大きく異なるのはステアリング軸から前方の部分で、パラレログラムリンクと呼ばれる機構と片持ち式のデュアルフロントフォークを左右それぞれに持つ独自のメカニズムを採用。ごく簡単に言うと上下のフォークブラケットがシーソーの様な動きをして左右の足が伸び縮みするのだ。

左>旧型  右>新型
旧型>エンジンは最高出力が11PS、燃費は35.8km/ℓ(60km/h定地)だった。
新型>ローラーロッカーアームやVVA(可変バルブ)などを採用したBLUE COREエンジンによって、新型の最高出力は11PSから12PSに。燃費も46.2km/ℓ(60km/h定地)に向上した。

 ……と、ここまでが従来モデルのトリシティの話で、2017年12月にはその進化系モデルが39万4200円(ABS付は43万2000円)で投入され、今回はそちらに試乗したという次第である。

 今回のモデルチェンジによってエンジンはフリクションロスの低減が徹底的に追求され、燃費や環境性能に優れたVVA (可変バルブ機構)ユニットで知られる“BLUE CORE(ブルーコア)”に換装された。それに伴いリヤ・チューブレスタイヤのサイズは110/90-12から130/70-13にインチアップ。基本構造に変更はないが、フレームやサスペンション等も細部を小変更。無段変速もマネージメントを熟成。ステアリングもスムーズな動きに改善された。

 早速試乗すると、3輪ならではの安定感を改めて体感した。従来よりも大柄になったフレームによる落ち着きはらった乗り味に、大きな安心感を覚える。広くはない駐車場でUターンに近い状況下(ハンドルフルロックで)をソロリと極低速で発進したが、ここでも2輪にはない悠然たる安定性を見せつけた。バンクし(車体を傾け)ながら旋回するのは2輪の扱いそのものだが、フラつきは皆無で車体挙動の落ち着き具合は4輪のそれに迫る感覚だ。

 市街地に走り出して、さらに感心させられるのは強力な制動能力。普段は左手レバー操作だけで前後バランスの良い連動ブレーキが利いてくれる。しかもイザと言う時は握りゴケの心配もなく両手で思い切り良く急制動でき、停止距離も明らかに短い。混雑した交通環境下を走る上での大きな安心材料になる。
 そしてもうひとつ、絶対に見逃せないのがすごく快適な乗り心地だ。実質的に前の両輪が同時に衝撃を受けるケースは少ない。片側への入力は例のリンクを介して反対側のフォークも稼動し、合わせるととても長いストロークを持つサスペンションに支えられていることになる。そのロードホールディングとフットワークの素晴らしさは目から鱗である。

  “BLUE CORE”エンジンによってトルクが太くなり、柔軟なパワーバンドを有効に使う変速具合も快適。スロットルレスポンスが改善されて、追い越し加速も軽快な身のこなしを発揮してくれた。

 豊かで快適な乗り心地の良さのLMWをさらに進化させた今回のモデルチェンジは、トリシティの非力さや窮屈さといった小さなネガをきっちり解消し、正常進化したと言えるだろう。

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