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400psのホットハッチはやんちゃなエントリーRSモデル RS 3試乗記 from editor's room アウディにはスポーツカーを余裕で喰えるホットハッチがある! RS 3に試乗した

  • 2018/08/14
  • GENROQ編集部 吉岡 卓朗
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Audi RS 3 Sportback

アウディA3ラインナップのハイエンドグレードがRS 3だ。最高出力400ps、最大トルク480Nmという2.5ℓ直5ターボエンジンははたしてCセグ界のスーパースポーツ化の嚆矢となるか?
PHOTO◎市健治(Kenji Ichi)

 昨年の第3世代アウディA3のフェイスリフトに伴い、同じく最新デザインとなったRS 3は、なくなりそうでなくらならないホットハッチの急先鋒である。横置きされるエンジンは先代と同じ2.5ℓ直5ターボで、最高出力400ps、最大トルク480Nmを発生。先代よりも33psと15Nm向上した。ほんの十数年前は高級スポーツカーの数値だったが、今やRSとはいえCセグハッチバックの諸元表に載る時代だ。

インパネは今回のフェイスリフトから採用されたバーチャルコクピットで、ナビ主体やレブカウンター主体にもできる。

 価格もそれに見合って762万円。後述する豊富なオプションもあって、試乗車は総額885万円となかなかの数字だ。変速機は7速DCT。アウディの代名詞ともいえるクワトロシステムで4輪を駆動させる。
 
 やや大ぶりなバケットシートに座って走り出すと、腰部のホールド性はいいものの、やや座面が高く、あと3cm低ければさらにクルマとの一体感が高まるだろうと惜しく思う。だがこれはA3ベース故仕方あるまい。ただしA3の視界性能の良さも当然受け継がれており、DCTの扱いやすさもあって市街地走行で不満はない。最小回転半径は5.1mと大径タイヤを履く割に小さく、しかもそれでいてロック・トゥ・ロックが2.1回転とギア比はクイックだ。

承認タイヤのPゼロで235/35ZR19サイズを履く。バランスのいいグリップ感でRSらしい走りを演出している。
 乗り心地は硬く、ロードノイズもそれなりにうるさいが、試みに山道を走らせるとあまりに高い回頭性に驚いた。クイックなステアリングギア比もあってか、面白いようにクルマがインを向いてくれる。この楽しいハンドリングがオプションで装備されたアウディマグネティックライド(13万円)によるものか、比較できなかったので定かではないが、楽しいことこの上ない。オプションの大径ブレーキ(66万円)はフロントのみ装着されるが、タッチも制動力も期待通りだった。

TT RSにも搭載される2.5ℓ直5ターボエンジンは、5気筒ながら躍動感ある排気音でRSのキャラクターにもマッチしていた。
 サーキットならばハイパワーを利して、鋭いターンインから斜めに加速していくこともできるだろう。高速道路では期待するより直進安定性が低く、ややもすると過敏な印象すら受けたが、なるほど本籍はサーキットや山道にあるのかと思わず昂ぶってしまった。結論はサーキットで走らせると光るクルマである。最近BMW M2でサーキットを走る機会があり、これはこれですばらしい体験だったが、このRS 3は4輪を駆動するハッチバックでありながら、同様の楽しさがあると感じた。

オプションのRSスポーツシートではなく標準のスポーツシートだが、腰部のサポートはなかなかいい。

 しかもACCが備わり、その操作レバーも過去にメルセデスが採用していたステアリングコラムの備わる小型レバー方式で扱いやすい。本家がステアリングスイッチに宗旨替えした今、ぜひ定番としてほしい。このセグメントとしては安くはないが、ちょっと近所の買い物へ、という日常と、ちょっとスポーツ走行にというサーキット生活をバランス良く両立させる選択肢としては悪くない。

SPECIFICATIONS
Audi RS 3 Sportback
■ボディサイズ:全長4335×全幅1800×全高1440mm ホイールベース:2630㎜ ■車両重量(EU):1590kg ■エンジン:直列5気筒DOHCターボ 総排気量:2480cc 最高出力:294kW(400ps)/5850〜7000rpm 最大トルク:480Nm(48.9kgm)/1700〜5850rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:Fマクファーソン式ストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F&R235/35ZR19 ■パフォーマンス 最高速度:250km/h(リミッター作動) 0→100km/h加速:4.1秒 ■環境性能(NEDC) CO2排出量:211g/km ■車両本体価格:762万円

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