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  • 2018/08/31
  • MotorFan編集部

第29回メディア対抗ロードスターレース参戦記③上達に近道ナシ

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モータージャーナリスト塩見智が10年ぶりにレースに挑戦するストーリー。レース前に東京バーチャルサーキットのシミュレーターによる特訓を始めたところ、速く走れないメカニズムがわかってきたようで……。
REPORT◎塩見智(SHIOMI Satoshi)

 慣熟走行の後、ペースを上げる。サーキット走行において何が最も難しいかは各自のレベルやコースによって異なるが、私にとってはなんといってもブレーキングだ。コーナー進入でブレーキングが遅すぎて十分にスピードを落とすことができなかったり、逆にブレーキングが早過ぎてクリッピングポイントのはるか手前で減速を終えてしまったり。減速完了が早すぎると、することがないので本来加速し始めるポイントより手前から加速を始めてしまい、帳尻が合わなくなって結果的にコーナー脱出速度が落ちるという罠に陥る。

 筑波の場合、1コーナーは上っているためにコーナーの後半が見えず、毎回ブレーキングポイントに悩む。「前のラップの失敗を踏まえて次のラップに活かしてください」と塾長がマイク越しに優しくアドバイスしてくださるのだが、わかっていてもできない。走行中、操作に必死でしっかりと考えることができないのだ。

 塾長いわく、脳のCPUを操作にすべて使ってしまうと、状況判断のために使うことができないため、スマートな走りはできない。普段の街中での運転においては、ここでステアリング! ブレーキング! と必死になって運転することはなく、手足が自然に動く。サーキット走行時もそんなふうに身体が自然に動くようになってはじめてコース取りを考えたり、周囲の車両に気を付けたりできるというもの。ただしそれには経験を積むしかない。

 私のブレーキングは最初の踏力が弱く、その結果ブレーキングという作業がダラダラ長引いていることを指摘された。データを見比べると、塾長のブレーキングが最初にドーンとGが立ち上がり、徐々に緩めていくブレーキングなのに対し、私のは最初に恐る恐る踏んで十分に減速できず、さらに踏み増して調節するため、一回のブレーキングの時間が長い。そうすると加速するのが遅くなり、この積み重ねでタイムが遅くなるという仕組みだ。

 それにしても、バーチャル走行によるトレーニングは、実際の走行ではできない指導をしてもらえるのがよい。例えばライン取りの訓練中、塾長がレーザーポインターで進むべき方向やクリッピングポイントなどを画面に提示してもらえる。それに何よりバーチャルの最大のメリットは安全だということ。クルマを壊す心配もなければけがの心配もない。

 どうやらサーキット走行上達に近道はなく、必ず経験(走行マイレージ)が必要のようだが、東京バーチャルサーキットなら都心(あるいは兵庫県西宮市)で30分単位でマイレージを重ねることができる。サーキット走行を始めたい方はもちろん、すでに経験があり、自分の技術レベルを引き上げたい人にオススメだ。

 これを読んでメディア対抗ロードスターレースのライバルチームが東京バーチャルサーキットへ駆け込んでしまわぬよう、レース直前の公開とした。次回、本番の報告に乞うご期待。レースは明日だ。

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