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モーターサイクルジャーナリスト、ケニー佐川が大胆分析 【新型YZF-R25/250ccスポーツ考察】新採用のカウルと倒立フォークがもたらす恩恵とは? /ヤマハ

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ヤマハのYZF-R3/R25の2019年モデルが発表された。スタイルと走行性能に磨きをかけたグローバルモデルとして10月からインドネシアで、12月から米国で次々に発売。来春には日本国内にも投入することもアナウンスされた。

REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)

新型カウルと倒立フォークの威力とは!?

 今回のリニューアルのポイントは3点。

1)エアロダイナミクスを追求した新外観。
2)旋回時の良好な接地感などに寄与する倒立式フロントサスペンション。
3)視認性の高いフルデジタルメーターなど、

となっている。

 フラッグシップモデルのR1とのリレーションを高めたスタイリングとすることで存在感を高めたということだが、多くのユーザーが気になるのはデザインもさることながらやはりパフォーマンスがどれだけ向上したかということだろう。そこで、周辺情報も探りつつ過去の経験も踏まえて大胆に分析してみた。

カウル形状はR6やM1に近い

 上記に挙げたポイントのうち直接速さに結び付く装備といえば、ずばり新型外装と倒立フォークだろう。
 まず新型のカウルだがR1というよりは、むしろ新型R6やMotoGPマシンのM1に顔つきが似ている感じもする。従来のエッジが立ったロボット顔から丸みを帯びた有機的なデザインになっている。いずれにしてもレーシングイメージに統一されたが、気になるのはスクリーンの高さも増した感じもあり、必ずしもコンパクト化したようには見えない点だ。
 バイクのカウル形状とは時代によって常に変化するものだが、その理由はエアロダイナミクス(空気力学)の進化によるところが大きい。

コンパクトなだけが良いわけではない

 MotoGPマシンやF1マシンを見ればわかるが、最近では羽のようなウイングレットが付いたり、解析から生物を思わせるオーガニックデザインを取り入れたり、とシーズン毎に大きく形状が変化している。面白いことにバイクのカウルも単にコンパクト化される方向性ではなく、大きく丸くなったり、小さく鋭くなったりを繰り返しながら進化してきたことだ。
 古くは1950年代のレースシーンで流行したダストビンカウルなどはフロントタイヤごと車体の前半分をすっぽり覆い隠す形状をしていた。これにより、直線での最高速は向上したが、横風の影響を受けやすく危険ということで短期間で姿を消している。
 市販モデルでもスーパースポーツのカウルは概して小さめで尖っていて、ライダーがぴったり伏せた姿勢でマシンと一体となって空気を切り裂くように設計されているのに対し、ツアラーなどのそれは大きくスクリーンも立ち気味で、ライダーが上体を起こした楽な姿勢のまま風の抵抗を低減するためのウインドプロテクションを目的としているのが分かる。また、同じレーシングマシンでも耐久レース用は長丁場を戦うため、スプリント用よりも大きなカウルを着けることでライダーの疲労低減を狙うなど、目的によってもカウル形状は変わってくるのだ。

新型は最高速とプロテクションを両立してきた

 余談が長くなったが、今回の新型R3/R25のカウル形状は空力向上とともにプロテクション効果も狙ったものと思われる。何故なら従来モデルのカウルはライポジに対してややスクリーンが低く小さめだったからだ。元々R3/R25は一般ライダーがストリートで幅広い目的で使うことを想定しているため、R1やR6に比べてハンドル位置がだいぶ高く設定されていた。つまり、スタイルとライポジがややアンバランスだったと言える。新型ではカウルをやや大型化しつつ、ハンドル位置も20mm程度下げてその辺りのバランスをとったものと思える。結果として伏せた状態での最高速が約8km/h向上しているとのことだ。

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