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EICMA2018で世界初公開となったホンダが放つ、3台の500シリーズの2019年モデル。
各モデルの個性を一言で表すと、走行シーンを選ばないCB500X=アドベンチャー、フルカウル付きのCBR500R=スーパースポーツ、そしてネイキッドモデルのCB500F=ストリートという位置付けだろう。
写真はスポーティなCBR500Rとは一線を画す、マッチョなスタイリングが魅力のCB500F。フロントマスクを彩るビキニカウル、一体感溢れる容量17.1Lのガソリンタンクと卓越した吸気効率を誇るサイドシュラウド、シャープなイメージのリヤ周りなど、ネイキッドモデルならではの美しい造形美がポイントだ
直径35mmの鋼製ダイヤモンドチューブメインフレームに搭載される、水冷4ストローク2気筒DOHCエンジンは、ヨーロッパの免許制度である「A2ライセンス」に合わせ、35Kw(47.6ps)としている。
新型のCB500Fは、CBR1000RR Firebladeにも採用された手法を用い、吸気ポートと排気ポートを改良。加えてカムシャフトの閉タイミングを5°早めることにより、街中で多用する中回転域のパワーとトルク特性を大幅に向上。ストリートでの扱いやすさをアップさせているのがポイントだ。
吸排気バルブを開閉させるシリンダーヘッドのロッカーアームには、摩擦抵抗を大幅に軽減させるローラーロッカーアームを採用。また、カムシャフトを回転させるカムチェーンは、ピンの表面をバナジウム処理し、摩耗に対する保護を強化している。
新型のCB500Fには、ホイールのトラクションを任意に制御できる「Honda Selectable Torque Control(HSTC)」を新たに採用。同システムは、路面に応じ、安定した走りを確保できるのがポイント。初心者にとっては非常に嬉しい機構の1つとなっている。
クランクシャフト、メインシャフト、カウンターシャフトの「三角形」の割合は、CBR1000RR Fireblade用エンジンのレイアウトを流用し、スポーティーな走りを実現。ミッションは6速を採用しているが、今回新たにアシスト/スリッパクラッチを導入。ハードなシフトダウン時のケアや、スムーズなシフト操作に磨きがかかった。
スムーズな排気を可能にしたエキゾーストシステムには、出口を2つ設けたデュアル型の大型サイレンサーを組み合わせ。優れた静粛性と味のあるサウンドの獲得に成功している。
ヘッドライトやテールランプなどの灯火類にはLEDを採用。また、LEDとLCDを採用した見やすいメーターにはギヤポジションインジケーターも表示されており、走行中のシフト状況が一目で確認できるようになっている。
ホイールベースは1410mm、キャスター角は25.5°、トレールは102mmに設定されており、軽快でありながら高速域での安定した走りを実現。マスの集中化を吟味したスイングアームのピボットポイントは、俊敏性と最適な前後重量分布を考慮した設計となっている。
シート高は785mmに設定して優れた足つき性を確保。適度な高さにセットされたバーハンドルやステップとの組み合わせにより、ニュートラルなライディングポジションを可能にした。
正立型のテレスコピックフロントフォークは、荒れた路面でも確実に衝撃を吸収する120mmストロークタイプ。ダブルチューブタイプのリヤショックは、5段階プリロード調整型がチョイスされている。
抜群の直進安定性と軽快さを両立する前後17インチホイールは、中空断面の鋳造アルミニウム製スポークタイプを装備。タイヤはフロントに120/70-17、リヤに160/60-17の各サイズをチョイスして、マッシブなボディに負けない重量感溢れるフォルムに仕上げている。
カラーリングは、グランプリレッド、マットガンパウダーブラックメタリック、パールメタロイドホワイト、キャンディー・エナジー・オレンジの4色をスタンバイ。
同じホンダの500シリーズであるCBR500RとCB500Xは、日本の普通自動二輪免許に合わせ、排気量を400ccにダウンして「CBR400R」「CB400X」として国内発売予定。一方、CB500Fは今のところ日本での発売は予定されていない。
CB500Fには、35Lトップボックス、リヤキャリア、タンクバッグ、シートバッグ、ハイスクリーン(クリア)、グリップヒーター、12Vソケット、リヤシートカウル、センタースタンド、ホイールストライプ、タンクパッドなどのアクセサリーもラインナップ予定。
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