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JIMNY HISTORICAL DESIGN REPORT 実質重視と個性は紙一重 スズキ・ジムニーらしさの正体とは:歴代ジムニー・デザインレポート

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基本に立ち返りユーザーが求めた理路整然とした形を実現した新型

4th Suzuki Jimny 2018年パリモーターショーに出品された。欧州仕様のジムニー。つまりシエラがジムニーになる。冒頭の初代と見比べて欲しい。何が進化したのかを。ちなみにジムニー/ジムニーシエラは2018年グッドデザイン金賞に輝いた。

 この雑誌を製作中に大きなニュースが飛び込んできた。ジムニーとジムニーシエラが「グッドデザイン金賞」を受賞したのだ。金賞とは大賞の次に栄誉ある賞で、唯一無二の製品としての機能を突き詰めてデザインされたことが、高く評価されたものだ。
 世界中には、ジムニーでなければならない人たちがいるという。それはファンといったようなエモーショナルな理由ではなく、このサイズ、この機能だからこそできる仕事があるということ。大型のクロカン4WDでは入っていけないような山林や、泥ねい地。そして砂漠。それらの仕事を支える機能が、この車には備えられていた。
 3代目の進化はドライバーズカーとしての進化。それは決して間違いではない、一つの答えではあった。しかし唯一の存在として、果たさなければならない役割を突き詰めたのが、4代目となるこの新型だったのだ。その点では、初代や2代目にすり寄ったのでもなければ、原点に戻ろうなどと考えたわけでもない。
 単に今の使われ方のなかで、さらに便利で安心で、性能を高めたいという思いからの開発だ。新型ジムニーの開発ポイントは、それだけに尽きると言っていいだろう。
 ただひとつ加えて言えることがあるとすれば、「本物」として仕上げるということだ。高い期待を持たれている車だけに、より愛着を持ってもらう相棒になれるように、妥協したつくりはしないということだ。もちろん価格の条件はあるが、その中でベストの品質に仕上げるということは徹底されたという。
 好例が樹脂パーツの扱いだ。新型ジムニーではドアミラー以外、樹脂パーツは無塗装のブラックとなっている。塗装されている部分は、ほぼすべてが鉄板なのだ。シエラのオーバーフェンダーも、その理由からブラックのまま。鉄は鉄として、樹脂は樹脂として、その機能に忠実なのだ。
 またインテリアにおいても、あまり樹脂カバーを使わない狙いがあるという。とりわけ荷室まわりは、ボディがむき出しとなる部分が少なくない。ただし、これまでは樹脂カバー前提で作られていたボディを、素の状態で見せなければならないということで、裏方が表に出られるような綺麗な鉄板の状態とすることにはかなり苦労したという。

実質重視と個性は紙一重 ジムニーらしさの正体とは

Mitsubishi Jeep 三菱ジープの消防車仕様。撮影は1958年の第5回東京モーターショー。最終モデルまでほとんど変わらないスタイルだが、これこそが無骨なデザイン。
Land Rover Range Rover 初代ジムニーと同じ1970年誕生のランドローバー・レンジローバー。当初は2ドアのみ。じっくり見ると挑戦的なデザインが見えてくる。

 実質重視のクロカン4WDにとって、エクステリアデザインは機能そのものでもある。そのため様々なモデルは似通いがちとなる。例えば新型ジムニーでも、ボンネットを先端に向かってやや細くしていくと、それだけでメルセデスのGクラスに近づく。
 新型ジムニーはまた、大きな樹脂パネルでフロントフェイスを構成しているが、このパネルをやや小さくしてフェンダーパネルをフロントまで回り込ませたのならば……。それだけで、かつてのランドローバー風に見えてくる。こうしたように、機能を突き詰めたデザインは、その勝負幅が狭い。
 しかし、改めて歴代ジムニーを振り返ってみると、この4世代はあまり似ていないことにも気がつくはず。4世代ともに全く別のスタイルをしているともいえなくもない。しかし、すべてはジムニーに見える。
 ではジムニーらしさとは、何なのか。ひとつには伝統的ディティールを大切にし、継承し発展させていることだ。
 そしてあともうひとつ答えがあるとしたら、それは軽自動車という限られた箱の中に、ラダーフレームという大きく重たい要素を必須にしながら構築し続けたということだろう。限られたサイズならではの必然のパッケージ、必然のプロポ—ションが、とんでもないデザインを変えても同じにみせてしまうのかも知れない。

初代のゲレンデヴァーゲン。質実剛健。
Mercedes Benz G Class 最新のメルセデス・ベンツGクラス。変わっていないようで、進化したデザインが、時代にマッチしているのが面白い。

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