TOYOTA CROWN HYBRID G トヨタ・クラウンハイブリッドG:「エンジンがかかるとうるさいなぁ」 多分に日本的な、いわば全日本F3000(!)のような頂点。
- 2018/12/28
-
世良耕太
ニュルブルクリンクで走り込んだ最新のクラウン(試乗車は2.5ℓ HYBRID G)はどうかというと、ニュルで鍛えただけあって、というのはつまり、大きな入力があった際にもグラグラしないよう体幹や足腰が鍛えられているということだ。そんな具合だから「クッションがいい」という表現はあてはまらないが、じゃあ乗り心地が悪いかというとそんなことはなく、フラットライドである。マスのあるタイヤ&ホイールが路面の凹凸に合わせてドタッ、バタッと勢いよく上下している様子は激しい音で車内に伝えてくる。でも、ショックは感じない。
静かなのは相変わらずだが、静かなだけに、EV走行をしていてエンジンが始動したときの静から動への落差が大きく、「うーん、エンジンかかるとうるさいなぁ。なんとかならないかなぁ」と思いながらの走行になってしまう。ただし、高速道路ではロードノイズや風切り音にエンジンの音が飲み込まれてしまうので気にならない。
現行クラウンのキャッチコピーは「未来とつながるか。」である。この表現はコネクテッドサービスを指したものだろう。走行中にトークスイッチを押すとオペレーターにつながって運転手のリクエストに応えてくれるとか、クルマから離れていてもドアやトランクの開閉状態をスマホで確認できるとか、LINEアプリを通じてナビの目的地登録ができるといったような。
残念ながら、今回の試乗ではそうした「未来」を確かめることなく過ごしたが、じゃあクラウンの室内はそうした未来とマッチするムードで満たされているかというと、筆者はそう感じなかった。筆者の感覚としてはメルセデス・ベンツAクラスのギンギラギンな演出のほうに未来を感じる。たとえコネクテッドしていなくても。
ステアリングホイールの奥にあるメーターは、「目盛りや数字を刻んだ透明なアクリルパネルを指針の手前に置き、両サイドにあるLEDを発光させることで浮いて見えるように演出」(公式ホームページより)してあるが、もっと攻めていんじゃないだろうかとの思いを禁じ得ない。ひょっとして、視認性に関するトヨタの厳格な社内基準が過度なアソビを押しとどめてしまう方向に作用するのだろうか。それともセンスの問題か。
確かに視認性は高いし、着座姿勢はきちんととれるし、視界は良好。取り回しも楽で、運転にまつわるストレスは一切なく、極めて快適なクルマである。クラウンのトヨタ・ブランドによる位置づけなどという小難しいことさえ考えなければ、とてもよくできたプロダクトであり高級車だ。でも、国産ブランドの最高級だと思って遠視点ディスプレイ(主にナビを表示)とトヨタオペレーションタッチ(主にエアコン画面を表示)のダブルディスプレイを見るにつけ、未来ではなく銀行ATMのタッチ画面を見るような現実に直面してしまうのである。
多分に日本的と言われればそれまでだが。
トヨタ・クラウンハイブリッド G
■ボディ寸法
全長×全幅×全高:4910×1800×1455mm
ホイールベース:2920mm
車両重量:1750kg
サスペンション:F/Rマルチリンク
駆動方式:FR
■エンジン
形式:直列4気筒DOHC
型式:A25A-FXS型
排気量:2498cc
ボア×ストローク:87.5×103.4mm
圧縮比:14.0
最高出力:184ps(135kW)/6000rpm
最大トルク:221Nm/3800-5400rpm
使用燃料:レギュラー
■トランスミッション
CVT(THSⅡ)
■燃費
JC08モード燃費:24.0km/ℓ
価格○562万1400円
- 前へ
- 2/2
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
トヨタ クラウンハイブリッド
S Four プリクラッシュセーフティ 寒冷地仕様 横滑り防止装置 LEDヘッドライト フルセグ...
中古価格 408.7万円
トヨタ クラウンハイブリッド
RSアドバンス トヨタ認定中古車 衝突回避システム 地デジ 黒革シート LED ETC パワーシ...
中古価格 477.4万円
トヨタ クラウンハイブリッド
RS 衝突被害軽減システム メモリーナビ フルセグ バックカメラ ETC ドラレコ CD ミュー...
中古価格 352.9万円
トヨタ クラウンハイブリッド
RSアドバンス ハイブリッド 衝突被害軽減システム 革シート オートクルーズコントロール LED...
中古価格 357.6万円
トヨタ クラウンハイブリッド
G-エグゼクティブ OPセーフティパッケージプラス(全周囲・PKSB/RCD) セーフティセンス...
中古価格 361.5万円
トヨタ クラウンハイブリッド
S エレガンススタイル フルセグ メモリーナビ DVD再生 バックカメラ 衝突被害軽減システム ...
中古価格 361.8万円