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ベンコラ標準の3ℓ最廉価モデル。Maniax Cars ミラクル ミツビシ 旗艦モデルに萌える 三菱デボネアV3000 LG Maniax Cars ミラクル ミツビシ二代目デボネア

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ミラクルミツビシ
日本が誇る迷車メーカー、その核心にManiax Cars迫る!!
今回のテーマは、二代目三菱デボネアV 3000LGのベンチシート・コラムシフト仕様だ!

TEXT&PHOTO:廣島健太郎

思いっきりフロントオーバーハングに乗った6G72。LGのエンジンルームに収まるのはSOHC。2バルブでレギュラーガソリン仕様だけど、上級グレードにはDOHC 4バルブでハイオクガソリン仕様(210ps/27.5kgm)が搭載された。6G72はボア径φ91.0に対してストローク量76.0mmと、スバルEJ20(φ92.0×75.0mm)に匹敵するほどの超ショートストローク型。なのに低中速トルク型の特性なのがミツビシらしい。

SPECIFICATIONS
車両型式:S12A
全長×全幅×全高:4865×1725×1440mm
ホイールベース:2735mm
トレッド(F/R):1455/1420mm
車両重量:1480kg
エンジン型式:6G72
エンジン形式:V6SOHC
ボア×ストローク:φ91.1×76.0mm
排気量:2972cc
圧縮比:8.9:1
最高出力:155ps/5000rpm
最大トルク:24.0kgm/4000rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式(F/R):ストラット/トーションアクスル
ブレーキ:FRベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:FR195/70R14

そんなに揃える必要はあったのか?3ℓモデルだけで10グレードを用意。

 1986年8月、22年間に及ぶ生産の末、時代後れも甚だしくなった初代デボネアに代わって二代目デボネアVが登場した。初代から大きく変わったのは、駆動方式がFRからFFになったこととV6エンジンの搭載だ。

 にしても、デボネアVはなかなか厳しい立ち位置にあった。本来、トヨタならセンチュリー、ニッサンならプレジデントに匹敵するミツビシのフラッグシップセダンでありながら、販売面ではクラウンやセドリック/グロリアも相手にしなければならなかったからだ。

 そのため、後期型では6G72を載せる3ℓモデルだけで10グレードも用意されていた。上級グレードは210psを発揮するDOHC版、下級グレードは155psのSOHC版を搭載。今回は絶対に3ℓのベンコラ6人乗りを取材してやろうと意気込み、おそらくロイヤル系が見つかるだろうと踏んでたのに、実はその存在を知らず、カタログを見てあとから知った最低グレードのLGが現れたんで思わずひっくり返りそうになった。

 てか、これを新車で買った人もスゴければ、今まで実働状態で残ってたこともスゴイ!ともあれ、最上級ロイヤルエクストラでなく、ましてやAMGでもなく、まさかのLGに巡り合ったのは運命に違いない。

 そんなLGは10グレード中、唯一のベンコラ6人乗り(セパレートシート5人乗りは受注生産)で、しかも他グレードではタコメーターが装着されるところに大型アナログ式時計が構えるという、昔の廉価グレード車にありがちだった伝統の手法を踏襲。当時のミツビシのフラッグシップセダンなのに簡潔なメーター周り。そのギャップに興奮しないわけがない。

 実車を前にして思ったのは外装デザインがやたらと直線的で、しかも無機質なこと。個性と言えばたしかにそうだけど、フラッグシップセダンでこりゃナシだ。さらに、真横から見た時、フロントノーズ、キャビン、テールエンドのバランスがどことなくヘンなのも、好きモノにはたまらないポイントだ。

 内外装をひと通りチェックしたら試乗へと向かう。運転席に座り、ドアを閉めたところでまずボディのしっかり感に気付く。ほぼ30年落ちで走行14万kmなのに、当時はちゃんと手間暇お金をかけて設計されてたようだ。ポジションを合わせるために各部を調整すると、以前取材したクラウンスーパーデラックスのベンコラとは違い、運転席だけが単独で前後スライドすることに安堵。クラウンは座面一杯でしか動かなかったもんなぁ。

 コラムレバーをDレンジに入れて発進。6G72は2000rpm以下でもトルク感があって、上り坂でもアクセルを踏む右足にちょっと力を入れるだけでスーッと前に出る。官能性とはまるで無縁だけど、実用エンジンとして黙々と仕事に徹するあたりがLGの性格にマッチしてるではないか!

 乗り心地はあたりが柔らかく、マイルドのひとこと。でもって、フロントヘビー感が強いハンドリングは予想通りだった。装着タイヤが195幅の70扁平ってことでフロントタイヤをよじらせながら曲がっていく。もちろん、まるで攻める気にはならなかった。

 後期型では2ℓモデルが受注生産になったため、実質的なボトムエンドを担ったLG。素のデボネアV を楽しめるなんて、考えようによっては、こんなに贅沢なことはない。

REAR VIEW

2ℓV6搭載の5ナンバーモデルも存在したデボネアV。3ナンバーモデルとの違いは前後バンパーとサイドモールで、それぞれ薄型にすることで全長を4700mm以下、全幅を1700mm以下に収められていた。当時の国産車でよく見られた手法だ。

EXTERIOR

ホイールは、デボネアVパーソナルシリーズのスーパーエクシード、アクアスキュータムに標準装備される14インチアルミに交換。タイヤは標準195/70R14サイズのDNAエコスES300が組み合わされる。純正マッドガードはボディ同色とされ、リヤ用には車名ロゴが入る。

SEAT

4:6分割でスライド&リクライニングが可能なフロントベンチシート。運転席にはシートリフター機能が付き、助手席側にはセンターアームレストが備わる。純正ハーフシートカバーが泣かせるアイテム。せっかくのベンチシートだから、大人3人が横並びに座る様子も撮影してみたけど、さすがに窮屈そうな感じは否めない(笑)。後席はヘッドレスト一体型のハイバックタイプとなる。

INTERIOR

オーソドックスなデザインのインパネ周り。ステアリングはチルトもテレスココピックも付かない固定式となる。コラムシフトだからかと思ったら、2ℓの中間グレード、スーパーサルーンへのベンコラ仕様にはチルト機能が備わるから、廉価グレードゆえの装備簡略化だ。タコメーターの代わりに大型アナログ式時計が備えたメーターパネルに思わず感動。右端に水温計と燃料計、左端にエアコンインジケーターが確認できる。
上部に2段構えのエアコン吹き出し口を備え、その下にエアコン操作パネル、シガーライター&灰皿、1DIN分のオーディオスペースが配されたセンターコンソール。廉価グレードでもフルオートエアコン(上級グレードではデュアルフルオート)を装備するのが旗艦モデルらしい。また、運転席以外のドアには灰皿が用意される。

MUFFLER

不思議なレイアウトのマフラー。右側にあるメインサイレンサーからそのままエンドパイプを出せばいいのに、前方を大きく迂回させてわざわざ左側にリヤエンドを持ってきている。

販社スペシャル”リムジン”はド変態!!

初代FFデボネアに用意された600mmストレッチバージョンのリムジン。三菱自動車本体ではなく、愛知(現中部)三菱自動車販売が企画したモデルだ。最上級グレードのロイヤルをベーストし、ストレッチ作業はニッサンのバイクカー生産でおなじみの高田工業が担当。発売は1987年7月だから、実はY31改セドグロロイヤルリムジンよりも半年ほど早く市販化されていた。エンジンは3ℓV6の6G72(150ps)、生産台数は推定5台。
レザートップ仕様とされた”アメリカンスタイル”。リやキャビンがもう少しまともな”ヨーロピアンスタイル”もラインナップされていた。ただし、変態度はどちらもいっしょ。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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