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オーナー目線で勝手にインプレッション 連載第10回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 燃料残量警告灯を考える ~だれかがやらなきゃわからないバカ実験~

  • 2019/01/28
  • MotorFanアーカイブ編集部 山口 尚志
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■黄色いランプはおなかがすいたのSOS

 今回のテーマは「燃料残量警告灯」。

 クルマが「おなかがすいたよー」と訴える、あの黄色いランプである。

 このランプはいまどきどのクルマにもついているから、別にジムニーだからこそのテーマではない。

 しかし、このランプが点灯してからいったいあと何km走れるのだろうという疑問は、どのクルマに乗っていようと、誰でも考えたことがあるのではないだろうか。


ティーダの燃料計。残り6.5L以下になったときに点く燃料残量警告灯は、燃料計左下に隠れている。
 前車ティーダの燃料タンク容量は45L。

 その左下にある「燃料残量警告灯」は、「ガソリン残量が約6.5L以下になった時点で点灯」と説明書に書いてあった。

 ということは、点灯直後に給油したらその量は38.5Lでなければならないのだが、話はそう単純ではなく、38.5L以上入るときがあれば、それ以下のときもあった。

 で、わが旧型シエラはどうか。

 軽ジムニーについていえば、メーター内に「燃料残量警告灯」が備わったのは、どうやら2004年10月以降生産車からのようなのだが、こいつの説明書表記がティーダの場合と違って曖昧だ。

 どの年代の旧型ジムニー説明書を見ても

「エンジンスイッチがONのときに、燃料の残量が少なくなると点灯します。」

とある。

 おいおい、どれくらいにまで少なくなったらランプが点くんだい。

 目安でいいから数字で示してくれないと困る。

 まあ、カタログの燃費表記とスマートホンの電池持ち、そして安倍総理の言動はどれもこれも鵜呑みにできないし、燃料警告ランプだって点灯した時点でどのみち給油まで時間の問題だからそれでもいいのだが、問題は、少なくとも2014年以降の、旧軽ジムニーなら10型、旧シエラなら9型の、燃料計が液晶ドット式表示のタイプは、満タンから空っ欠までの間じゅうの表示も曖昧なことだ。

 ドットの数は10個。

 旧軽ジムニーも旧シエラも(新型の軽もシエラもだが)、燃料タンク容量は40Lである。

 だからといって、1ドットあたり均等に40÷10=4Lだと思うほど単純ではないつもりだが、それにしてもこの燃料計、実にボンヤリ型だ。

 私の旧シエラおよび旧軽ジムニーの燃料計の場合、走り続けて最後の1ドットになった時点で燃料残量警告灯が点灯、同時に「っぴ―――ん!」という音が鳴る。

 親切なこの音の吹鳴はおおかたのスズキ車の特徴で、ダイハツ車の燃料計も似た造りになっている。

 セルフスタンドで給油するとき、タンクスッカラカン気味1ドットの時点での給油開始から、何リッター入るごとに1ドット増えるのかを観察したことがあるのだが、12Lほど入った時点でやっと1ドット増えるときがあれば、8.2L入っただけなのにいきなり2ドット増えるときがあった。

 入れ始めだけかと思いきや、燃料計が半分以上の表示になったときもこの傾向は続き、7ドットから15Lほど入った時点でようやく8ドットになり、9ドットになった頃に給油機が自動ストップ。

 これこれ、まだ入るよと、オドオドしている数秒の間に、とぼけて10ドット目が点灯して満タンを示すという有様だ。

 これはあえてエンジンをかけない状態のキーONで燃料計を表示させ、燃料計と給油機の表示を両にらみしての話だが(注意:後述しますが、これはまねしないでください)、あるときなどキーOFFで満タンストップ後、エンジンをかけて燃料計を見たら、ドットがひとつ欠けた9ドットだったことが2度ほどあった。

 いずれも燃料残量警告灯が点灯してからの給油である。

 先日の「新型/歴代ジムニー」で新型に乗ったとき、「この鈍感さは新型では改良されているだろう」と思って同じことを試したが、結果もまったく同じだった。

 あくまでも見たときの印象でしかないのだが、タンクへの燃料流入速度に対するタンク内センサーの反応や、そのセンサーからメーターへ送られる信号などの速さの相関が、人間の感覚から少しずれているからではないだろうか。

 その反応速度も意図的に可変にしているようにさえ思える。

 満タンから減っていくときも同様で、それまでの走行距離に対するドットの減り方が一定ではない。

 納車して初めて満タンにしたとき、都内街乗りでの最初の1ドット減のキロ数は39.0kmだった。

 別のときにはそれ以上の距離で減り始めることがあり、満タンで前橋から東京までの、夜の国道17号を突っ走ったときは、ちょうど100kmの時点で1ドット減った。

 これが高速道路となるとまた少し様子が違ってくる。

 都内走行と郊外走行または高速、そして昼夜とでも異なるのが常識なのは百も承知。

 これまで乗ってきたどのクルマだって同じような使い方をしてきたが、ジムニーほどの曖昧さも条件違いによる開きもなかった。

 どうも私のシエラの燃料計は、他のクルマよりももっと曖昧なようだ。

 ここから先は一般的な話になるのだが、もともと自動車の燃料計というのはあえて鈍感に造られている。

 これが仮に燃料消費を1cc刻みで監視するほどの緻密な燃料計だったとしようか。

 平地のアイドリング状態で燃料が減っていくぶんには正確でいいと思う。

 しかし自動車がいったん走りだすと、さまざまな力がクルマ本体にも乗員にも、そして燃料そのものにもおよんでくる。

 加減速時は前後方向に、荒れ道走行や右左折時には上下左右に、乗っている人間に力がかかるのは、みなさんも日常的に経験しているだろう。

 そのときは燃料だってタンク内でバシャバシャ揺さぶられているのだ。

 過敏なまでの燃料センサーがその揺さぶりにいちいち反応していたら、そのたびに燃料計も上がり下がりしてほんとうの残量がわからず、いったい何のための燃料計だいということになってしまう。

 これではかえって使いものにならないから、燃料計はわざと鈍感になっているのだ。

 満タンからの針の下がり始めや、その後の下がる速度もクルマによって様々で、以前父が使っていた5速MTのコロナ1500(FFになって2代目のやつの91年型)、そして私がティーダの前に使っていた4速ATのU14ブルーバード(最終の2000年型)は、満タンから100km、ティーダなら80kmあたりまで走ってから初めて指針が下がり始めた。

 父がコロナの次に所有した3代目オデッセイなんて、満タンまもなく下がり始め、目に見えてあれよあれよという間に針が下がっていったっけ。

 いずれの場合も、走ったシチュエーションにあまり差がなかったものだ。

 これらと比べると、ジムニーの燃料計はずいぶんな気分屋に思えてならないのである。

 今回はジムニーの燃料計についていいたい放題なことをいっているが、同じ思いをしている旧ジムニー&シエラのオーナーも少なくないのではないだろうか?

 そして液晶式ではない、指針式時代のジムニーはどうだったのだろうか?

 話は冒頭に戻って「燃料残量警告灯」である。

 このランプが点灯してから、いったい何km走ることができるのか?

 はっきりいうと、これはおおよその数値から推測して述べることしかできない。

 というのも、これをクルマが止まるまで試すということは、路上でのガス欠を意図的に行うことを意味するからだ。

 一般路上ならJAFを呼ぶことになるし、これが高速道路上ならなおまずい。

 牛かパンダみたいな白黒ツートーンカラーのクルマに見つかったらもれなく罰則がついてくるからだ(そういう問題ではなく、本当は他のクルマに迷惑になって危険と書くべきなのだ。)。

 また、ランプ点灯からガス欠までのタイミングもシチュエーションによってずいぶん変わってくる。

 山道の登りで点灯しようものならあっという間にカラッ欠になろうし、平坦路だったとしてもクーラーを働かせていればやはり燃料切れは早いだろう。

 経験をいうと、前述U14ブルはランプ点灯してから東京~前橋までの下道約100キロを走ることができた。

 これは夜中の交通量が少ない国道17号で、スムースに走れたからというのが大きい。

 ティーダは少なくとも、点灯から70~80kmは走ったと思う。

 指針式の燃料計は、クルマを使い続けているうち、針が下がってからさらにどれほど走れるか、加えていよいよやばそうな針の位置がわかっていいのだが、ひるがえってわがシエラの液晶ドット式燃料計はそれがなかなか掴み取れないでいる。

 同じ1ドットでも、2ドット目寄りの1ドットなのか、本当にカラッ欠寸前の1ドットなのかがわからないからである。

 さらには新型ジムニーにはない、旧型ジムニーだけのおまけ(かどうかは知らないが)として、燃料警告ランプ点灯と同時に1ドットになって以降、さらにがまんして(本当はびびりながら)走っていると、その残り1ドットが点滅するという機能があるが、このときの残量が何リッターなのかも知りたいところだ。

 まあ、この点滅は「燃料がほとんどないことをお知らせしてい(説明書)」るわけだから、こんなことを考えている暇があったら、とっとと給油すべきではある。

 私の旧シエラの場合、だいたい、ドット1個時の残量警告ランプ点灯から、20キロほど走って点滅が始まる。

 そこからまた20キロほどは走れるので、少なくともランプ点灯から40キロは走れるようだ。

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