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特にディーゼルは最高! 冬の宗谷岬まで往復3200km試してわかった、レンジローバーの頼もしさ

  • 2019/02/20
  • GENROQ編集部
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SUVなら必ずしも安全に地平まで運んでくれるわけではない。東京から北海道まで縦断したが、実際レンジローバーだからこそ安心して走れる場面が何度もあった。はたしてディーゼルエンジンとのマッチングはどうか?を含めて、伝統のSUV造りの真髄に触れた。

PHOTO◉小林邦寿(Kunihisa Kobayashi)

※本記事は『GENROQ』2018年4月号の記事を再編集・再構成したものです。

無敵の雪上巡洋艦のごとく 高平高輝(TAKAHIRA Koki)

 ずっと前から新世代のV6ターボディーゼル仕様こそレンジローバーの本命と信じていた私は、同じグループのジャガーが次々とディーゼルモデルがラインナップさせているのに、ランドローバーにはなかなか導入されないことにやきもきしていた。SUVというアメリカ製略称が世の中に流通するずっと前から、自他ともに認める最高級4×4だったレンジローバーの唯一と言っていい弱点が燃費だった。パワーと言うより、低速から高速まで余裕を持って重いボディを走らせるに十分なトルクと燃費を両立させたパワーユニットに恵まれなかったのだ。

 実は先代モデルの後期からV6とV8のツインターボディーゼルが設定されていたのに、ランドローバー・ジャパンは事実上知らんぷりを決め込んでいた。それがようやく、やっとのことで17年夏に追加された(受注開始はその半年も前だ)。待望の3.0ℓV6ターボディーゼルは190kW(258㎰)と600Nm(61.2㎏m)を生み出し、トランスミッションは8速AT。トップグレードのオートバイオグラフィにはもちろんダイヤルひとつで走行モードを選択可能なテレインレスポンス2オートシステムが備わる。1000㎞もの航続距離を持つに至ったレンジローバーはもはや真の陸の王者であり、ウインターワンダーランドに君臨する王様である。ドライの高速道路から吹雪のアイスバーンまであらゆる路面を踏みしめてロングドライブに出かけるのにこれほど頼もしいクルマは他にない。V6ターボディーゼルはきわめてスムーズなうえに静粛で、どんな場面でも余裕のトルクとレスポンスで応えてくれる。

 今回装着したタイヤはフィンランド製ノキアン・ハッカペリッタR2 SUVというスタッドレスタイヤである。最近のSUVはホイールサイズが大きくなり、なかなか適合する製品を見つけられないのだが、これは21インチまでラインナップされており、ドライ路面でも雪道でもまったく不満のない性能を発揮した。ハッカペリッタは年配のドライバーなら聞いたことがあると思うが、世界初のウインタータイヤを開発した老舗ノキアンタイヤのブランド。昔はウインターラリーでも有名だった。一時は通信業のノキア・グループだったが、現在は無関係で欧州ブリヂストンが筆頭株主だという。2017年から阿部商会が総輸入販売元となって日本に導入されたニューフェイスである。

装着されるタイヤはノキアン・ハッカペリッタR2 SUV。

 もっとも、風で吹き寄せられたパウダースノーの吹き溜まりに乗ると、いかに本場北欧のスタッドレスを履いたレンジローバーとはいえ、砂に浮いたようにコントロールを失うからそれだけは要注意だ。そんな時に心強いのは高い視点と明るいヘッドライトである。圧雪からアイスバーンまで変化する夜の路面を判断するのに役に立つ。強力なシートヒーターやステアリングヒーター、ヒーター付きウインドシールドなど北国を快適に走る装備にも抜かりなし。リヤカメラにも汚れを落とすウォッシャーが付いているほど完璧なのに、雪道をちょっと走るとすぐにテールライト全体が巻き上げた雪に覆われてしまうことだけが不思議である。車両価格は1739万円ともちろん高価だが、V8スーパーチャージャーモデルよりも200万円近く安い。爆発的な加速こそV8S/Cには敵わないが、それ以外ではそちらを選ぶ理由はない。フラッグシップSUVならレンジローバーのディーゼルターボが一番の太鼓判である。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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