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  • 2019/03/23
  • ニューモデル速報

三菱デリカD:5をホンダ・ステップワゴンやスバル・フォレスター、ランドローバー・ディスカバリースポーツと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

「変わることなき本格クロスオーバーの魅力」デリカD:5だけが兼ね備えるふたつの魅力を各カテゴリーのライバルとの比較から明らかにする

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ミニバンと本格SUVのクロスオーバーという独自のキャラクターが支持され根強い人気を保つデリカD:5が12年ぶりに大幅改良を敢行。今回のビッグマイナーチェンジでその魅力はどう変化したのか!?

REPORT●佐野弘宗(SANO Hiromune) PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

他に類を見ない個性で売れ続けるデリカD:5

 三菱デリカD:5(以下、D:5)の今回のマイナーチェンジは、この型式としては最大規模のものになるだろう。そして、それは2007年1月の発売から実に12年ぶり……という、なかなか稀有なタイミングで実施されたことになる。

 D:5の骨格設計は「GSプラットフォーム(あるいはC/Dプラットフォーム)」と呼ばれるもので、同系統の骨格を持つ三菱車には、ほかに先代&現行アウトランダー、現行RVR、ランサーエボリューションX(ランエボ)、ギャランフォルティスがあるが、D:5のデビューは先代アウトランダーに次ぐ2番目だった。

 アウトランダーは12年に現行型へとフルモデルチェンジを受けている。現行RVRの国内発売は10年だ。D:5より後にデビューしたランエボは生産終了しており、ギャランフォルティスも日本国内の販売を終えて、現在はランサー名義で豪州やアジアの一部市場で販売されるのみとなってしまっている。つまり、D:5は同じ血統を持つ三菱車でも最古参の一台であり、時系列だけなら、とっくにフルモデルチェンジするか、販売・生産戦略の大幅変更があっても不思議ではない頃合いではある。

 しかし、実際のD:5がこうして基本設計を維持したまま、国内専用車という販売戦略も大きく変わらず(D:5はデビュー当初でも右ハンドル市場に少量輸出されるだけだった)に、こうしてライフを延長することとなった最大の理由は、D:5がいまだに国内市場だけで年間1万台以上……と根強く売れているからだ。一説にはフルモデルチェンジに向けた企画も胎動していたようだが、そうこうしているうちに、三菱本体がルノー日産とアライアンスを締結。三菱全体の商品戦略がプラットフォーム戦略を含めて根本的に見直されることになり、D:5にはもう少し頑張る必要が出たということだろう。

 それにしても、10年選手になってもこれだけ根強い人気を保っているのは、やはり「本格ミニバンと本格SUVのクロスオーバー」というD:5の成り立ちそのものが唯一無二で、ライバル不在だからというほかなく、このページのような企画で一緒に連れ出すライバルについては、当然ながら迷わざるを得ない。

 現在のD:5商品企画を率いる大谷洋二チーフプロダクトスペシャリストは「クルマそのものとして競合する相手は存在しません」としつつ、「車形からすればD:5はワンボックスミニバンで、ヴォクシー/ノア、セレナ、ステップワゴンなどと比較されることが実質的には最も多いでしょうか」と続けた。といっても、これら国産ミニバン3台を連れ出すだけでは、D:5らしさを探ることにはならない。というわけで、今回は「ミニバン」や「3列シート」、そして「SUV」といったポイントに加えて「ディーゼル」や「Cセグメントサイズ」といったD:5にまつわるいくつかのキーワードをヒントに、ご覧の3台を連れ出すことにした。

走りと内装の質感を向上し最新CセグSUV市場に参戦

 新しいD:5を走らせると、ご想像のとおり、静粛性のアップが何より顕著である。これまでのD:5のディーゼルは良くも悪くも、古典的かつ盛大な音振が特徴で「ドシンッ」と始動して「ガラガラ」とアイドリングしていた。これと比較すると、ボディに徹底的な遮音・吸音対策が施されたD:5のディーゼルノイズは従来より遠くなったのは確かである。「3列シート」、「SUV」、「ディーゼル」、「Cセグメントサイズ」といったキーワードから選んだランドローバー・ディスカバリースポーツ(以下、ディスコスポーツ)は7人乗りである。ディスコスポーツが搭載するディーゼルエンジン「インジニウム」はガソリンと共通設計のアルミブロックを採用する最新設計思想を売りにする。そんな最新ディーゼルはさすがにエンジン本体からして三菱より静かで滑らかな印象で、さらにはD:5よりわずかに重いディスコスポーツのボディを、それ以上にパワフルに速く走らせる。

 従来よりギヤが2速増えた新しいD:5では100㎞/hの回転数が従来より約200rpm低い1600rpm弱となるが、9速ATのディスコスポーツは同じ速度を1300rpmで走らせる。エンジン音は彼方でかすかに聞こえるだけだし、またその音質も一瞬ガソリンと区別がつかないほどきめ細かい。

 D:5と比較すると、まるで無音かと思えるほど……というのはさすがに大袈裟だが、いずれにしても、D:5は現代のディーゼルとして古典的な味わいが健在である。アイドルストップ機能が追加されたので停車中は掛け値なしに無音となるが、エンジンが回り出すと、一気に賑やかになる。ただ、絶対的な音量や振動が従来より明らかに減少したこともあり、以前のように悪い意味での古臭さは感じさせなくなった。もっとも、そんなパワートレーンの好印象には新しいアイシン製8速ATの効果も大きい。新しい8速ATは細かいギヤ刻みでエンジン回転数を下げるだけでなく、アイシンらしい精密電子機器のような精緻で素早い変速がすこぶる滑らかで心地良い。

 今回試乗した「HSE」グレードこそ700万円台という高価格のディスコスポーツも、最も安価な「ピュア」であれば、D:5と比較できなくもない400万円台に収まる。そんなディスコスポーツだが、ディーゼルの静粛性だけでなく、クルマ全体にみなぎる剛性感、そして内外装の質感でも、アタマひとつ抜けているのはさすがである。

 従来型ではすべて硬い樹脂部品で覆われていたD:5のインテリアも、新型ではガラリとイメチェンするとともに質感も明確に上げた。メインダッシュボードをはじめ、ドアトリムの上半身やセンターコンソールの縁などの手足が当たりがちな部分は、新たに柔らかく手の込んだステッチ入りのソフトレザーパッドがあしらわれて、D:5のインテリアは素材づかいの面でも高級化が著しいCセグメント最新水準に追いついた。実際、D:5の前席からの眺めや触感は、ディスコスポーツにはわずかに及ばないものの、国産の最新「CセグメントSUV」であるスバル・フォレスターにほぼ匹敵して、同じ「ミニバン」として連れ出したホンダ・ステップワゴンスパーダ(以下、ステップワゴン)よりは確実に優るものとなった。

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