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Cセグメント上級セダンとしてのコンセプトがライバル車との比較によって浮き彫りになる! ホンダ・インサイトをプリウス、リーフ、パサートと同時試乗! 【ライバル比較インプレッション】

  • 2019/03/31
  • ニューモデル速報
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ハッチバックボディと決別し、単なる環境車としてではなく多くのユーザーに選ばれる、間口の広いCセグメントのセダンとして勝負を掛ける三代目インサイトの仕上がりを確認する。

REPORT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)/神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

※プリウスの撮影車両は2018年12月の改良前のモデルです。

競合車との比較で明確化するインサイトの開発コンセプト

 今でこそ電気自動車(EV)やディーゼル車も普及し始めたが、日本で「エコカー」と言えば、多くの人がまずはハイブリッド車を想起する。日本をそんなハイブリッド王国へと導いた最大の立役者はやはりトヨタであり、それに続いたのがホンダだ。世界初の量産ハイブリッドは1997年に発売された初代プリウスで、その約2年後に登場した初代インサイトが世界二番目の市販ハイブリッドだった。なんだかんだ言っても、この2車が世界的に「元祖ハイブリッド」であることは間違いない。

 それ以降、トヨタのハイブリッド戦略が一貫してプリウス中心だったのに対して、ホンダのそれはシビックなどの既存モデルの派生型へとシフトした。このあたりの戦略にそれぞれの社風が表れていて興味深い。

 そして、2003年にCセグメントハッチバックのグローバルカーとして脱皮した二代目プリウスは、当時の原油高に押されるカタチで北米でも大ヒットとなった。続いて発売された三代目プリウスはリーマンショックによる節約機運もあって、二代目を上回るビッグヒット商品となった。こうして、少なくとも日本と北米では「エコカー=プリウス=Cセグメントのハッチバック車」という確たるイメージが構築された。

 三代目となる新型インサイトの開発陣は「プリウスとの競合は意識していませんし、他社をベンチマークにもしていません」と語っている。なるほど、新型インサイトはボディ形式も同車初の4ドアであり、そこにもインサイトならではの独自性への模索が窺えなくもない。Cセグメントというサイズを選んだ最大の理由も「Cカテゴリー(=Cセグメント)は北米で“コンパクト”と呼ばれており、乗用車で最も間口が広いクラスだから」だそうである。ただ、Cセグメントのエコカーと言えば、日本でも北米でも非常に売りやすい(新型インサイトが販売される地域は現時点で日本と北米のみ)と同時に、良くも悪くもプリウスが基準になってしまうのも仕方ない。

 ちなみに、今回「日本を代表するエコカー」の1台として、プリウスとともに連れ出した日産リーフも、大別すればやはりCセグメントである。さらに新型インサイト、プリウス、リーフという3台のホイールベースは奇しくもピタリと同寸の2700㎜であり、Cセグメントとしては比較的長めである点にも意図がある。インサイト、プリウス、リーフは世界的に主流のCセグメントでありつつ、同時に北米を筆頭とする大きめのボディサイズを好む市場を強く意識した商品ということだ。

 この3台はセグメントが共通であるだけでなく、実質的な価格もほぼ同じところに落とし込まれている。そこは言わばエコカーのボリュームゾーンである。新型インサイトは国内では高機能の通信機能付きナビシステムを全車標準装備する。今回連れ出したインサイトは上級グレード「EX」にレザーシートやドライブレコーダーなどのオプションが追加されており、合計価格は370万円台。先頃のマイナーチェンジで先進安全機能を同等以上に充実させたプリウスでも、今回のインサイトEXに合わせて17インチ+レザーシートを備える「Aプレミアムツーリングセレクション」を選んで通信ナビやドラレコを追加すると、ピタリと370万円前後に収まるのだ。

 リチウムイオンバッテリーを大量に積むEVであるリーフの本体価格は、さすがにインサイトやプリウスよりは高価だ。40kWhバッテリーを積む標準リーフの上級グレード「G」は、プロパイロットや通信機能付きナビなどの先進装備がフルで備わって、本体価格はほぼ400万円(正確には399万600円)。ただ、国からのEV補助金40万円(2018年度の場合)を差し引くと約360万円となり、新型インサイトやプリウスの上級グレードと事実上は同等価格となるのだ。さらに独自のEV補助金を用意する自治体も多く(例えば東京都ではさらに20万円)、リーフの購入金額はさらに安くなる可能性もあるが、各部の質感や室内空間などでは、そのぶんインサイトやプリウスに分があるのも事実だ。

 ハイブリッドにEV……とくれば、今の時代、ディーゼルも欠かせない。Cセグメントのディーゼル車と言えば日本にはマツダ・アクセラがあるが、同車は今がちょうどモデルチェンジ期。今回はあえて遠慮させていただいて、代わりに連れ出したのはドイツのVWパサートTDIだ。

 まあ、Cセグメントセダンであるインサイトに本来競合するフォルクスワーゲンは北中南米や中国、ロシア、アフリカなどで販売される「ジェッタ」であり、パサートはひとクラス上のDセグメントに属する。それでもパサートを今回あえて選んだのは、現在の日本で入手可能な最も手頃な最新ディーゼルセダンがパサートTDIであり、しかもホンダ自身が新型インサイトを「シビックとアコードの中間」と位置付けて、場合によってはDセグメント市場をも窺う姿勢を見せているからだ。

 新型インサイトをプリウス、リーフ、パサートTDIといった最新エコカーと取っ替え引っ替えしつつ乗ってみる。すると、ホンダの言う「新型インサイトはシビックとアコード=CセグメントとDセグメントの中間」という主張が、なるほどマトをぴたりと射たものだと実感する。

HONDA INSIGHT

EX

40.5%という高い熱効率を誇る1.5ℓDOHCエンジンに、発電用と走行用の2つのモーターを備えるSPORT HYBRID i-MMDが組み合わせられる。このユニットが軽量高剛性なボディに搭載され、ホンダらしいスポーティな走りを楽しめる。また上質なセダンとして、室内の質感や静粛性も高められている。

■HONDA INSIGHT EX
直列4気筒DOHC/1496㏄
エンジン最高出力:109㎰/6000rpm
エンジン最大トルク:13.7㎏m/5000rpm
モーター最高出力:131㎰/4000-8000rpm
モーター最大トルク:27.2㎏m/0-3000rpm
JC08モード燃費:31.4㎞/ℓ
車両本体価格:349万9200円

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