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アウディがモータースポーツに注力するこれだけの理由───アウディスポーツ プロジェクトリーダー中原英貴さんインタビュー

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サーキット直結のDNAを持つ市販スポーツカー。アウディスポーツは、その先進的かつ情熱的なハイパフォーマンスで、世界中のエンスージアストたちを唸らせる。日本市場でアウディスポーツを統括する中原英貴氏に、我が国におけるブランド展開の現状と今後を聞く。

TEXT◉小泉建治(Koizumi Kenji) PHOTO◉高橋 学(Takahashi Manabu)

「アウディスポーツはエモーショナルな存在です」

─2016年にサブブランド アウディスポーツが立ち上がってから3年が経ちましたが、ここまでのセールスの推移を教えていただけますか?

中原:18年は過去最高の売り上げを見込んでおりまして、初めて1000台を超えそうです。

─アウディスポーツがアウディというブランド全体のなかで担う役割とはどんなものなのでしょう?

中原:ハイパフォーマンスであったり、モータースポーツのDNAを感じさせてくれたりと、アウディの持つエモーショナルな側面を象徴する存在ですね。それが広く認知されれば、アウディ全体のブランドイメージにも波及します。極めて重要なサブブランドと言えるでしょう。

─アウディスポーツのカスタマー像とは?

中原:私は仕事がら、オーナー様と触れ合う機会が多いのですが、実にさまざまな方がいらっしゃいます。まず、間違いなくクルマ好きです。レース好きの方も多いですね。そしてほかの人と違うこと、自分の個性を表現することを大切にしている傾向があるように感じます。また、運転することに前向きに取り組んでいる方が多く、弊社が開催する「アウディドライビングエクスペリエンス(ドライビングレッスン)」は、おかげさまで毎回たくさんの参加者で賑わっております。自動運転がクローズアップされている昨今ですが、そんななかでもアウディスポーツのお客様にはドライビング技術を磨くことに意欲的な方が多いのです。これは日本のみならず、世界的な傾向だと思います。

─過激なパフォーマンスを誇る一方で、アウディスポーツの各モデルには自己顕示欲を感じさせないといいますか、どこか知的さを漂わせているイメージがあります。

中原:我々はR8をインテリジェント・スーパーカーと表現しているのですが、それはクルマのことだけでなく、オーナーのみなさまのことも含めてのことなのです。それはアウディスポーツの大きな美点だと認識しております。

─美点という言葉が出てきましたので、ここでライバルブランドに対するアウディスポーツのアドバンテージを教えていただけますでしょうか?

中原:もちろん第一に挙げられるのは、クワトロ(フルタイム四輪駆動)システムによるあらゆるコンディションにおける高い運動パフォーマンスです。我々にはクワトロシステムの長い歴史があり、ノウハウも豊富です。2WDのライバルモデルに対してはもちろん、ほかの四輪駆動モデルと比べても一日の長があると自負しております。そしてバーチャルコックピットや各種電子デバイスに代表される先進性も大きなセールスポイントですね。

─アウディスポーツはモータースポーツにかなり熱心に取り組んでいますが、日本でもスーパーGTやスーパー耐久シリーズに精力的に参戦されていますね。その狙いはどこにあるのでしょう?

中原:アウディスポーツはレースで培った技術をフィードバックしているという哲学を持っておりますので、それを実行しなければ説得力がありません。ドイツ本社主導のファクトリーチームはもちろんですが、カスタマーチームにも強さ、速さを発揮していただくことで、アウディスポーツのパフォーマンスを証明したいのです。アウディは日本でも積極的にカスタマーレーシングをサポートしています。例えば、パーツトレーラーをサーキットに持ち込み、レースウィーク中のパーツ供給などに対応しているのです。この活動方針は今後も継続していきたいと考えております。

─話は変わりますが、アウディスポーツのコミュニケーション拠点である「アウディスポーツ店」について簡単に教えていただけますか?

中原:16年の現行R18の国内導入を機に開設したアウディスポーツ店は、アウディの正規販売店内に専用のCIを用いたコーナーを設けるショップ・イン・ショップ形式で展開しています。アウディスポーツの各モデルの車両展示をはじめ、関連情報に精通したアドバイザーを配置して販売を行っています。

─アドバイザーのみなさまには、何か特別な教育プログラムなどがあるのでしょうか?

中原:アドバイザーには販売を担当するセールスアドバイザーと、整備を担当するサービスアドバイザーがおりまして、それぞれに認定制度があります。これは世界的に実施しているものです。ブランドの歴史や背景を学び、各モデルの特徴を徹底的に勉強し、実車での走行トレーニングを行います。サーキットで限界走行も体験します。これはサービスアドバイザーも同様で、彼らも業務の際にお客様と会話する機会が多いので、ブランドに関する知識はしっかりと身につける必要があるのです。また、優秀なセールスアドバイザーには、ドイツのノイブルクにあるエクスペリエンスセンターで研修を受けてもらうという報償制度もあります。セールス担当にとっては励みになるかと思います。

─お客様にとっても、そんなセールスアドバイザーの体験談は興味深いものでしょうね。では最後に、今後はアウディスポーツをどんなお客様に乗っていただきたいと考えていらっしゃいますか?

中原:アウディスポーツの各モデルは、アウディからの乗り換えや増車が7割から8割を占めていて、このブランドを愛してくださっているお客様がとても多いのが特徴です。ですから、このようなお客様を大切にしたいというのが第一です。そのうえで、ほかのプレミアムブランドや国産のハイパフォーマンスカーに乗られている方々にも、ぜひとも一度お乗りになっていただけたらと思っております。

中原英貴:アウディジャパン株式会社マーケティングコミュニケーション部 アウディスポーツプロジェクトリーダー。自らサーキット走行を楽しみ、レースにも参戦してしまう根っからのカーガイだ。

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