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発売は2019年夏以降 ヤマハ・セローのガチライバル⁉️ 完全新作エンジン搭載のKLX230が、日本市場導入!/カワサキ

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写真は海外仕様車
写真は海外仕様車

カワサキ・KLX230

 いまを去ること数十年前、移り変わりの激しい、かつ華やかなロードスポーツたちの影で、密かに愛されたバイクがあった。トレールモデル「ヤマハ・セロー225」がそれである。1985年から2004年まで販売された超ロングセラーで、125並の足着きのいい車格に21/18インチのフルサイズの前後ホイールを装備、太いトルクを発生するシンプルな223cc空冷単気筒を積んでいた。当時サスストロークの長くなる一方の本格オフロードモデルと一線を画したセロー225は、本当に使える真のマルチパーパスとして、特にバイクに造詣の深いベテランに愛されたのだった。

 現在は250フルサイズになり、車格も大きくなったセロー。もちろん225時代から持っているマルチパーパス性能は少しもスポイルされていないものの、あの225の持つ、身の丈を超えない絶妙な車格と意外な懐の深さは捨てがたい魅力があったのも事実だ。

 そんな中、とんでもないニュースが飛び込んできた。なんとあのスーパーチャージャージドエンジンを始めとした、エキサイティングの塊のようなトンデモバイクをリリースしているカワサキから、絶妙車格と扱いきれる空冷エンジンを積んだトレールモデルが発表されたのだ。それが「KLX230」である。ファーストレビューはすでにお伝えしているので、ここでは、メインマーケットであるインドネシアの現地カワサキの発表およびブログ等の情報を交えながら、そのディテールを判る限り紹介していこう。

 まず、なぜカワサキがインドネシアでセローと同じようなモデルを、2019年の今、発表したのか。どうやらインドネシアでは、現地で販売されている「KLX150」でガンガントレールランするヤツラが結構いるらしい。そんな彼らに対し、現地では180cc程度までボアアップできるキットも出ているという。そんなオフロードアタッカーに対し、カワサキはモアパワフルな21インチ/18インチのフルサイズオフを提供したわけだ。車体構成は小柄なアジア人でも扱いやすいサイズに収めながら、「KLX150」を凌駕するパワーと車格を与えた結果、往年のセロー225と似た構成になった、ということだろう。

 日本では、その排気量からセロー225のような二輪二足の獣道マシンを想像しがちだが、前述のように現地インドネシアではガンガン走る前提の「元気のいいマシン」という位置づけ。実際現地発表でも、カワサキの開発者が「テストライダーが徹底して走り込みのテストをした」とのコメントをしており、オフロードの走行性能に関してはかなり懐が深そうなイメージだ。ただ、スペックを見るとボア✕ストロークは67✕66mmとほぼスクエアなので、扱いやすい中低速域も持ち合わせているだろう。

 フレームは完全新設計のコンパクトなペリメターフレーム。エンジンも、KLX150のボアアップ版でない完全新設計の空冷エンジンで、排気量は233cc。最高出力は14.0kW(19PS)、最大トルクは19.8N・m (2.0kgf・m)。エンジン全高を抑えて設計したとのことで、これにより、車体全体をコンパクトに仕上げることができたとしている。ホイールトラベルは前220mm、後223mmと、十分なストローク量を確保。また、メーターも今風に多機能で、スピード/ODO/デュアルトリップ/燃料計/時計が表示される仕様だ。

 セロー225のサイズ感に、カワサキらしい元気のいい新作空冷エンジンを積んだこのKLX230、なんと日本市場にも導入が決定! 「セロー250いいんだけどちょっと大きいんだよなぁ」と感じているツーリングユーザーにとっては、まさに待ち望んでいたマルチパーパスマシンとなるだろう。高速道路の巡航で力を発揮する6速が採用されていたり、真っ暗な林道でも周囲を明るく照らす大型ヘッドライトが装備されいるのも高ポイントだ。

 気になる価格だが、期待を込めて、セロー250の本体価格52万3000円から2万3000円引きの50万円ジャスト……といいたいところだが、すべてが新設計ということを鑑みると、もう少し高くなるかもしれない。期待して待て!

主要諸元

●全長✕全幅✕全高:2105✕835✕1165mm ●車両重量:132kg ●エンジン種類:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 ●総排気量:233cc ●ボア✕ストローク:67✕66mm ●最高出力:14.0kW(19 PS)/ 7600 rpm ●最大トルク:19.8N・m (2.0kgf・m)/ 6100rpm ●燃料タンク:7.5L ●変速機:6段 ●タイヤサイズ:F2.75−21/R4.10−18
(※スペックはインドネシア仕様)

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