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至高のピュアスポーツ・ルネサンス トヨタ・スープラをポルシェ718ケイマン、BMW M2、日産フェアレディZと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/06/24
  • ニューモデル速報
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超過激な性能と個性を持つM2のエンジンを許容する⁉

 BMWで一番過激なコンパクトスポーツが、このM2「コンペティション」だ。何を持って“コンペティション”なのかは今ひとつ不明だが、とにかく走りは激辛である。

 その要となるのは410㎰/550Nmを発揮する「S55」型直列6気筒ターボ。これはM3/M4に搭載されるエンジンで性能的にもスープラ「RZ」の6気筒ターボを上回る。

 しかし遠慮せず言えば、その走りは過激に過ぎる。確かにコンパクトだが日常性も考慮した2シリーズのボディは重心が高く、フェンダーを広げ、足腰を固めたとしても、この高出力を持て余している。

 BMWもそれを承知していると見え、タイヤサイズはフロントが245、リヤが265の19インチとなっている。ノーズに長くて重たい直6を積む重量配分はややフロントヘビーだが、それでも敢えてフロントのタイヤサイズを小さくすることで(リヤのグリップを上げたとも言える)、オーバーステアを抑制することに努めている。さらにトランスミッションには6速MTも用意するが、よりシフト操作を素早く正確に決め、ハンドリングに集中できる7速DCTを設定しているのだ。

 だからこそ、思う。もしこのエンジンがスープラに搭載されたら! 同じ直6を搭載しながらも極めてニュートラルなステア特性を持つスープラだったら、きっとサスペンション剛性を少し引き上げるだけで、この最高に刺激的なツインターボユニットを、使いこなせると思うのだ。そしてどうやらそのアイデアは、開発責任者の多田さんのプランにも、既に入っているような気がする。

 話をM2「コンペティション」に戻せば、しかしだからこそこの過激なクーペが、高い人気を誇っているのだとも言える。まだM3が小振りだった頃を彷彿とさせるボディに、最高のBMWユニットを搭載したFRクーペ。そのやっかいな操縦性を持つリトルモンスターに、多くのBMWマニアが惹かれるのだ。

 兄弟車である1シリーズが今年FWDモデルとなることを考えても、2シリーズが継続される保証はない。M2「コンペティション」は、今手に入れておきたい一台なのである。

BMW M2 Competition(6速MT)

典型的な“羊狼”。その小さなボディにM3と同じ強心臓を押し込み、溢れるトルクとパワーを受け止めるために締め上げられたハードな乗り味は、ある種の覚悟が必要。が、ゆえに好事家には堪らない魅力を持つ。

JC08モード燃費:10.8㎞/ℓ
V型6気筒DOHC/3696㏄ 
最高出力:336㎰/7000rpm 
最大トルク:37.2㎏m/5200rpm
車両本体価格:521万2080円

10年経ってもなお魅力を放つ永遠のライバルの展開に期待

 Z34が登場した時の記憶は、今でも強烈な印象として心に残っている。なぜならこの頃私は先代モデルとなるZ33の「バージョンNISMO」のオーナーだったからだ。

 新型だから当然なことなのかもしれないが、Z34はすべてにおいてZ33を上回っていた。トランクのタワーバーを廃したにも関わらずボディ剛性は高く、ゆえによりソフトな足まわりでもコーナリングパフォーマンスは高かった。エンジンは3.5ℓから3.7ℓへと排気量が上がり、パワーは自然吸気のV6ユニットにして336㎰を得た。そして排気系を交換しECUを調律するだけで、空気を切り裂く様な、甲高い叫び声を上げたのである。

 そんなZ34も登場から既に10年以上の月日が流れた。その間「バージョンNISMO」の登場こそあったものの、毎年イヤーモデルを発表していくというプランは主幹の交代で頓挫し、歴史からも少し忘れ去られたような存在となってしまっていた。

 しかしどうだ。今乗ってもフェアレディZは、当時の魅力を失っていなかったのである。

 確かにアスリートのように俊敏な走りのスープラと直接比較すればハンドリングはややスローで、前後バランスは明らかなフロントヘビー。しかし現代の大径タイヤを履いてもボディはしっかりしており、乗り心地に不満はない。

 フロントのダブルウイッシュボーンサスペンションは重たいエンジンを背負いながらがっちりと路面をつかみ、コーナーでは長いホイールベースが挙動を安定させる。だからこそドライバーは安心して、VQ37HRユニットのパワーを解放できる。その穏やかかつナチュラルなステア及びエンジン特性に目を付けたクラブマンレーサーたちが、思い思いに愛車を磨き上げ、サーキットを走っているのは極めて自然なことなのだ。

 スープラほど走りに特化していないとはいえ、Z32まで北米好みだったGT的な走りは明らかにZ33でピュアスポーツ寄りとなり、このZ34でさらに極まった。2シーターに割り切ったレイアウトに市民権が得られたのも、フェアレディZのおかげだと私は思う。

 ゆっくり走らせれば優雅であり、いざ鞭を入れればFRスポーツとしての性能を遺憾なく発揮する。フェアレディZは今でも、そういう素晴らしいスポーツカーである。

 残念なのはその伝統のネームが、なかば置き去りにされていることだけ。今年でフェアレディZは50周年を迎えるが、日産には特別仕様車を発売するだけでなく次期型モデルへの展望も発信してほしいと切に願う。ライバルたるスープラがその起爆剤となる可能性は、十分にある。

日産フェアレディZ Version ST(7速AT)

スープラと双璧をなす、日本のFRスポーツカーとして50年の歴史を持つ。現行型は設計年次の古さは否めないが、気持ち良く吹け上がる大排気量V6NAエンジンの甲高いエキゾーストノートや、自然なハンドリングは未だに魅力的。

JC08モード燃費:9.1㎞/ℓ
V型6気筒DOHC/3696㏄ 
最高出力:336㎰/7000rpm 
最大トルク:37.2㎏m/5200rpm
車両本体価格:521万2080円

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