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【試乗記:ホンダCR-V】2年ぶり! 日本市場への帰還 |SUVレビュー

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EX・Masterpiece(4WD/5人乗り)

ライトクロカンジャンルの牽引車としてヒットしたかつての姿とは異なり今やグローバル市場の中核としてホンダを支える屋台骨となった新型CR-V。その仕上がりも、輸入車とも十分以上に対抗できる上質なものになっている。

REPORT●高平高輝(TAKAHIRA Koki)
PHOTO●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/平野 陽(HIRANO Akio)

※本稿は2018年9月発売の「新型CR-Vのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

北米、中国でのヒットを経て日本市場に久々の復帰

 今夏、古のシルクロードをなぞって、オランダから中国の北京までの道のりを1ヵ月余り掛けて走った。ざっと1万5000㎞の陸路をクラシックカーで走るという旅だったが、そのうち1/3以上は中国国内の移動なのだから、なるほど広大である。最も西に位置する新彊ウイグル自治区から首都北京まで、今や世界最大の自動車市場となった中国をほぼ10年ぶりに走ると、路上の眺めが一変していた。日本に居てはまったく伺い知れない新しいブランドの、しかもスタイリッシュなSUVが有名どころに混じって無数に走っている。年間3000万台近い巨大市場に成長した中国の主戦場はやはりSUVであることを実感させられた。ホンダが新型CR-Vをまず米国と中国に投入したのもなるほど当然と納得せざるを得ない。実際、ホンダの目論見通りCR-Vは、2016年には世界で70万台以上を売って(うち中国では19万台)、SUVのベストセラーになっている。

 ただし、そんな巨大市場向けに開発されたグローバルカーが、日本でも同じようにヒットするかというと、それほど簡単ではないことはすでに明らかである。むしろ日本国内ではいつの間にか存在感を失い、「あれ、最近どうしたっけ?」ということも珍しくない。アコードしかり、シビックしかり、である。

 そんな状況の中、新型CR-Vが帰国子女のように日本に帰って来た。16年に五代目にモデルチェンジしたCR-Vは米中に先行投入されていたが、ほぼ2年遅れで日本と欧州でも発売されることになった。ちなみにトヨタのRAV4も来夏には復活する予定だという。

 念のためにちょっとおさらいをしておくと、初代CR-Vは95年発売、その前年にデビューしたトヨタRAV4とともに「ライトクロカン(ライトなクロスカントリービークル)」と呼ばれて人気を博した日本風SUVの草分けである。なんだか「アメカジ」みたいで、いささか軽薄なネーミングだが、FWD乗用車ベースの扱いやすさに加え、豪華な押し出しや見栄えよりも内容重視の「これで十分、安いほうがいいし」というバブル崩壊後の世の中の雰囲気ともマッチして一世を風靡したものである。その後世界的にSUVマーケットが拡大すると、米国そして中国に軸足を移し、同時に日本では徐々に人気が低下、16年に五代目に切り替わった時から国内販売が途絶えていた。日本市場での不在期間は2年半ぐらいだから、シビックよりはご無沙汰な感じはしないけれど、それでも、ああCR-Vの新型ってこれだっけ、という印象ではないだろうか。そのぐらい最近は大小SUVの競争は激化しているのだ。

骨太な造形の中にも、開放感と車両感覚の掴みやすさを盛り込んだダッシュボード。各部にあしらわれた木目調素材は削り出したかのような質感で、プレミアム感を感じさせてくれる。またセンターコンソールボックスは3つの収納モードを備えるなど、使い勝手も優れる。

 新しいCR-Vを目の当たりにして、ちょっと会わないうちにすっかり大人びたように感じたのは、そもそもCR-VはライトなSUVという私の思い込みがあったからでもある。モデルチェンジの度に段々ボディは大型化してきたけれど、それでもカジュアルなミドルサイズSUVと思い込んで走り出したら、ちょっと面食らうほどの重厚な高級感に驚かされた。筋肉質なスタイルもさることながら、第一印象は重厚どっしり、しかも静粛、というもの。試乗した舞台がスムーズなクローズドコースだったせいもあり、とにかく滑らかに静かに走る。一気にプレミアム路線に舵を切ったのかと思えば、ホンダとしては特にそれをねらったわけではなく、日欧の“うるさ型”のユーザーにも満足してもらえるようにヨーロッパ各国のさまざまな現実の道路を走り込んで煮詰めた結果だという。一方で、かつてのライトクロカン的に軽快な道具感にはいささか欠けるようだ。ライバルに挙げられるであろう他の日本製SUV、例えばマツダCX-5やスバル・フォレスター、日産エクストレイルなどと比べても明らかに重厚で、しっかりどっしりどこまでもハイウェイをクルーズするという場面を得意としているようだ。

 米国ではコンパクトだろうが、日本では立派なミドルクラスとなる全長約4.6m、全幅約1.86mのボディはディテールに凝り過ぎず、できるだけ簡潔な面とラインですっきりと形づくられている点も大人びて見える理由かもしれない。水平基調のインストゥルメントパネルまわりもどちらかといえばビジネスライクで米国風の雰囲気が漂うが、その分見やすく、主要コントロール類も使いやすくて実用的。またボンネット両脇の“峰”も含め、視界も文句なしである。ドライバーズシートまわりの空間もたっぷりしており、SUVでもとにかくスポーティに見せたいという風潮を追わなかったのはむしろ好感が持てる。実用性と扱いやすさを守る姿勢に米国市場での人気の理由が伺える。

 新型CR-Vのパワーユニットは今のところ1.5ℓ4気筒直噴VTECターボのみとなる。アコードなどと同様の2.0ℓアトキンソンサイクル4気筒に発電用/走行用の2モーターを加えた「スポーツハイブリッドi-MMD」搭載のハイブリッドモデルも設定されているが、そちらの発売は少し遅れて11月になるという。どちらにもFWDと4WDが用意されており、とりわけハイブリッドの4WDは初登場である。

先行して発売されるのは、1.5ℓターボエンジン搭載モデル。ステップワゴンの150㎰/20.7㎏m、シビックハッチバックの182㎰/24.5㎏mを上回る190㎰/24.5㎏mをマークするが、トルクを活かしたゆとりある走りに徹する。
「Masterpiece」に備わる本革シートは、立体感にあふれる上質なもの。運転席には8ウェイパワーシートの他、4ウェイ電動ランバーサポートも備わる。
ガソリン車のみに設定される7人乗り仕様。2列目は150㎜のスライドとタンブル機構も備え、3列目への乗降性を確保する。最小限の空間ではあるが、3列目にもドリンクホルダーを備えるなど可能な限りの快適性を担保している。

シビック用よりもパワフルな1.5ℓターボは実に静粛

 ステップワゴンやシビックなどと基本的に共通のL15B型4気筒ターボは、専用のターボを得てさらにパワーアップしている。レギュラーガソリン仕様ながらシビックに搭載されているエンジンよりも強力な190㎰/5600rpmと24.5㎏m/2000〜5000rpmを発生する。もっとも、トップエンドまで回して痛快に走るというよりも、その余裕を日常使用域に活かして扱いやすさを重視したタイプのようで、常用域では実に静かでレスポンスも上々だ。新型CR-Vにはアクティブノイズコントロールも備わっており、耳障りなこもり音などがカットされているのはそのおかげかもしれない。さまざまな制御を備えたCVTは、ドライバーの意図や操作との乖離をできるだけ小さくするよう配慮されており、普通に走る分にはほとんど不満はない。フルスロットルを与えると健康的というか、野性味あるというか、かなり勇ましいサウンドを発しながら力強い加速を見せるが、変速機がCVTというせいもあり、ピークに向かって鋭く駆け登るという類いではない。

 乗り心地は滑らかで高級感がある。リヤサスペンションのサブフレームをフローティングマウントしたり、前後サスペンションに液封コンプライアンスブッシュを採用した効果か、ビリビリしたバイブレーションやノイズはしっかり抑えられており、少なくともクローズドコースで乗った限りではフラットで滑らかである。

 その反面、ハンドリングは明らかにスタビリティ重視で、パキパキとノーズが向きを変えるような敏捷さは持ち合わせていない。ステアリングもやや重く、直進時からの操舵にはちょっと乗り越え感もある。もっとも、だからといって鈍重というわけではなく、しっかり切った分だけ安定して姿勢を変えるというタイプである。このぐらいのサイズのSUVはスタビリティ最優先が王道であり、いたずらにシャープな反応を追いかけるよりも、例え高速域でも安心快適に真っ直ぐ走ってくれる方がずっと有難いが、その点エクストレイルなどのライバルとは明確に異なるキャラクターを与えられていることは間違いない。むしろ輸入プレミアムブランドのSUVに似ていると言えるだろう。

上から、ガソリン車の5人乗り、7人乗り、7人乗りの3列目を倒した状態。5人/7人乗り仕様とも、ラゲッジボードを上段に設置すると倒したシートとラゲッジフロアがフラットになるのはうれしい配慮。

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