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ホンダCR-Vをスバル・フォレスター、日産エクストレイル、マツダCX-5と徹底比較!「ライバル比較インプレッション」

  • 2019/07/07
  • ニューモデル速報
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デビュー間もないフォレスターは操縦性の高さが強み

 フォレスターは今年7月に発売されたばかり。SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用しているので、今回の中では設計が最も新しい。試乗車は「X-BREAK」で17インチのオールシーズン・タイヤを装着していた。

 他のサマータイヤ装着車に対してノイズや乗り心地で不利かと思いきや、17インチと小さめなこともてネガは最小限に抑えられていた。ほんの少しだけゴー、ガーというノイズが大きめに感じられるが、オールシーズン・タイヤにありがちな表面の硬さは感知されない。

 フォレスター最大のユニークポイントは、低重心な水平対向エンジン搭載による、圧倒的な操縦安定性の高さだろう。緊急回避テストをしてみても、ミズスマシのように障害物を避けて駆け抜けてしまうのは圧巻。日常的な走りでも、コーナーでのロールの少なさは頭ひとつ抜けていて、エクストレイルなどと比べると安心スピードがかなり高いところにある。それは低重心という資質からくるものだから、サスペンションが無用に硬いというわけではない。先代に比べると格段にしっとりとした乗り心地との両立が図られているのだ。

 ただし、オンロードでのハンドリングがCX-5のように楽しいかと言うと、そこまででもなかった。基本的なシャシー能力は高いのだが、キビキビ感よりも安定性を重視しているようだ。18インチのサマータイヤを装着する「プレミアム」は、もう少し舵の効きがいいのでハンドリングを重視するならオススメしたい。

 水平対向エンジンは低回転域のトルクが薄いと言われてきたが、現行フォレスターの2.5ℓは直噴化されたこともあってCX-5のそれと遜色なく感じられる。車両重量が軽いことも功を奏しているのだろう。

 とはいえ、やはり良く使う1500rpm付近はさほど力がなく、ちょっとした加速でも2000〜2500rpmにタコメーターの針が上がる。それでも6速ATよりはCVTのほうが遅れなく望みの力を得られて日常走行でのドライバビリティは上回る。全開で加速するとステップ制御となって6000rpmで60㎞/hに達すると5000rpmに落ち、再び加速。水平対向エンジンは回転上昇感がスムーズでトップエンドまで引っ張ると気持ちいい。ステップ制御はアクセル開度が30%程度でも効くので、ラバーバンドフィールが大嫌いという人にも受け入れられそうだ。

マツダCX-5 25S PROACTIVE

魂動デザインによる流麗な外観と質感の高い走りに定評があるCX-5は、オンロード寄りのスポーティなセッティングが施され、ドライビングプレジャーの高さが魅力。今回のガソリン車のほかディーゼルも人気が高い。

直列4気筒DOHC/2488㏄ 
最高出力:188㎰/6000rpm
最大トルク:25.5㎏m/4000rpm 
JC08モード燃費:14.2㎞/ℓ 
車両本体価格:291万6000円

ターボエンジンの力強さと滑らかで上質な走りが融合

 CR-Vは唯一のターボエンジンだが、これが大きな魅力をもたらしていた。他のCVT車は、ステップ制御でラバーバンドフィールは克服しているものの、常用スピード域ではエンジンのトルクが薄いため頻繁な変速がなされて煩わしかったが、CR-Vは2000〜5000rpmの幅広い回転域で最大トルク240Nmを発生するから、アクセルの踏み込みに対してレスポンスが良く、CVTにしてはダイレクトな感覚で加速していくことが多いのだ。さすがに1500rpmでは、トルクが充実しているとは言い難いが、2000rpmに近づくにつれてモリモリと力が湧いてきて2500rpmにもなれば結構な加速感。日常域ではそれ以上はあまり必要としないぐらいに頼もしい。3000rpm、4000rpmと回転を上げると1.5ℓという小排気量が信じられないぐらいに力強く、VTECターボの威力を知ることになる。

 試しに全開加速してみると、6000rpmをちょっとオーバーして70㎞/h、そこでシフトアップして5000rpmから加速して再び6000rpmで100㎞/hといったところ。フル加速させるとサウンドが適度にスポーティになる。CR-Vは全開に近くならないとステップ制御をしない。日常的な走行では4000rpm張り付きの加速ぐらいで十二分に速いから、それ以上使うことは滅多にないだろう。他のCVTはそれなりの加速でもステップ制御でラバーバンドフィールを克服しているのに対して、CR-Vは回転張り付きの加速が多いのだが、不思議とイヤな感覚はない。CVTには新たな制御を試す実験車両も含め多くを試乗してきたが、ギヤ比を固定してエンジン回転の上昇と加速をリニアにすることだけが、ドライバビリティ向上に役立つわけではないことが最近分かってきた。アクセルの踏み込みに対して、望むだけのトルクがレスポンス良く出てくるかどうかが肝心。低回転から大トルクを発生するエンジンとの組み合わせほど有利であり、CR-Vの1.5ℓターボは見事にそれにはまっている。よって、ドライバビリティは4車中で最も良好だといえる。全体的に回転数が抑えられていることもあって静粛性へも貢献している。

 CR-Vは、エンジン音だけではなく、ロードノイズや風切り音もよく抑えられていた。欧州プレミアム・カーと比べても遜色ないレベルだろう。CX-5も現行モデルでかなり力を入れた領域だが、それ以上に静かだ。加えて、走り出しからして駆動系やサスペンションなどあらゆる部分の動きが滑らかで上質な乗り味だった。CR-Vはプレミアム・カーというわけではないが、新世代のプラットフォームやパワートレーンは質感の高い走りを実現している。

 何気なく真っ直ぐの道を走らせているだけでリヤタイヤがガッチリと路面を捉えている感覚で、底知れぬ安心感がある。ステアリングまわりの剛性感が高くて操舵する度に頼もしさを感じるのも新世代のプラットフォームのポテンシャルを感じるところだ。高速道路の速度域ではCX-5と同様にビシッと走りながら、しなやかなサスペンションで快適性では上回る。乗り心地と安定性のバランスが高次元なのだ。

 ハンドリングでは、滑らかで連続性のある動きが印象的だった。適度なダイヤゴナルロール、前輪外側への沈み込みを見せつつ素直な感覚で旋回していく。CX-5のハンドリングも圧巻だったが、より快適志向のサスペンションで同じようなスポーティな走りを実現しているのは、スピードや操舵量などから車両の動きを予測して四輪のブレーキを独立制御するアジャイルハンドリングアシストが効いているのだろう。ドライバーにそれと分からせないが、確かにねらったラインへ乗せやすい。さほどサスペンションが引き締められていないのは、やや強めにブレーキを掛けた時に、ストロークスピードが思いのほか早いことが伺える。

 CR-Vはポテンシャルの高いプラットフォームを得て、実に快適かつ上質な乗り味と適度なスポーティさを高い次元でバランスさせたモデルだ。1.5ℓターボ+CVTのドライバビリティの良さも含めて日常のドライブを楽しく快適にしてくれるパートナーとして最良と言っていいだろう。もっとスポーティさを追うならCX-5、ロールの少ない操縦安定性ならフォレスターも手強いライバルではあるが、より多くの人のストライクゾーンに入るのがCR-Vなのだ。ちなみに、チョイ乗りしかしていないi-MMD搭載車は、電気モーター駆動特有の気持ち良さが病みつきになりそうだったが、1.5ℓターボもガソリン車のミッドサイズSUVの中で最も秀逸ではある。本気で購入を考えるとなると、かなり悩ましいことになりそうだ。

ホンダCR-V EX Masterpiece(4WD/5人乗り)

北米と中国にて先行発売されたCR-Vだが、日本導入に際してさらに動的性能に磨きが掛けられ、走りの質が高められた。今回試乗したガソリン車に加え、後発でリリースされるハイブリッド仕様の、さらに静かで滑らかな走りにも期待が高まる。

直列4気筒DOHC ターボ/1496㏄ 
最高出力:190㎰/5600rpm 
最大トルク:24.5㎏m/2000-5000rpm
JC08モード燃費:15.0㎞/ℓ 
車両本体価格:380万7000円

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