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スズキ・RGガンマはレプリカカラーの元祖である。【レプリカガンマ プレイバック】

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濃紺/金/真紅のカラーまとった狼という名のマシン。ウォルター・ウルフカラーは80年代の若者を一瞬でロマンチストにさせる力があった。

今年の鈴鹿8耐で印象的だった、ヤマハ「TECH21」カラー。しかし、フルカウルにスポンサードカラーをまとい、市販車に反映して一般化したのは、実はスズキが元祖だった。今回はレーサーレプリカの始祖であり、そして250フルカウルスポーツでスポンサードカラー広めた名車である「RG−Γ(ガンマ)シリーズを見ていこう。
PHOTO⚫︎渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)

8耐「TECH21」で注目を浴びた80〜90年代レプリカカラー

93年にカワサキに8耐初優勝をもたらした伊藤ハムカラーのZXR-7
 7月28日に行われたバイク乗りの夏の祭典、鈴鹿8耐は実に28年ぶりとなるカワサキの優勝で幕を閉じた。惜しくも5連覇は逃したものの、ヤマハは同一周回で2位をゲットしている。今回のヤマハは5連覇に向け、レジェンドカラーである「TECH21」カラーをまとい、開催前から話題を振りまいていた。
 TECH21カラーは80年代当時、下は原付スクーターから上は4スト250プリカまで、幅広く市販車に採用されていたヤマハを代表するレプリカカラーのひとつだ。
 対するカワサキは、川崎重工公式フェイスブックが1993年に8耐初勝利を獲得した「伊藤ハム」カラーのZXR-7を撮り下ろし事前公表している。伊藤ハムカラーは、300台限定で、90年代を代表するレプリカマシン「ZXR400」に採用。ライムグリーン一辺倒だったカワサキ・レプリカマシンのなかで特に印象に残るカラーとなっている。

レプリカカラー市販車の原型はスズキの、あの名車が形作った

 このように昨今、各社伝説的レプリカカラーを押し出してくるなか、今回はレプリカカラー市販車の元祖的マシンを紹介したい。それはバイク乗りなら一度は耳にしたことのあるであろう、「スズキ・RG-Γ(ガンマ)」シリーズだ。初代「RG250Γ」は、並列ツインの2ストエンジンを採用。WGP500レーサー譲りのアルミフレームとレーシングカウルを纏い、1983年に登場した。以後、88年にV型エンジンに進化しつつ、90年代前半までブームの続いたレプリカマシンの原型を作った名車だ。が、元ネタが2ストロークマシンであることが原因で、昨今なかなかお目にかかることがない名前でもある。しかし、80年〜90年代当時はライダーの誰もが憧れ、2020年になろうとする現在でも、いまだ伝説として語り継がれるマシンなのである。ヤマハのTECH21カラーやカワサキの伊藤ハムカラーも、このガンマがなければ存在しなかったかもしれないのだ。今回はそんな元祖レプリカのレーシング・カラーをじっくりご覧いただきたい。

ガンマといえばまずこのウォルター・ウルフカラーを覚えておいてほしい。ウォルター・ウルフは1939年オーストリア生まれの実業家で、オイルビジネスで大成功を収めた人物。77年にはF1チーム「ウォルター・ウルフレーシング」を結成。レース界に進出している。日本のレース界には85年の全日本GP500から関わり、「東海のあばれん坊」水谷勝のライディングするRG−Γで一世を風靡した。年式によって85、86、87年式の3種類のカラーがあり、車体中央に大きく赤色があしらわれるこのデザインは85年式の3型。(オーナー:宮木唯男さん)

こちらはマニアックなハーベーカラーのRG250Γ。1〜5型まであるRG250Γにおいて、84年の2型のみに採用されたレーシングカラーだ。ハーベーは西ドイツ(当時)のタバコ銘柄。83年のスズキWGP500と世界耐久チーム(GS1000R)をスポンサードしていた。当時の同社GSX-R(400)にも同様のハーベーカラーがある。(オーナー:小林正樹さん)

次に有名なのはこのペプシカラー。V型になったRGV250Γに採用された。88年からWGP500に復帰したスズキが満を持して投入したモデル「RGV-Γ500」のレプリカカラーである。伝説的ライダーであるケビン・シュワンツが駆り、同時代のライダーであるホンダNSR500×ワイン・ガードナー、ヤマハYZR500×ウェイン・レイニーと激闘を繰り広げた。(オーナー:関野正大さん)

2ストレプリカのなかでもっとも進化していたと言われるV型Γの最終型である96年式RGV−Γ250SP。ラッキーストライクカラーは前出のケビン・シュワンツのほか、全日本選手権GP250クラス・チャンピオンの故・沼田憲保のアグレッシブなライディングで有名となった。特異なエアロカウルは今でも通用する美麗なラインを描く。(オーナー:宮川剛志さん)

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