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熟成を遂げた8代目は見た目も走りも申し分なし! 【ホンダ タクト試乗】手強さゼロ! コイツは50ccスクーターに必要な要素を上手にまとめた優等生だ。

  • 2019/08/13
  • 佐藤恭央
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十数年振りに復活を遂げた名車「TACT(タクト)」は、原付スクーターの基盤を作ったザ・スタンダードであり、日常使いにおいて過不足のない機能を有している。ヤングライダーの登竜門として、年配者の足として、どんな人にもマッチする懐の深さが定番足る由縁なのだ!

REPORT:川越 憲(KAWAGOE Ken)
PHOTO&EDIT⚫️佐藤恭央(SATO Yasuo)

全8色(2019年8月現在)揃うカラバリも魅力! 試乗車はオールブラックがCOOLな「マットバリスティックブラックメタリック」。なお、ベーシックはシート高が15㎜低く、アイドリングストップをスポイルした廉価版。

ホンダ・タクト・ベーシック……165,240円

ホンダ・タクト……178,200円

新たなバイクブームの種を蒔いた一台!

 2015年1月にTACT(タクト)の名前が復活すると聞いて、思わず懐かしいとつぶやいてしまったライダーも多いだろう。1980年に発売された初代タクトは、セルスターターや自動チョーク機構などを採用してバイク(スクーター)への垣根を低くし、それまでバイクに関心の無かった人たちからも注目されたことで、後のバイクブームの一端を担った。発売開始から2年間で70万台を超えるセールスを達成したというから、街のバイク屋さんの忙しさも想像できるだろう。スクーターでバイクの洗礼を受けた若いライダーが、より速さとスポーツを求めて、世にいう空前の’80年代バイクブームに繋がったのは言うまでもないだろう。

 タクトは初代から1998年発売の7代目まで、長くホンダスクーターのスタンダードモデルとして君臨したが、2000年代に入りその役目はジョルノやDioに引き継がれていくことになった。現行のタクトは8代目となるが、エンジンやフレーム、コンセプトの面で、名前は同じでも別の新型と言うべきだろう。それでもタクトの名前を復活させたことは、国内二輪市場の再活性化に向けて、今一度、バイクブーム黎明期の原点に返ってライダー人口の掘り起こしを目指した、ホンダの意気込みを感じる。

リーズナブルな価格設定も人気の要因

 約35年前の高校生の頃、兄のお下がりの初代タクトに乗っていたことがある。まだ、ヘルメットの着用が義務付けられていなかった頃である。自転車しか知らなかったティーンエイジャーにとって、50cc原付を手に入れたことは、行動範囲を格段に広めてくれた。仲間内でも年式は違うがタクトのオーナーが多かった。その後に発売されたモデルも、ヘルメット装着の義務付けに伴ってイチ早くシート下のメットイン機構を採用したり、電動オートスタンドや、前後連動ブレーキの搭載など、スタンダードスクーターの位置付けではあるが、ずっとホンダのスクーターを象徴する存在であったことは間違いない。

 現行のホンダ50ccスクーターはジョルノ、ダンク、タクトの3台がラインナップされているが、エンジンとフレームが共通ながら、まったくテイストは違うと言っていい。
 ジョルノより個性的なデザインの主張はない。また、走りの実力はフロントにディスクブレーキを搭載したダンクほどスポーツを感じさせるものではない。
 しかしながら、街中を走っていると、車体に適度な剛性があって、ポジションにも余裕があり、走る、止まる、曲がるに不満はない。走り終えると「これでいい」と納得してしまう、満足感が得られるのだ。
 ジョルノ、ダンク、タクトのホンダ原付三兄弟の性格を簡単にまとめると、ジョルノが近場のお買い物用なら、ダンクはスポーツ色の強いカスタマイズモデル、そして、タクトはその中間に位置する実用モデルと言える。実際に販売店に聞いたところ、ジョルノとダンクよりぐっと価格が抑えられているためか、世代や男女比にかかわらず、タクトが一番売れているという。リーズナブルに済ませたいなら、アイドリングストップシステムはないが、ベーシックグレードがオススメだ。

 この復活したタクトが、日常の実用的な使い方だけなく、オーナーの行動範囲を広げて、もっと大きなバイクへステップアップするきっかけとなって欲しいものだ。

足つきチェック(ライダー身長182cm)

シートがスリムなことと、シート高が10mm低いため、ダンクと比べると足着き性がよく、ジョルノに比べると足の置き場に余裕がある。ハンドル幅がダンクより絞られているので全体的なライディングポジションはコンパクトな印象。

1980年にデビューした初代は70万台越えの大ヒット!

次代を見据えた3.2psの空冷2ストエンジンに、無段階変速機Vマチックを組み合わせ、セルスターターや自動チョーク機構、自動開閉式燃料コックなど、数多くの新技術を採用。既存のスクーターの概念を超える扱いやすさが人気となり、発売から約2年間で72万台という驚異的なセールスを記録した。

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