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♯1 レッドブル・エアレースを振り返る 「常識はずれの規模。エアレースの裏側」

  • 2019/08/19
  • MotorFan編集部
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多くの観客を呼び寄せる為に都市部でエアレースを開催するこの考えがレッドブル・エアレースのスタートだった

 今シーズン、幕張のレースをもってして終了が決定したレッドブル・エアレース。パイロンを使ったレースの方式や都会でのレース開催など、すべてが斬新。最盛期には世界中で数億人の人がレースを視聴するほどの人気だった。
 飛行機イベントの常識を覆してしまったこのイベントを実現させるためには、様々な取り組みが行われてきた。
今回はそんなレッドブル・エアレースの裏側をご紹介することにしよう。

REPORT●後藤 武
PHOTO●レッドブル/後藤武

かつてなかったコンセプト「イベントを都心部へ持ち出す」

 これまで飛行機のイベントは、飛行場で開催されることがほとんどだった。その為、観客は遠くに出かけなければならず、観るための設備も整っていなかった。しかしそれではマニアしか訪れない。もっと多くの人達に観てもらうためにはどうすれば良いか。そこで出た答えが「イペント自体を都市部で開催する」ということ。レッドブル・エアレースのコンセプトは、そんな発想から生まれた。

飛行機がぶつかっても問題のないパイロンの開発

 いくら都市部で開催してもレース自体がエキサイティングなものでなければ人は集まってこない。最新のエアロバティックス機が持つ性能とパイロットの技量を最大県に発揮させ、人々を魅了するために考えられたのが、パイロンを使ったコースでのタイムアタックだった。
 そんな考えから生まれたのがエアで膨らませるパイロンの開発だった。風が吹いても倒れたりしない剛性を持ち、飛行機が接触しても機体にダメージを与えない。そんなパイロンがあれば、様々なところでレーストラックを設営することが可能になる。

 パイロンが完成したらクルマの屋根に飛行機の主翼を取り付けて衝突させ、ダメージや機体に与える衝撃がどれくらいになるかをテスト。十分に安全だという数値は出たが、最終的には飛行機での衝突実験が必要だった。ここで。テストパイロットとなったのが、ピーター・ベゼネイ(エアレースからは2015年に引退)だった。こうしてテストと思索がなんども繰り返され、レースに使用できるパイロンが完成したのである。

パイロンは形状や構造が変化していった。トップと中央の赤い部分はパイロン通過時の最高高度、最低高度を示している

 パイロンは当初円筒形だったが、風に対しての強さや安全性を高める為の改良が加えられ、現在のような円錐形に進化していった。
 最新のパイロンは、いくつかのパートを特殊なファスナーでつないでいるため、仮に機体が接触して切れたとしても数分で補修される。パイロンカットがあってもレースが大幅に遅れるようなことはない。

ブロードキャティング技術の開発

テレビ局の設備をそのまま会場に持ち込んでしまったのがレッドブルのブロードキャスティングだ

 レッドブル・エアレース人気をブレイクさせたのは、独自に開発したブロードキャスティングによる部分が大きい。エアレースを最も魅力的に世界中の人に知ってもらう為、専門のスタッフ達が、その場で撮影と編集を行い、エアレースを世界中に放映したのである。

レッドブル105 最も近い時で機体に1mまで迫って撮影する。パイロット達との信頼関係があるからこそできる技

 衝撃的だったのはヘリコプター「レッドブル105」による「シネフレックス」カメラを使った空撮映像。スタートするレース機を追尾したり、コースの近くや上空から、今まで見たこともないような映像を撮影した。

レース中、2機が競り合っているかのようなゴーストというCG技術はレッドブルが開発したもの。リアルタイムで2機の映像を重ねたものを流すことができる

 また、ライバルとの差がわかるように相手機をゴーストというシルエットで表示。あたかも2機が競り合っているかのような映像をリアルタイムで会場やテレビで放映した。この映像にはレッドブルが独自に開発したCG技術が採用されている。多くの人が夢中になったのは、こういった仕掛けがあったからだった。
 

レース毎にイベントごと移動する

これはレースタワー。ここからレースの状況を把握してパイロット達に指示を与える

 いくらレースを都市部で開催したくても都合の良い場所に使用できる空港があるとは限らない。レースを管制する為には、トラックを一望できる管制塔も必要だ。これに対してもレッドブルが出した答えはシンプルだった。空港やレース会場を都市部に作り上げてしまえばいいのである。
 レースタワー、管制塔、ホスピタリーブース、メディアラウンジ、VIPラウンジ、格納庫などレースに必要なすべての設備は一から開発されることになった。すべての建造物はアルミ合金で作られており軽量で分解が可能。開催される場所の広さに応じて、様々な形に組み立てることができる。

滑走路に作られる管制塔。ここではレースプレーンの離発着に指示が出される

レースが終了するとこれらの設備は解体され、7機のジャンボジェット輸送機によって次の開催国に運ばれる。現地ではスタッフ達が12日間をかけ、綿密なテストを行いながら次のレース会場と空港を作り上げて行く。


レース会場には設備とともにレース機も分解されて一緒に運ばれて行く。機材の総重量は350トン

 これらの設備がある為、パイロット達はどの国に行っても、体調も万全に整えることができ、同じ環境でレースに取り組むことができるのである。

 幕張のレースでも空を飛ぶ飛行機だけでなく、その施設にも目を向けていただきたいと思う。かつてないエアレースを実現させる為、どれだけ多くの労力が注ぎ込まれたかを感じることができることだろう。それを自らの目で確かめることができるのも今回のレースが最後なのである。

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