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アウディQ2をルノー・キャプチャー、メルセデス ベンツGLAと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/09/11
  • ニューモデル速報
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BセグなのにCセグ級の贅沢なパッケージング

ヨーロッパ市場でダントツの人気【ルノー・キャプチャー】

クラスが完全にひとつ上だった!

斬新なデザインで抜群の存在感【アウディQ2】

アウトドアテイストをさらに強調【メルセデスベンツGLA】

クラスが完全にひとつ上だった!

 というわけで、さすがベストセラーならではのソツもスキもないキャプチャーの完成度に改めて感心したりした……のだが、Q2に乗ったら、これが衝撃だった。

 まず、内外装の質感はQ2が完全にひとクラス上で、オプションのバーチャルコックピット(=フルカラー液晶メーターパネル)を横に置いても、Q2の細部質感はまさにCセグメント基準(の上位レベル)である。後席足もとはキャプチャーと勝敗をつけるほどの差はないが、ヘッドルームや肩まわりの余裕はQ2が僅差で勝ち。後席住人はQ2のほうが快適だろう。

 Q2の走りはいい意味でアウディらしくなく、活発でアッケラカンとゴキゲンである。キャプチャーも単独ではフラットな身のこなしに感心したが、Q2に乗った後だと、キャプチャーはやけに動きが大きく、SUV感が濃厚に思えてしまう。Q2はとにかくロールせず、ステアリングは正確かつ俊敏なのだ。

 さらに今回の1.4TFSIでもリヤがトーションビームなのがQ2のキャラに多大な影響をおよぼしている。MQBのリヤサスはもともと独立式の4リンクとトーションビームの2種が用意されるが、1.4ℓターボには4リンクを組み合わせるのが従来のお約束。それはVWゴルフの例を見れば明らかだし、A3も海外で販売される1.2TFSIはトーションビームだ(日本のA3は1.4FSI以上しかないので、必然的に全車4リンクとなる)。

 印象的なほどタイトで強力なステアリングとリヤのトーションビーム、ハッチバックよりはちょい高のボディ、そしてパワフルな1.4TFSI……という組み合わせが、Q2にこれまでのアウディとはひと味もふた味も異なる走りを与えている。

 アウディの走りといえば、FFでもクワトロに似た絶大なリヤスタビリティを軸にした安定した操縦性が特徴だったが、Q2のそれはキッカケを与えると、リヤタイヤもろとも4輪が一体となって嬉々として回り込む。レスポンシブなパワートレーンによる荷重移動を利すると、ほどよくリヤがロールしながら、リズミカルにコーナーを消化していく。これはまさに、ホットハッチオタクがニヤリとしそうな古典的なFFスポーツの味わいである。

 今回の取材車でQ2とキャプチャーの動力性能を評価するのは不公平というものだが、諸元的にキャプチャーとほぼ同等性能であろう1.0TFSIなら299万円。素の1.0TFSIでは自動ブレーキその他の装備が省略されるものの、キャプチャー比では大きく見劣りするものではない。Q2の基本的質感と操縦性が1.0TFSIもそのままだとすれば、Q2とキャプチャーの約30万円の価格差はなきに等しい?

 日本でQ2の最上級モデルは今回の1.4TFSIである。405万円の本体価格に、一も二もなく必須オプションのセーフティパッケージを追加すると合計418万円。メルセデスGLA180の価格(は本体とレーダーセーフティパッケージの合計で417.9万円)を見ると、両者がまるで火花が散るように意識し合っていることは歴然である。

 GLAはそもそもQ3が属するセグメントSUVが本籍で、たとえば内装の細かい素材づかいでは、Q2よりちょっとだけだが確実に高級である。ただ、Aクラスと共通のボディシェルを使うGLAは実用性よりカッコ良さを優先しており、室内空間はQ2より閉所感があり、荷室の広さもQ2と大差なく、SUVとしては変わりダネの部類に入るクロスオーバー・スポーツとでも呼びたい存在だ。

 そんなGLAも発売当初は「やりすぎ?」と思えるほどのゴリゴリのアジリティ重視の感が強かった。しかし、Q2の登場にピタリと合わせて上陸したマイナーチェンジモデルは、当時とは一転した豊かなストローク感で、伝統的なメルセデステイストを取り戻したのが印象深い。

 最新GLA180のフットワークは、たおやかな柔らかさで路面のギャップを包み込んで、ショックはあくまで丸めた状態でしか人間に伝えてこず、ゆったりと重厚そのものの乗り心地である。四輪独立サスペンションもあって、4本のタイヤはいつ何時も路面に吸いつく。いやホント、初期のGLAを知る身体には、にわかに信じがたい改良幅である。それでいて、背の高さをほとんど感じさせないのは、天地に薄いボディスタイルで、実際に低重心だからだ(GLA180の全高はQ2よりさらに低く1.5mを切る)。

 GLA180のパワートレーン構成も、0.2ℓの排気量差はあるにしても、それ以外はQ2の1.4TFSIに酷似。ただ、そこから絞り出されるパワーはアウディが1〜2ランク上といってよく、さらにQ2はGLAより100㎏以上軽い。体感動力性能はQ2の圧勝で、シャシーと相まって、山坂道での躍動感はGLAをはるか先をいく。とくに意識せずとも、実際の走行ペースもQ2のほうが明らかに高い。

 Q2で感心するのは、かように上屋の動きがGLAより圧倒的に小さいのに、高速や市街地でのフラット感や乗り心地でもGLAに引けを取らないところだ。アシの調律もうまいんだろうが、ボディ剛性の作り方がよほど巧妙なのだろう。

 というわけで、Q2にはGLAでは望めない活発さや若々しさがあり、多くの面で同価格のGLA180を上回るポイントがある。ただ、表向きの商品概要は似た者同士でも、実際に2台を乗り較べると、迷うことはないだろう。走りのキャラクターがまるで別物だからだ。Q2の活発さに心酔してしまうと、言葉は悪いが、GLAは鈍重としか感じられなくなるだろう。逆にGLAの重厚感と優しいタッチが心に沁みた人には、Q2は良くも悪くも若々しすぎる。

 いずれにしても、Q2の走りやデザインはこれまでのアウディと狙いどころが明らかに違う。そして、BセグメントとCセグメントの中間をズバッと突いたサイズと質感、そして価格設定はなんとも巧妙なクラスレス商品である。いま世界で激アツの販売競争を繰り広げているふたつのセグメント(BセグメントSUVとCセグメントSUV)の両方において、恐るべき大型新人のQ2にライバルメーカーたちは震撼しているはずである。

斬新なデザインで抜群の存在感【アウディQ2】

エンジンは直列3気筒1.0ℓターボと直列4気筒1.4ℓターボの二本立てで、すべて7速DCTと組み合わされる。日本仕様はFWDのみ。取材車は限定280台の1st editionで、1.4TFSIシリンダー・オン・デマンドをベースに、18インチ専用ホイールやスポーツサスペンションなど、数々の特別パーツで内外装を仕立てられている。

最高出力:116~150㎰
最大トルク:200~250Nm
車両価格:299~490万円

アウトドアテイストをさらに強調【メルセデスベンツGLA】

AクラスをベースにしたGL兄弟の末っ子。この2017年春にマイナーチェンジを受け、よりアウトドアテイストの強いエクステリアを与えられた。エンジンはすべて直列4気筒で、122㎰の1.6ℓターボと、184㎰、211㎰、そして381㎰(AMG)の3種類のチューンが用意される2.0ℓターボをラインアップ。2.0ℓターボはすべてAWDとなる。

最高出力:122~381㎰
最大トルク:200~475Nm
車両価格:398~792万円

モーターファン別冊 インポートシリーズ アウディQ2のすべて

個性派デザインが魅力的都市型コンパクトSUV待望のデビュー!!

Impression
俊敏かつ爽快なドライビングを体感

Utility
立体駐車場にも入るコンパクトSUV

Mechanism
安全・運転支援システムは上級モデル譲り

Design
既成概念にとらわれないポリゴンテイスト

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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