【日産スカイライン試乗記】プロパイロット2.0だけじゃない! 先進技術と史上最強パワーで飛躍的進化
- 2019/10/01
- ニューモデル速報
クルマとしてのデキは良くても今ひとつ話題になりきらなかった感のある昨今のスカイライン。しかし新型では国産車初の高速道路ハンズオフ走行を可能にしたプロパイロット2.0や3.0ℓV6ツインターボエンジンに、400㎰オーバーの「400R」を投入。さらに伝統の丸テールを復活させ、スカイラインらしさを色濃く打ち出して登場してきた。
REPORT●橋本洋平(HASHIMOTO Yosuke)
PHOTO●井上 誠(INOUE Makoto)/神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)
※本稿は2019年8月発売の「新型スカイラインのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
常に時代の最先端を突き進んでいたスカイライン
まだボクが子供だった頃、新型のスカイラインが登場することは一大イベントだった。それは新型が出ればすぐにディーラーへ出向き、必ずと言っていいほど即決してしまうスカイラインフリークの父がいたからだ。
何台かの試乗をした後にカタログを見て、いつの間にか契約。近くで遊んでいる少年時代のボクはそのことを知らないのだが、その行事が終わった数週間後には自宅に新型のスカイラインが来るという工程を繰り返していると、買ったと聞かされなくても「どうせまた新しいのが来るんでしょ」と次第に理解するようになっていた。どうやら父は納車までナイショにして、ボクを驚かせてやろうと目論んでいたようなのだが、ワンパターン過ぎて見破ることは簡単だったことを思い出す。
そこから先は買ったことを察知していると思われないようにコチラも装う。カタログが茶の間にあろうとも、それを父の前では広げることなく、仕事で留守をしている最中に隅々まで読み込んでいた。
「そうか、今度のスカイラインはこんな装備を搭載しているのか!」とか、「コッチのグレードの方が、メーターがカッコイイな」なんてワクワク感が高まっていた。一体、どのグレードを注文したのか? ボクの希望通りならいいな、なんて思いを巡らせていたのだった。
それは、今考えてみればスカイラインが時代の最先端を突き進み、いまだかつて見たことのない技術をふんだんに盛り込んでいたからだろう。足まわりの減衰調整スイッチ、GTオートスポイラー、さらにカーナビの前身と言っていいドライブガイドシステムにはかなり興奮したことを覚えている。
そして今以上に様々なグレード展開を行なっていたから、写真を見ているだけでも面白かった。今では考えられないが、セダンやクーペに加えてワゴンやハッチバックもあったし、エンジンだって4気筒から6気筒、さらにNAからターボまでなんでもござれ。いやはや、良い時代でしたね。
今回、本誌の執筆のためにV37スカイラインのマイナーチェンジに関する資料をもらい、3グレードの試乗をするにつれ、久々にその頃の記憶が蘇ってきた。プロパイロット2.0の搭載や「400R」の登場は、時代の先端を睨みつつ、その一方でスポーツ性も忘れはしないアノ頃のスカイラインが戻ってきたと感じずにはいられなかったからだろう。こんなに心躍る試乗もクルマも久々だ。
国産車初のハンズオフ運転を可能にしたプロパイロット2.0
センターコンソールにあるスイッチで、ドライブモードを変更できる。エンジン、トランスミッション、ステアリングを始め、エンジンサウンドまでモードに応じて切り替わるほか、パーソナルモードでは最大で336通りの走りから好みの仕様をチョイスできる。
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