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実はレプリカの始原マシン!「RG250ガンマ」が絶大な人気を誇った背景|スズキ

  • 2019/09/10
  • MotorFan編集部
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80年代初頭、日本の若者の度肝を抜いた「RG250 ガンマ」

現在、もっともレーシーなバイクはなにかと言われれば、1000ccクラスのスーパースポーツが挙げられるだろう。しかしそのルーツをたどれば、80年代の日本の市場に行き着く。WGP等で活躍していた、レーサーを模した250ccクラスの「レーサーレプリカ」が、それである。今回はレーサーレプリカの始原と言われる、RG250ガンマを詳しく見ていこう。PHOTO:渡辺昌彦(WATANAVE Masahiko)

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レプリカの原初、1型ガンマ

意外にマイナーな2型ガンマ

エンジン、デザインともに大幅進化した3型

狙い目は3、4型。いまが駆け込みの最後のチャンス?

こちらは1983年発売のRZ250R。赤く塗られたワイドフレームがレーサーのレプリカである証であり、外装にまだロードスポーツの名残があった。
 80年代当時の日本は、折からのWGP500、TT- F1、F3ブームに端を発したレーサーレプリカブームが勃興していた。今回紹介するスズキのRG250ガンマ以前にも、レーサーと同様のエンジン形式やフレームを持ったマシンは存在したが、いわゆる見た目(カウリング等)から徹底してレーサーを模したマシンは、当時の日本のカウリングに対する規制もあり、なかなか実現しなかった。

 しかし、1983年に登場したRG250ガンマが「外観デザインを徹底してレーサーに近づけた」ことによって、その後約10年に渡るレーサーレプリカ・ブームが巻き起こったのである。ガンマは、外装デザインはもとより、のち自主規制値となったエンジンの動力性能上限を実現していたことや、レプリカの要件であるフルカウリング(アンダーはオプションだったが)、アルミフレームや軽量合金製ステップ、セパハン、タコメーターを中央に配したレーシーな3連メーターといった、後世のレプリカが備えるべき「定義」をも確立した、歴史的マシンなのである。

 だが、そんな歴史的価値あるマシンであるにもかかわらず、意外にもその変遷に関して知られていないことが多い。今回は、そんな伝説的マシンであるRG250ガンマについておさらいしたい。

 RG250ガンマは、83年の1型から毎年モデルチェンジを繰り返し、最終的に1987年の5型まで発展、その後V型エンジンの採用した「RGV250ガンマ」にその進化をバトンタッチした。RG250ガンマに関しては、ここで紹介する、外装の大きく変わった1〜3型を押さえておけばいいだろう。

レプリカの原初、1型ガンマ

オーナー:山田 稜さん

タコメーターは3000回展以下の表示なし
1983 
RG250ガンマ(GJ21A)
●エンジン:水冷2スト並列2気筒●45ps/8500rpm 3.8kg-m/8000rpm●乾燥重量:131kg

 80年に登場したRZ250やその対抗馬として出現したVT250Fのヒットに対し、250ccクラスで後塵を拝したスズキが、GPレーサーのデザインを「そのまま」市販車に取り込んだのがこのRG250ガンマだ(アンダーカウルとシングルシートカウルはオプション)。スズキ伝統の青グラフィックや、カウルの横に大きく描かれたメーカーロゴなどはレーサーからのインスパイアで、従前の250ccスポーツでは想像できないものだった。さらに衝撃的だったのは、市販車で世界初の「アルミ製」の角パイプフレーム、AL- BOXフレームを採用していたことだ。完成度は高くはなかったが、「レーサーがそうだから採用した」という単純な理由は、当時の若者を熱狂させたのだった。中央に配置されたタコメーター(これまではスピードメーターが中央だった)は3000rpm以下を切り捨てていたし、ジュラルミンのステップも当時斬新だった。ちなみに、通称「やっこ凧」と呼ばれたテール形状は、ガンマ特有かというとそうではなく、この時代のトレンドの形状だった。乗り味は一言で言うとじゃじゃ馬。フレームは良く言えばハンドメイド感あるフィーリング、悪く言えば荒削りな仕上がりだった。16インチのクイックな挙動と7000rpm以上をキープしなければならないという、ライダー側がマシンに合わせなければならないこの過激なマシンは、峠にて、通称「ガンマ乗り」を生み出した。

意外にマイナーな2型ガンマ

オーナー:大塚元秀さん

デビュー二年目にしてリブ入りの新型フレームを採用
1984
RG250ガンマ(GJ21A)
●エンジン:水冷2スト並列2気筒●45ps/8500rpm 3.8kg-m/8000rpm●乾燥重量:128kg

 意外と知られていないのがこのGJ21Aの2型。初期型のカウルを全体的にスラント化。そのほかは特段変わったように見えないがさにあらず。フレームは初期型のAL−BOXから、段差の入った「マルチリブ・AL−BOX」に進化。剛性を確保しながら全体で5%の軽量化を達成している。エンジンは電子制御エアコントロールシステムを採用した新型キャブレターを装備(ただし経年変化によるトラブルも多かった)。ブレーキも対向キャリパーになったほか、フォークにはスタビライザーも採用。ゆえに、乗り味は1型とは別物だ。エンジンは5000rpmから実用に値するトルクを確保。ハンドリングや切り返しも軽く、剛性感も明らかにアップしている。先代では手探り状態でパーツを組み合わせた感があったが、2型はバランスに力を注いでおり、先代モデル同様、16インチガンマが持つ「ツッコミ勝負で、ロール時間をいかに短くするか」という独特のコーナリングを意識した乗り方が求められる。具体的には自然に内向するフロントに荷重せず、積極的にリヤに荷重しコーナーでさっと向き変え加速するという現在のフロント荷重のバイクにない乗り方ではあるが、これ体得したときの醍醐味ともいえるものが、この2型ではひしひしと感じられるのだ。

エンジン、デザインともに大幅進化した3型

オーナー:宮木唯男さん

初期型の荒削りなメーターから、インテリジェンスな雰囲気を醸したメーターデザインに変更
1985
RG250ガンマ(GJ21B)
●エンジン:水冷2スト並列2気筒●45ps/8500rpm 3.8kg-m/8000rpm●乾燥重量:130kg

 形式がBとなった3型では、サイレンサーまでフルカバードされたエアロフォルムを採用。初期型が持っていた荒削りな印象が鳴りを潜めた。タンク形状、テールも変更し、外観はまったく別物の外観に仕上がっている。フレームは2型からさらに改良され、ステアリングヘッドやスイングアームピボット部にはアルミキャスティングを採用。フレーム全体での剛性を見直している。リヤサスはE-フルフローターサスペンション。イニシャル調整機構を採用したフロントフォークとともに、足まわりもグレードアップしている。特筆すべきはエンジンで、現代的な排気デバイス「SAEC」を新たに装備した。ガンマエンジンの元は、1965年発売の同社のT20という空冷ツインがベース。そこに「やっと」電子デバイスが追加されたわけだ。排気ポート上部にサブチャンバーを追加し、円筒形のバルブにて開閉を制御、特に中低速域での扱いやすさが向上した。乗り味は、1〜2型が目指したクイックなコーナリングが完全に体現されている。翌年の4型と合わせ、初期型が目指したガンマの真骨頂がこのモデルで現出しているのだ。

狙い目は3、4型。いまが駆け込みの最後のチャンス?

上は4型のカタログ表紙。最終型となる5型は足まわりを変更。中空スポークの3本リムホイールを採用、さらにリヤサイズを17インチとしている。
 のちガンマは3型のマイナーチェンジである1986年型の4型を経て、1987年の5型では足まわりを変更。フロントフォークインナー、ブレーキローターの大径化のほか、リヤホイールを18インチから、ワイドリムの17インチを採用、キャスターもそれ合わせ変更されている。基本的なデザインはどちらも3型と変わらない。

 もしガンマを今から買おうとしている御仁がいるなら、3型もしくは3型から小変更(メータースイッチなど)のみで販売された4型がおすすめだ。最もよく売れた1型はまだまだ探せば上物の個体に出会えるが、いかんせん35年以上の前の車体であり、トラブルが隠れていることも多いようだ。また、足まわりを変更した最終型の5型は、少々フレームとのバランスを崩してしまっているのが惜しい。細めのF16、R18インチリム前提で作られたガンマである。それが独自の乗り味を体現していたのだが、最終型はリヤを17インチにし、足だけアップデートしたようなミスマッチ感があるのだ。もちろん動力性能は申し分ないので、逆にリヤタイヤの選択に困らないというメリットはあるだろう。

 V型ガンマに移行する前の、原初的な2ストエンジンの快感が味わえるRG250ガンマ。上物は年式に関わらず60万円以上だが、それでもNSRに比べれば安い。状態のいいタマから順になくなっていくので、ほしいと思ったら即行動するのがいいだろう。

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