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マツダ3のMazda SKYACTIV-Xエンジンの日本仕様のスペックを読み解く:燃費は? パワーは? BMEPは?

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いよいよ日本でも販売が始まるSKYACTIV-Xエンジン。まずはマツダ3に搭載されての登場だ。欧州仕様と比べてどこが違うのか? 燃費はどうなのか?

欧州仕様と日本仕様は違うのか?

 いよいよ日本の道をSKYACTIV-Xエンジンが走り始める。最初に載せるのはマツダ3である。試乗レポートについては当サイトでも掲載している。

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 さて、この日本仕様のSKYACTIV-Xについてさまざまな角度から見ていこう。SKYACTIV-Xの技術解説は、こちらをご覧ください。

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SKYACTIV-Xエンジン

 日本仕様(マツダ3)のSKYACTIV-Xの仕様はこうだ。

SKYACTIV-X
エンジン形式:2.0ℓ直列4気筒DOHCスーパーチャージャー+Mild Hybrid
エンジン型式:HF-VPH型
排気量:1997cc
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
圧縮比:15.0
最高出力:180ps(132kW)/6000rpm
最大トルク:224Nm/3000rpm
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:プレミアム

モーター
MK型交流同期モーター
最高出力:4.8ps/1000rpm
最大トルク:61Nm/100rpm


 である。このスペックで欧州仕様と違うのは

圧縮比:15.0(16.3)
使用燃料:プレミアム(95RON)
 である。(  )が欧州仕様の数値。

 使用燃料は
欧州仕様:RON(オクタン価)95
日本仕様:無鉛プレミアムガソリン
 となっている。日本の無鉛プレミアムガソリンの規定はRON96以上。通常流通しているプレミアムガソリンはRON100だ。つまり、日本仕様の方がオクタン価の高いノッキングがしにくい燃料を使えるわけだ。

 オクタン価が高い燃料が使えるということは、圧縮比が上げられることを意味するが、圧縮比は欧州仕様の16.3から15.0へ下げられた。

 これはどういうことだ?

 日本仕様のスペックシートには、「無鉛プレミアムガソリンが給油できない場合、無鉛レギュラーガソリンも使用できますが、エンジン出力低下などの現象が発生します」と書いてある。

 つまり、日本仕様のSKYACTIV-Xは、レギュラーガソリン(JIS規格ではRON89以上。通常流通しているのはRON90以上)を入れても問題なく回せるようになっているのだ。

 そのための「圧縮比15.0」なのだろう。

高応答エアサプライはスーパーチャージャーを使う
 レギュラーガソリンの標準発熱量は33.31MJ(メガジュール)
 プレミアムガソリンの標準発熱量は33.75MJ
 だから、ほとんど変わらない。問題は圧縮比が下がると効率がその分下がることだ。

 ところが、欧州仕様と日本仕様は
最高出力:180ps(132kW)/6000rpm
最大トルク:224Nm/3000rpm
 で変わらない。

 圧縮比16.3→15.0の低下分を日本仕様は別で補ったわけだ。SKYACTIV-Xはまったく新しいエンジンだ。持っているポテンシャルのすべてを製品に反映しているわけではないだろう。「安全運転」で余裕を持ったスペックだと考えていい。

 そう考えると、圧縮比が下がってもパワー/トルクが変わらない、ということは、持っているポテンシャルは180ps/224Nm以上だということだ。

 SKYACTIV-Xエンジンの燃料噴射圧は70MPa(700bar)とガソリンエンジンとしては常識外れに高い。通常の直噴ターボエンジンで20MPa程度。最新の高圧噴射エンジンでも35MPa程度だから70MPaというのが、いかに高い噴射圧なのかわかるだろう。

マレリ製ガソリン高圧インジェクター。100MPa(1000bar)まで圧力を高められるという

 ちなみに、SKYACTIV-Xの高圧インジェクターはマレリ製だと推測する(メーカー非公表)。マレリはカルソニックカンセイと伊・マニエッティ・マレリ社が経営統合して生まれた会社。このインジェクターは旧マニエッティ・マレリの技術だろう。

 インジェクター自体の性能は100MPa(つまり1000bar!)だというから、ここにもSKYACTIV-Xの性能アップの余裕が隠されているのかもしれない。

マツダ3のSKYACTIV-Xエンジンは、ボンネットを開けるとこうなっている
エンジン自体がカププセル化されている。エンジンを吸音材で囲むことで、エンジン音の聞かせたい周波数を際立たせる気持ちの良いサウンドに仕立てている

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