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〈試乗記:新型ダイハツ・タントカスタムRS〉DNGAの高い潜在能力を感じさせるハンドリングとシートの一体感。だがパワートレインと快適性、ADASの制御には今後の洗練を期待

  • 2019/12/30
  • 遠藤正賢
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ダイハツ・タントカスタムRS

ダイハツの最量販車種へと成長した、左側Bピラーレスボディが特徴の超背高軽ワゴン「タント」が2019年7月、車種横断的な一括開発企画の手法を採り入れるとともにパワートレインを含むすべてのプラットフォーム構成要素を刷新する「DNGA」(Daihatsu New Global Architecture)を初採用する四代目へと世代交代した。その最上級グレード「カスタムRS」FF車に乗り、東京都内および神奈川県内の市街地を中心としつつ、首都高速道路も交えて3日間試乗した。

REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢、ダイハツ工業

軽自動車とそのユーザーを知り尽くしているがゆえの割り切りを随所に感じさせる

 登録車のミニバンがそうなったように、軽自動車も今や、背の高い1BOXタイプが主役の座に就いている。

 全国軽自動車協会連合会が発表した2018年4月~2019年3月の「軽四輪車通称名別新車販売確報」によれば、ホンダN-BOXが23万9706台で1位、スズキ・スペーシアが15万8397台で2位、そしてダイハツ・タントが14万2550台で3位と、トップ3を超背高軽ワゴンが独占。

 4位にも日産デイズ(ただしデイズ(軽ワゴン)とデイズルークス(超背高軽ワゴン)の合算)が付けており、かつて首位を争っていた軽ワゴンのスズキ・ワゴンRとダイハツ・ムーヴはそれぞれ10万2553台で7位、13万2320台で5位という状況だ。

【新型ダイハツ・タントカスタムRS】全長×全幅×全高:3395×1475×1755mm ホイールベース:2460mm

 だからこそ、新型タントにいち早くDNGAが採り入れられ、最新技術が満載されるのは必然と言える。しかしながら、変わったのはメカニズムだけではない……というのが、タントカスタムRSの実車を見た時の第一印象だ。

 軽自動車では「カスタム」とサブネームが付くことが多いエアロ系モデルは1BOXミニバンのそれと同様、装飾過多で威圧感に満ちたデザインのものが多いのだが、それらは要素が少なくシンプルで美しく整ったデザインを至上とする私の評価基準と真っ向から対立する。そしてダイハツの軽自動車は、そんな「カスタム」のパイオニアにして最右翼だった。

 しかし新型タントカスタムのエクステリアデザインは、そうした従来の「カスタム」とは明らかに一線を画している。今回試乗した車両のボディカラーがシャイニングホワイトパール(正確にはブラックマイカメタリックとの2トーン)だったこともあり、実車は写真で見る以上にモダンで穏やかなものに見受けられた。

黒とグレーを多用した新型タントカスタムRSの運転席まわり

 インテリアもメッキ類やシルバー塗装、ピアノブラックなどの加飾パネルが減り、よりシンプルな仕立てへとシフトしているが、こちらは必ずしも上手くいっていない。黒とグレーの樹脂パネルが素材感剥き出しのまま室内を埋め尽くしており、ただただ暗く安っぽいのだ。

 それは、コンパクトカーすら凌ぐほどの質感あるいは明るい雰囲気を軽自動車に与えている競合他社とは正反対の、明確な割り切りを感じさせるものであり、長く乗るにつれて気分まで暗く貧しいものに沈んでいくことを予感させた。

新型タント標準仕様の運転席まわり

 こうした見た目に関してはやはり、標準仕様の方が好印象。素材の安っぽさは拭えていないものの、明るい色使いでそうした割り切りをむしろ潔いものとポジティブに捉えられるものになっている。

新型タント標準仕様のエクステリア
初代タント標準仕様のエクステリア

 なおエクステリアも、単にシンプルなだけではなく、初代タントのモダンさに回帰しつつも進化したような仕上がり。超背高軽ワゴンの中ではトップクラスの秀逸なデザインと、私には感じられた。

1490mmもの開口幅を確保した「ミラクルオープンドア」。ステップ高は359mm。写真は運転席を最後端、助手席を最前端にスライドさせた状態

 そして車内に乗り込むと、その初めの一歩からDNGAの恩恵を少なからず体感できる。フロア高が16mm下げられたうえ、サイドシルとの段差もほぼゼロに抑えられているうえ、1755mm(FF車。4WD車は1775mm)の全高を利して1370mmの室内高が確保されているため、乗り降りはBピラーのない助手席側の「ミラクルオープンドア」をフル活用せずとも極めて容易だ。

 確かに特段の事情がない男性ならば、これほどの全高と室内高、乗り降りのしやすさは必要ないだろう。だがこれは、子供をチャイルドシートに座らせたり下ろしたりしなければならない主婦や、足腰の不自由なお年寄りには、必要不可欠なものだ。

 さらに新型タントには、助手席380mm、運転席540mmのロングスライド機構もある。ダイハツはこれによって、運転席から後席にいる子供へ手が届きやすくなるとともに、助手席側からも安全に乗り降りできることをメリットとして掲げているが、助手席を最前端までスライドすれば送迎される乗員は足を伸ばして移動でき、運転席を最後端までスライドすればドライバーが極めて快適に仮眠を取れるだろう。

座面高が上がりクッションの厚みが増したため後席の掛け心地も良好。ヘッドクリアランスは約20cm、ニークリアランスは約10~50cm
カスタムRSおよびX系グレードの前席にはベンチシートが装着されるが、ホールド性はセパレートシートと遜色ないほどのレベル
後席背もたれはワンタッチで格納可能に。ただしその際の荷室床面は凹凸があり傾斜も強め
バックドアは先代に続き樹脂製で、極めて軽量なため開閉が容易。荷室フロア高は580mm

 だが、そうした特別な機能を用いずとも快適に過ごせるだけのシートに、新型タントは前後席とも進化している。身長176cm・座高90cmの筆者にはやや小ぶりであるものの、身体を面で支えるよう骨格・クッション・サイズ・ヒップポイントなどが見直され、かつプラットフォームの刷新に伴いシートを支えるフロア骨格の剛性も高められたため、フィット感は極めて良好。身長170cm以下の人であれば、まず不満を抱くことはないはずだ。

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