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「新車効果」という言葉から最も無縁なクルマはコレ! 女性比率62%、MT比率48%、デビュー12年目で販売台数最高記録……フィアット500&アバルト595の人気は異例なことだらけ!

  • 2020/01/16
  • MotorFan編集部 小泉 建治
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フィアットのブランド全体における購入者の女性比率は、2018年には62%に達した。

2019年、過去最高の2万4666台を販売したFCAジャパン。そのなかでも存在感が際立つのがフィアット500シリーズだ。デビューして12年が経つにもかかわらず、今なおその勢いが衰えない……どころか、年を追う毎に販売台数を伸ばし、19年にはデビューした08年の3倍近いセールスを記録したのだ! このクルマには新車効果という言葉が通用しないのか? 謎を解くカギは、異様に高い女性比率やMT比率にありそうだ。

強烈な個性と親しみやすさが共存する稀有な存在

 フィアット500シリーズの人気が凄い。編集部のある都内では、街中を歩いていて500を見ない日はない。週末に関東近郊にドライブに出かけても同様である。MINIと並ぶプレミアム・コンパクトカーとしての地位を、この日本においても完全に確立したと言っていい。

 しかしこの500シリーズ、デビュー以来の売れ行きの推移があまりに特殊なのだ。とりあえず、下のグラフをご覧いただきたい。

 デビューした2008年の販売台数が2495台なのに対し、19年には6970台と、実に2.8倍にも伸張しているのだ。念のために断っておくが、上の表は累計販売台数ではない。だが、まるで累計値に見えてしまうほど見事な右肩上がりっぷりである。

 念のために500シリーズをベースとするアバルト595系の数字も見てみよう。

 こちらもご覧の通り。09年に導入され、初年度に518台を販売。しかし最も売れたのは17年の3264台で、19年も2955台が販売された。

 ちなみに前述の500シリーズ全体の販売台数には、このアバルト595系も含まれている。

 それにしても、シリーズ全体でデビュー初年度よりも12年目の方が3倍近く売れているとはどういうことか? 500シリーズは08年に日本市場に導入されて以来、フルモデルチェンジは受けていない。マイナーチェンジや細かなアップデートだけで長いモデルライフを紡いできた。通常、最も台数が出るのはデビュー初年度、もしくは2年目だ。最初の年は人気の高さに対して供給が追いつかず、デリバリーが軌道に乗る2年目に最も売れる、というのが輸入車によく見受けられるパターンだ。

フィアットの2019年の成功について、さまざまなデータを用いて説明するFCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長。

 ここにフィアット500シリーズにまつわる面白いデータがある。

 まずはフィアットというブランド全体における購入者の女性比率だ。05年には15%だった女性比率が、18年にはなんと62%にまで伸びているのだ。フィアット全体とはいえ、販売台数のほとんどを500が占めているゆえ、500というモデルそのものの特徴と見ても間違いではないだろう。ちなみにここにはアバルトは含まれていない。

 次に、これもフィアット全体の話だが、国産車からの乗り換えが52%を占めている。これも日本の輸入車市場ではかなり高い。

 そしてアバルトに目を向けると、なんとMT(マニュアルトランスミッション)比率が48%(!)にものぼるという。日本市場全体では1〜2%であることを考えれば、これは尋常ではない高さと言うほかない。

アバルトは595系と124スパイダーの二本立てで好調さを堅持。その驚異的なMT比率に表れている通り、際立つキャラクターがマーケットで着実に認知されている。

 このことから推測できるのは、他ブランドと比べてフィアット&アバルトはかなり強烈なキャラクターを持っていて、それがしっかりマーケットに認知されているということだ。それでいて、フィアット&アバルトはイメージ的にも価格的にも親しみやすい。国産車からの乗り換えにも敷居は低く、「個性」と「親しみやすさ」が見事に両立されているということではないか。だから新車効果に頼らず、むしろ長く売られ続けることによって「街中や各メディアで見かける」→「気になる」→「調べる」→「意外と買えそう?」→「購入!」→「ほかの誰かに見られる」という好循環が生まれやすいのかもしれない。

 FCAジャパンでは、このフィアットとアバルトにアルファロメオとジープも含め、2020年に4ブランドで45モデルもの限定車を投入する予定だという。つまり、ほぼ毎週のように限定車が出るということになる。右肩上がりの成長によって手応えを掴んでいるだけに、自信をもって攻めの姿勢に出られるということだろう。どんな魅力的なモデルが登場するのか、そしてどれだけセールスを伸ばすのか、目が離せない存在になりそうだ。

 

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