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1960年代末のライダーの気持ちになって、ホンダCB750フォアに接してみた。|旧車探訪記①の2

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既存のツイン勢とは一線を画する、圧倒的なスムーズさとパワフルさ

ライディングポジション(身長182cm)

1972 CB750フォアK2  ディティール解説

主要諸元

ライター:中村友彦

1972 CB750フォアK2  ディティール解説

メッキ仕上げのハンドルバーは、当時の大排気量車の定番だった大アップタイプ。スロットルワイヤが強制開閉式になったのは1970年のK1から。トップブリッジ上の警告灯は、K0/K1ではメーター内に設置されていた。
日本電装のメーターはシンプルなセパレート式。スピードメーターの80km/h以上の目盛りが赤になっているのは、国内仕様ならではの特徴だ。タコメーターのレッドゾーンは、K0:8500rpm、K1以降:8000rpm~。
C70/CB92のドクロタンクやCB450K0のクジラタンクなど、1960年代中盤以前のホンダ車は斬新な形状のガソリンタンクを採用することが多かったものの、CB750フォアは北米市場の定番だったティアドロップ型を採用。
ダブルシートは初代K0の時点で数回の仕様変更が行われ、以後に登場したK1、K2、K4でも改良を実施。K0/K1では右側のみが標準装備だったアシストグリップが、左右一体型のグラブバーに変更されたのはK2から。
右側サイドカバー内にはドライサンプ用のオイルタンクが収まる。現行車で同様の構成を採用するのはハーレーくらいだが、かつてのブリティシュツイン勢はほとんどがドライサンプで、カワサキW1シリーズも同様だった。
1960年代の世界GPを席捲したRCレーサーではDOHCヘッドを標準としたホンダだが、CB750フォアは全高を抑えるため、SOHCヘッドを採用。キックアームの折りたたみ方には、左右幅に対するこだわりが感じられる。
ドライサンプの潤滑方式は全高、61×63mmというボア×ストロークは左右幅を抑えることを重視して選択。当初のクランクケースは砂型鋳造で製作されていたが、量産性を考慮した結果、K0の後期から金型鋳造に変更。
ピストンバルブ式のキャブレターはケーヒンPW28。K0は1本のワイヤが途中で4本に分岐するディバイダー式だったものの、発売後に“操作が重い”という意見が数多く寄せられたため、K1からはリンク式に刷新された。
フロントブレーキはホンダ初にして量産車初の油圧式ディスク。当時の2輪業界では、絶対的な制動力はドラムのほうが有利と言われていたのだが、新しいモノ好きの本田宗一郎の意見を取り入れる形で、ディスクの採用が決定した。
ロッド作動のリアブレーキは、CB450と同じφ180mmドラム。ホイールサイズは以後に登場する日本製大排気量車のほとんどが追随した、フロント:1.85×19/リア:2.15×18。スイングアームは当時としては珍しい角型だった。
後に登場したカワサキZ1/2やスズキGS750のドライブチェーンが630だったのに対して、CB750フォアは530を採用。マフラーは大別すると、極初期の無番、K0/K1のHM300、消音対策が施されたHM341の3種が存在。

主要諸元

エンジン:空冷4サイクル並列4気筒 SOHC2バルブ
ボア×ストローク:61×63mm
総排気量:736cc
圧縮比:9.0:1
燃料供給装置:ケーヒンPW28 
点火方式:バッテリー 
始動方式:セル&キック併用式 

最高出力:67ps/8000rpm
最大トルク:6.1kg-m/7000rpm
変速機:5段リターン式 
クラッチ:湿式多板コイルスプリング式・ワイヤ作動

全長×全幅×全高:2160×885×1155mm
乾燥重量218kg
ホイールベース:1455mm
キャスター:27°
トレール:85mm 
フロントタイヤ: 3.25-19
リアタイヤ:4.00-18 乾燥重量218kg
ガソリンタンク容量:19L
オイルタンク容量:3.5L

ライター:中村友彦

これまでに10台以上のCB750フォアを試乗している、2輪雑誌業界23年目のフリーランス。若い頃から旧車は大好きで、現在は1974年型モトグッツィV850GTと1976年型ノートンコマンド850を愛用。かつては1974年型トライアンフT140ボンネビルや、1979年型カワサキZ1000MkⅡなどを所有していた。

量産初の並列4気筒車となった、ホンダCB750フォアを知る。|旧車探訪記①-1

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