Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • Motor-Fan[モーターファン]
  • モーターファンテック
  1. TOP
  2. バイク
  3. ニューモデル

KTM790DUKE試乗レポ|790ccと言えども、油断ならぬ。その太いトルクと鋭いレスポンスが素直に嬉しい。

このエントリーをはてなブックマークに追加

最近は800ccクラスのスポーツネイキッドが元気だ。「使い切れないリッターバイクより、これくらいの排気量の方が車体も軽いしエンジンも使い切れていいじゃん」って世の中の流れが変わってきたからである。KTMの790もそんな時代の流れに合わせて登場してきたマシンだ。

REPORT●後藤武
PHOTO●山田俊輔

目次開く

KTM 790DUKE……1,190,700 円

元気いっぱいな790ツインエンジン

ワインディングやサーキットで本領発揮

足つきチェック

ディテール解説

主要諸元

KTM 790DUKE……1,190,700 円

 この800ccクラス、人気になりつつあるだけに強力なライバルも多いのだが、そんな中でも790デュークはかなり刺激的。サーキットに持っていっても相当に楽しめるマシンになっている。

 本当なら筑波サーキットあたりでガンガンに攻め込んでみたいのだけれど、今回編集部からのオーダーは、あくまでもストリートでのインプレ。しかも市街地がメインだという。「どのくらいフラストレーション溜めないで走ることが出来るんだろうか」というのが試乗前に考えたこと。

元気いっぱいな790ツインエンジン

 案の定、エンジンを始動してみれば、素晴らしいレスポンスで吹け上がる。クラッチをつないでスロットルを開ければ軽やかに……というよりもドンと飛び出していく。散歩に行きたくてしかたない大型犬が突然走り出したような感じだ。
 このエンジン、何しろ中速トルクが太い。マルチのように回転が上がってくるのを待たなきゃいけないようなもどかしさがなく、普通に走っているところからでもシフトダウンなどせずにスロットルを開ければ、即パワーバンドという感じで加速していく。その結果、ストリートを軽く流しているつもりなのに元気いっぱいで走ることになってしまう。
 全開にし続ければ頭打ちが来てしまうけれど、「これ以上はストリートじゃ無理」というあたりでちょうどレブリミットに到達するから、逆にちょうど良い感じ。ストリートをキビキビ走りたいライダーにとってはある意味理想的な性格なのである。

 こんな性格だから、ノンビリ走ろうとすると、どうも落ち着かない。フライホイールマスも少なくて、低回転で走ろうとするとギクシャクしてしまう。パワーモードをレインに切り替えれば、トルクの太さはそのまま、レスポンスが穏やかになって、ずいぶん乗りやすくなるのだけれど、それが面白いかと聞かれたら別問題。暴れん坊を無理やり大人しくさせているようなもので、本来の楽しさはない。
 良くできているなあ、と思ったのがシフター。ノンビリ走っていても元気に走っていても気持ちよくシフトアップ・ダウンができる。2000rpmぐらいの低回転でも気持ちよくスコンという感じで変速できるから、回転数などでかなり細かく制御されているのだろう。ミッションのタッチも軽くて節度があり、シフトペダル操作が楽しくなるようなフィーリングだ。

ワインディングやサーキットで本領発揮

 このバイクを思い切り楽しみたいのであればワインディング、できることならサーキットに持ち込むべきだろう。このバイクの特性なら日本各地にある小さめのサーキットでも十分に楽しむことができるはずである。
「ストリートしか走らないし、そんなに飛ばしたりしませんよ」っていうライダーには790デュークを積極的にオススメしようとは思わない。でも「まだビギナーだけどライディングを楽しみたい」というのであれば話は別。最初はモードセレクターで乗りやすくして慣れていけばいい。このバイクの機敏さや節度のある操作系のフィーリングは、ペースを上げなくても楽しむことができる。そうやって少しずつテクニックを磨きながらスポーツライディングを楽しむことができるだろう。

足つきチェック

おすすめのバックナンバー

バイク|令和元年(2019年)のトピックおさらい!

バイク|令和元年(2019年)のトピックおさらい! 一覧へ

解決します! 交通ルールの素朴なギモン

解決します! 交通ルールの素朴なギモン 一覧へ

3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説 一覧へ