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マツダがフェイスシールドフレームの供給を開始 広島県内の産官が連携し新型コロナウイルス感染症対策へ

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マツダ製フェイスシールドフレームにシールドを装着した状態。開発期間は1ヶ月、金型製作から製造スタートまでは1週間という急遽の開発ながら、アイデア満載。例えば、頭が小さくゆるい場合にはつるの後部左右にゴムなどをかけて固定することもできる。

新型コロナウイルスの感染対策として、医療現場で不足する消耗品を異業種の企業が手がけることが注目されているが、新たにマツダもフェイスシールドフレームの生産、供給を開始した。広島の産官が連携した取り組みとして注目される。

チームヒロシマでの取り組み

 マツダは、新型コロナウイルス感染者治療の医療現場に、フェイスシールドの供給を決定した。この活動は、広島県より依頼を受け、株式会社ジェイ・エム・エス(広島市) と株式会社石井表記(福山市)と連携して実現したもの。
 ジェイ・エム・エスは医療機器、医薬品製造販売事業者として、シールドフィルムの販売協力を行なう。石井表記は、シールドフィルムの製造を担当した。この石井表記はプリント基板製造装置等のメーカーであるが、アクセラやCX-5のマツダコネクトのシールド部分を生産しているという経緯を持つメーカーだ。
 マツダでは、2020年5月25日にフェイスシールドフレームの生産を開始し、26日から順次納入。この製品は石井表記が生産するシールドフィルムと組み合わせたもので、初回分として3000個を広島県を通じて、地域の医療機関に納入される。
 加えて、マツダとその関連会社でも、ソーシャル・ディスタンスの確保が困難な職場では、このフェイスシールドを活用するという。

マツダと石井表記による独自開発。フレームとシールドだけにすることで、部品欠落の心配もない。安全・安心のアイデアも多数。
 この製品の特徴は、医療現場や自動車の製造現場など様々な業務に従事される人々が、長時間負担なく着用できることを前提に開発された。 
 素材としては自動車のバンパーに使用するポリプロピレンを使用し、耐久性とフィット感を実現。また、後頭部をゴムなどで固定できる仕様とし、ユーザーによって装着いちが異なることから装着感を微調整できる構造としている。また石井表記が生産担当をしたシールドフィルム部分は、細かな作業時にもストレスなく利用できるよう、高い透明度でクリアな視界が実現されているという。
 実際の製造については、射出成形の製造ラインを利用するのではなく、開発、実験用の機械を利用するもの。通常であれば、バンパーなど実際の製造工程を事前に完全再現できる最新鋭の設備であるという。
 使用にあたっては、シールドを使い捨てとすることもあり、フレームとシールドの組み立ては病院で行なわれる。また、当初はシールドとの接合にステープラーも検討されたが、締結部が飛散する可能性もあることから別部品とはぜず、シールドをフレームにはめ込む形状を採用。
 また、アフターコロナでの利用も想定されており、作業性の高いものとすることも考慮された。そのため、夏の暑い現場でも使える形状を検討。さらに、工場では帽子をかぶったままでも使用できる構造も実現している。
 こちらの製品は、病院への納品とマツダの工場(本社、防府、メキシコなど)や関連企業での使用を予定している。

左)射出成形の工程。一度に1分で2個の製造ができる。上)その後、射出成形で残ってしまう、余計な部分を切り取り、磨く。そして写真のように埃の入らない部屋で一つひとつを目視しながら、アルコール洗浄、殺菌される。射出成形以降は、全て手作業となる。1日に900個まで生産できるという。

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