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ノスタルジックでイイ感じ。 BMWのカフェレーサーってどうなの?|R NineT Race試乗レポ

  • 2020/05/27
  • 佐藤恭央
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R nineT(アールナインティー)の派生であるR nineTレーサー。大型ロケットカウルにセパハン、シングルシートといったカフェレーサーテイストな装備を身に纏い、1970年代のレースマシンを彷彿とさせる。ベースマシンのR nineTとは足周りやポジションも異なり、乗り味は全くの別モノに!? 現代では新鮮に映るレトロスタイルのマシンの試乗は、多くの人から視線を浴びる良き思い出となりました(笑)。

REPORT●川越 憲(KAWAGOE Ken)
PHOTO&EDIT●佐藤恭央(SATO Yasuo)

目次開く

BMW・R NineT Racer……1,930,000 円〜

スポーティな見た目に相応しい強烈ポジション!

まるで往年のレーサー気分! 妥協のないポジショニングは本物の証

見た目はハード、中身はもっとハード!? コーナリングがメチャ楽しい

カフェレーサーを駆る、ステキな大人の休日!

●足つきチェック(ライダー身長182cm)

●ディテール解説

■主要諸元■

【排気量1169cc】BMW・R nineTは肩肘張らず、ラフに乗れる大人のバイクである。

様々なメーカーからリリースして人気を博しているヘリテージスタイル。2013年にBMWが打ち出したR nineTは、これぞ「モーター...

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スポーティな見た目に相応しい強烈ポジション!

 そのカッコよさから、行き違うライダーのみならず一般の通行人からも興味を抱いていることがひしひしと伝わってきた。
 以前にR nimeTに試乗した際もあらゆる方向から視線を感じたものだが、今回試乗したR nimeTレーサーはそれ以上の注目度だ! 白ベースに青と赤を交えたBMWワークスレーサーを思わせるカラーリングだったこともあるが、なにしろ巨大なロケットカウルが目立つことこの上ない。ライダーに極端な前傾を強いるポジションもそうだ。信号待ちで、普通に座ってハンドルに手をかけているだけなのに、他者からは「シグナルグランプリでもするの!?」と勘違いされてしまう様相なのである。
 このR nimeTレーサーが発売されたのは2017年。デザインのモチーフは1970年代に活躍した往年のスーパーバイクレーサーR90Sだが、同時にポジションも当時のマシンを忠実に再現したというからハンパない。“Racer”の車名は伊達ではないのだ。

まるで往年のレーサー気分! 妥協のないポジショニングは本物の証

 スタンダード版のR nineTとはエンジンスペックは同じだが、R nineTの倒立フォークに対してR nineTレーサーは正立フォークを採用。フロントフォークを立ち気味にしたことに加え、、低くて遠いハンドル位置も相まって前傾の強い姿勢が強いられる。
ステップ位置もR nineTと比べてバック&アップされていることもあり、小柄な人だと燃料タンクにしがみつくようなライディングフォームになる。R nineTよりもさらに後方に着座するポジションになっていて、50代の身体には結構な負担がかかる(笑)。
 ハングオフ(ハングオン)といったライディングフォームが登場する以前のレーシングマシンは、タイヤのグリップも低く、エンジンのトルクも不足していた。そのため、リヤにできるだけ荷重をかけてトランクションを稼ぐため、リヤタイヤの上に座るようなポジションが主流だった。
 R nineTレーサーはエンジン、フレーム、タイヤも現代の性能を持っているので昔の乗り方をする必要は全くないのだが、車体の雰囲気だけでなく、当時のポジションを再現し、それを体感できるのがコンセプトの一つだと見ている。

見た目はハード、中身はもっとハード!? コーナリングがメチャ楽しい

 BMWは、快適性においても妥協なく追求してきたメーカーだ。その意味においてR nineTレーサーは異色の存在と思えた。ルックスだけでなく乗り味もハードテイストなのだ。ただ、共通するのは妥協がない点。見た目のハードさに輪をかけて、フレンドリー的なごまかしは一切ない。
 筆者は80年代のレーサーレプリカブームの影響を最も受けた世代なので、前傾姿勢は嫌いではない。いや、むしろ大好物である! TZRやNSRなど2ストレプリカを複数台所有しているほどだ。だが、このポジションは強烈だった。ステップ位置が後方の高い位置にあるため、シートの前側に座ろうとしてもそれを許さないのだ。
 1970年代当時のレーサーのポジションを再現しているそうだが、「当時のライダーはこれほど大変だったのか!」と一人唸ってしまった。しかし、前方に乗ることをあきらめて、ニーグリップを崩さず、自然なポジショニングに馴れるとこの姿勢や乗り方がだんだん楽しくなってきた!
 コーナー手前でしっかり減速し、リヤタイヤの上に乗るように体重移動して加速しながら車体を曲げていくと、押し出されるようなトルクも相まって、オオッ!と声が出てしまうほどコーナリングが快感に! フロントタイヤに荷重をかけて曲がる現代のスポーツバイクとは正反対な乗り方なのだが、R nineTレーサーだと安定感があり、安心してスロットルを開けられる。真っ直ぐ走っているよりコーナリングがラクに感じられるのがR nineTレーサーの味なのだろう。

カフェレーサーを駆る、ステキな大人の休日!

 そうかといって、ワインディングに繰り出さなければ楽しくない、というバイクではない。街中を流して走っているだけでも、R nineTレーサーの前傾ポジションは常にバイクに乗っている緊張感を忘れさせないので、近所のカフェまで走らせる使い方でもスポーツした充実感がある。また、ウエアをコーディネイトして出かければ、スタイリッシュな大人のライダーとしてアピールできる。コスプレというわけではないが、バイクとともに衣装や生活のスタイルを決定づける要素があるのは、テーマをしっかりと持っているバイクの特権だろう。

 なお、R nineTレーサーには、ABSの他に、後輪の空転を防ぐASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール)と呼ばれる電子制御が搭載されている。クラシックなモデルだからといって安全性に手を抜かないのもBMWならでは。
 残念なことに、本国では昨年の2019年7月生産分をもってR nineTレーサーの生産が終了となっている。わずか2年の短命に終わったが、今後も色褪せることがないプレミアムになるのは間違いない! 店頭在庫のみの販売なので新車を狙っている人はお早めに。

●足つきチェック(ライダー身長182cm)

車体がスリムなのでシート高805mm以上に足着きが良い。ただ、ハンドルのグリップ位置が遠く、シートとほぼ面一になるほど低いのでかなり前傾姿勢となる。ハンドルとバックステップの位置関係により、常にニーグリップをしつつ背筋で身体を支えないと腕に力が入りすぎる傾向にあるため慣れが必要だ。

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