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開発ストーリーダイジェスト:日産・シルビア「楽しさが周囲にも伝わってくるようなクルマをつくりたかった」

  • 2020/06/06
  • ニューモデル速報
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これまで数多くのクルマが世に送り出されてきたが、その1台1台に様々な苦労や葛藤があったはず。今回は「ニューモデル速報 第61弾 新型シルビアのすべて」から、開発時の苦労を振り返ってみよう。

昭和40年4月に発売された初代シルビア。斬新なスタイリングは当時、クリスブルックと呼ばれた。
 「シルビアは端的にいって若い人向けのものです。マーケット的には20代後半の独身世代になりますが、その狙いは今回も変わりません。大切なことは、乗った人間が素敵に見えてくることです。運転する人だけでなく、隣に乗った人も素敵に見えるようなクルマにしたいというのがコンセプトでした」

 そう語るのは、新型シルビアの開発総括責任者を務めた川村絋一郎だ。川村は開発にあたって、保管されていた初代シルビアを持ち込み、つくりや雰囲気をスタッフに示しながらスペシャルティカーの本質を考え直すことから始めたという。

 日産のスペシャルティ路線は、レパード→シルビア→RZ1→エクサといった系列だが、スタイリッシュさやカッコよさに対する狙いがボケているのではないか?という反省から、デザイナーに「日産という会社のイメージを背負って引っ張っていくくらいの商品をつくってみよう」と示し、自由にレンダリングを描くように依頼した。

 狙ったのは、自動車が生活の中に当たり前に存在している世代のセンスに応えられるクルマ。すなわち、遊び心を誘われるモダンで洒落たクルマだが、乗った時にはしっくりと身体を包み、温かみのあるインテリアだった。「ともかく乗って楽しいクルマであること、そしてその楽しさが周囲にも伝わってくるようなクルマをつくりたかったのです」と語った。

 スタイリングでは、街中では景色に溶け込んでいるものの、目を引く端正さを出すために「グラマラス・フェンダー」や「カプセル・リヤウインドウ」が考案された。

 しかし、シルビアで最も苦労したのは室内のムードづくりだったという。想定するユーザーはクルマに対して洗練された感覚を持っており、なまじな装飾で目を引こうとしても太刀打ちできない。なので、室内全体がまとまりのあるデザインで統一されていなくてはいけない。そのため、インパネは滑らかな曲線で継ぎ目をなくし、ゴチャゴチャした印象がなくスッキリさせた。また、スイッチ類も単に機能を果たせるだけでは物足りないだろうと考え、コストは掛かるがシルビアだけの新デザインが採用された。

新開発のマルチリンク式リヤサスペンションを採用し、FRの走りを磨き上げた。
 走行面ではFRの操縦性を満足させながら、しっとりとした乗り心地を確保するためにマルチリンク式のリヤサスが採用された。エンジンのバリエーションはターボ付きのCA18DETと自然吸気のCA18DEの2種類。俊敏で軽快なフィーリングを出す点でCA18系エンジンの吹け上がりの良さと軽量さが最適だったという。

 開発を進める段階で、ちょうどシルビアが想定している年代のスタッフの中から「これはたしかに自分たちのクルマだ」という意見も出た。それは、エクステリアとインテリアそして走行フィーリングなどが想定したものと合致していたことの証明であった。

Q’sに搭載するCA18DE型エンジン。最高出力は135ps、最大トルクは16.2kgm。
K’sに搭載するCA18DET型エンジン。最高出力は175ps、最大トルクは23.0kgm。

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