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VW T-クロス(T-Cross):選ぶ価値あり。トヨタ・ヤリスクロス、日産キックス参戦で激化必至のBセグSUVのベンチマークたり得る完成度

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 ボディサイズは小さいが室内が狭いわけではない。175cmのドライバー(標準的な体型)が運転席に座ったときの後席に同じ175cmの男性が座ると膝周りにこぶし1個分+アルファの余裕がある。アップライトに座らせるパッケージのおかげで大人4人が快適に過ごせる居住空間が確保されている。
 インテリアの質感は、決して高くない。が、気持ちいい活気が溢れている。ウキウキするような内装だ。デザインパッケージで使う色使いやデザインも、フランス車やイタリア車のような洗練さはないが、カジュアルな感じは悪くない。

アップライトに座らせるので、前席との余裕はかなりある。
シートの座り心地は平均レベルだと感じた。200km走っても腰は痛くならなかった。
ラゲッジルームは奥行き63cm、幅100cm、高さ70cmで455ℓ。6:4の分割可倒式のリヤシートを倒すと1281ℓまで容量は拡大できる。
パンク修理キット搭載でスペアタイヤレスだからスペアタイヤが収まるスペースも物入れに使える。ウェスなどの汚れ物はここへ。
気持ちはウキウキするけれど、このパネルは好みが分かれそう。
オレンジが効いているインテリア

 ここまでT-クロスの良いところを挙げてきた。では気になったところはどこか?
 まず乗り心地。市街地でも高速道路でも舗装が荒れる、あるいは道路の継ぎ目ではバタバタする。ちょっと気になった。それから7速DCTは、発進や微低速域ではややギクシャクする。これは乾式クラッチのDCTではもう不可避な症状なのだろう。湿式DCTだと気にならないが乾式だと気になる。伝達効率は乾式の方が高いから悩ましいところだ。湿式DCTなら伝達効率がアップしたトルコンATの方が扱いやすいし、ドライバビリティも高い。
 アイドルストップからの復帰もあまり上手ではない。とはいえ、すべての面でポロよりずっと洗練されていると感じた(ただし、現行ポロに乗ったのはポロがデビューした時だからいまはもっと良くなっているのかもしれない)。

 念のために書いておくと、T-クロスはFF(前輪駆動)で4WDの設定はない。BセグSUV/クロスオーバーに関しては、必ずしも4WDが求められているわけでない。多くのモデルがFFである。

パーキングブレーキはレバー(つまり機械式)。なんとなく古くさく感じてしまう。
キーは、なんとなく古くさい。

 100km/h巡航時のエンジン回転数は7速で2300rpmくらいで、現代の基準で言えば高めだが、静粛性もNV性能も高いから気にならない。
 燃費は、モード燃費が
WLTCモード燃費:16.9km/ℓ
 市街地モード 13.2km/ℓ
 郊外モード 17.1km/ℓ
 高速道路モード19.1km/ℓ
となっているが、これは実力通りの数値だろう。実際に高速道路を淡々と走ると20km/ℓくらい(高速+郊外路で19.1km/ℓだった)。200kmほど走った総合燃費は17.6km/ℓだったからとてもいい(ただし燃料はハイオク)。

燃費は17.6km/ℓをマーク。優秀だ。燃料はハイオク。
 200kmほど走っただけだから結論めいたことを言うのははばかられるが、「都会でSUV/クロスオーバーに乗るなら、Bセグのいいやつ」と思う気持ちは充分に理解できた。CセグSUVが価格的に買えないからBセグSUVを選ぶのではなく、積極的にBを選びたい。だから、デザイン性や走りも重視したい、というユーザーの潜在意識にVW T-クロスはばっちりミートする。
 自動車メーカー各社が、このカテゴリーに力を入れるのは、やはり量(台数)が期待できるのと、燃費(たとえば欧州のCO排出量295g/km規制)を考えてのことだろう。しかし、単なる燃費が良くてサイズがコンパクトなBセグSUV/クロスオーバーは競争を勝ち抜けない。このカテゴリーの「標準器」となりうる実力をT-クロスは持っていることを確認できた。
 冒頭、「SUVは好きじゃない」と書いたが、「BセグSUV/クロスオーバーならいいかも」とT-クロスは思わせてくれた。
 今後、トヨタ・ヤリスクロス、日産キックスなど続々ライバルが登場する。気になる方は、ぜひT-クロスに試乗してからにするといいと思う。現在、このクラスの「標準器」だから。

VW T-クロス 1st Plus
全長×全幅×全高:4115mm×1760mm×1580mm
ホイールベース:2550mm
車重:1270kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rトレーリングアーム式
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
エンジン型式:EA211
排気量:999cc
ボア×ストローク:74.5mm×76.4mm
圧縮比:10.5
最高出力:116ps(85kW)/5000-5500rpm
最大トルク:200Nm/2000-3500rpm
過給機:ターボチャージャー
使用燃料:プレミアム
燃料タンク容量:40ℓ

WLTCモード燃費:16.9km/ℓ
 市街地モード 13.2km/ℓ
 郊外モード 17.1km/ℓ
 高速道路モード19.1km/ℓ
車両価格○339万9000円

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