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火曜カーデザイン特集/その2 新たなレクサスISの狙い 新型ISはこれから始まる 新世代レクサスの道標だ 「デザイナー陣がフルモデルチェンジ以上の情熱を注いだことは間違いない」

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これがマイナーチェンジとは、別メーカーの人でも思わないだろう。なぜなら、あまりにも贅沢すぎるリファインだからだ。

まさかマイナーチェンジとは思わなかった。というのが本心だ。それほど、新しいレクサスISは、新しい方向を歩み始めたと感じるモデルだったのだ。どこかを隠すとか誇張するといった常套手段とは大きく異なる、“一大改良”を行なったものと思う。その意味とはどんなところにあるのだろうか。

流用部分がまったく見つからない新型ISのエクステリアデザイン

 22日(月)当サイトに掲載された牧野茂雄さんのISに関するレポートは衝撃的だった。個人的には、背筋がぞぞっとするほどの衝撃が走った。なるほど、マツダか、と。

 しかし、ことデザインという点においては、確実に次なるレクサスデザインにつながるものともなっている、と感じる。プラットフォームの事情はともあれ、デザイナー陣は今回のISに関してはFMC(フルモデルチェンジ)以上に情熱を注いだことは、正直いって間違いないと思う。
 それだけお金もかかっているが、これらはすべて次世代のレクサスへのメッセージなのだ。

より印象的となった後期型ISのフロントビュー。グリルの存在感が半端ない。

 このカテゴリーでの存在というのは、トップのセダンメーカーにとって実に重要なポジションだ。おそらくこのセグメントの価値というのを明確化した事の始まりはBMW3シリーズからではなく、その後に登場したメルセデス・ベンツ190Eの登場からだと思う。
 190Eは、日本でいうわずか5ナンバーサイズの中に、Sクラスの価値の多くを盛り込んでしまったのだ。それこそどっしりとした走り味、シートのクオリティにおいても、まるでSクラスそのものだった。
 BMWの3のシリーズはそれ以前より存在していたが、BMWにとっても、190のインパクトは大きかった。しかしBMWは190の存在感に引っ張られることもなく、独自の方向性、軽快さ、俊敏さなどを守り続けていった。それもまた、素晴らしいことだと思う。

こちらが前期型IS。こちらの方が、ヘッドライトやグリル周りなど、縦方向にボリュームがあるのがわかる。

 現在のレクサスISのポジションは、これらのメルセデス190の後継であるCクラスやBMW3シリーズのいるハイエンドDセグメントを目指している。
 それ以外にも様々なFFのDセグメントモデルが存在するが、絶対的に異なるのは、多くのメーカーのFFモデルが、ある意味下のクラスのモデルが主流となるところから生み出されたのに対して、メルセデスやBMWは上のクラスからの技術で作られているということだ。また、FRというコンベンショナルなレイアウトを頑なに守っていることも重要かもしれない。

 大から小を産んだメーカーとその逆には、それぞれメリットとデメリットはあるのだが、残酷なようだがハイエンドを名乗るには、そうした“家柄”も必要ということかもしれない。
 もちろんFF派生のヨーロッパの多くのモデルにも、“気高き成り上がり”としての生き様が見られて非常に面白いのだが、それは別の話としよう。
 その点でいうのならば、レクサスの登場はハイエンドのLSからだ。併せてFFのESも登場したがクラスでいえば上級だった。つまりレクサスは、FRの正統派というポジションを明確に得ることができた。その後に登場したのがISだ。もちろん歴代のトヨタにも、数多くのFRモデルが存在しており、技術的蓄積も多いことから正統派を疑う余地はないはずだ。
 
 つまり、レクサスのFR技術の粋を集め、コンパクトなサイズに凝縮したのがISだ。サイズが小さいということで、居住空間に制約を受け、軽い(金属の使用量が少ない)分、他のFRレクサスより安いということに過ぎない。

サイズがただ小さいだけでクオリティはLS級

 新型ISを解読するに当たって、実は今書いた前文がすべてだと思う。これからのISがどうなるのか。そう考えた時に、ISは廉価版のレクサスではないということだ。これまでの純粋なFRのラインアップとしては、IS、RC、GS、LSそしてLCなどが存在する。
 そのなかで、これまでは否定しつつもまだヒエラルキー(階級)が存在していたように思える。ISよりGSが高く見え、さらにLSが高く見える。“いつかはLS”を実現するための構造が存在していたのではないだろうか。ひとつにはデザインクオリティがイコールになっているように思う。リヤ周りの新たなプレス技術の導入や、エレメントの配列、造形の吟味など、目立つ、特化する、ということではなく、存在感の強いものでもその形に特化しながらも馴染む造形のあり方を見据えているように思える。

 その上で、さらに特化したのがスポーツ路線だ。単にスペックを高めるのではなく、走って気持ち良い車。その性質を高める……のではなく、よりオリジナルティを持たせることだ。
 慣性マスが小さいからこそ成立する、その強みはたとえLCであっても持つことはできない領域。小さいがゆえ持ち合わせる資質だ。
 とはいえ、メルセデスの味、BMWの味とあるなかで、単に性能が高いだけでは到達できない。
 そのためのブラッシュアップであることを前提に、それではデザインはどうあるべきか。

 新型車であっても、マイナーチェンジであっても、改良された点は、これまで不都合だった点だ。ネガな部分を修正することが、刷新につながる。
 では今回の改良は、どんなところだったのか? エクステリアに関しては、実はほとんどすべてが刷新された。全体のシルエットを示す、プロポーションまでをもが変更のポイントとなったのだ。

グッと質感を高めた後期型IS。その真価はヘッドライト周りと、低重心を印象付けるサイドの造形だ。
前期型IS。極めて挑戦的な造形としてのトライがあったように思う。

 マイナーチェンジ前のモデル(前期型)は、デザイン的に極めて挑戦的なモデルだった。保守的なセダンながら、フロントバンパー内にLEXUSの ”L” を主張する大きなポジショニングランプ(デイライト)を入れてみたり、プランビューで紡錘型となる造形にトライしたり。また、リヤランプの造形をリヤドアの下端からキックアップされたラインに繋げる手法を採用。これは、2ドアクーペやハイエンドスポーツカーのような引き締まったリヤ周りにも見え、リヤ周りにキリッと引きしまったキュートさを演出していた。

 対するマイナーチェンジモデル(後期型)は、何よりも低重心と伸びやかさを狙っているように見える。
 フロントでは、大きく低いスピンドルグリルが印象的。L型デイライトをヘッドライトの上に配置することが驚異的アイデアだ。これによってスピンドルグリルを肯定的に迎えるうえ、これからも小型化し存在感を失いつつあるヘッドライトを補い、顔の拠り所のキーポイントになってくるだろう。
 サイドビューでは明確なショルダー(サイドビューでフロントから続く窓の下のしっかりと出っ張った面)部分の下にキャラクターラインを低く流し、ホイールハウスの存在感も明確化。
 また、本来ISの持ち味だったキャビンの小さく見えるイメージをさらに印象付ける造形となっている。

次期レクサスISの姿は…ISがフルモデルチェンジしなかったのは、次期モデルでマツダFRへの合流を決めたから!?

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