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四駆専門誌編集長が初代ダイハツ・タフト愛を語る好評企画 最後にタフト後継車ラガーのことを話そう 初代ダイハツ・タフト集中講座 最終回 さらばタフト、そしてラガーへ。カタログで辿る後継車ラガーの変遷

  • 2020/07/20
  • MotorFanアーカイブ編集部
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ダイハツ・タフトの後継車、ラガー。左のレジントップが中尺車、右のバンが短尺車。

昭和59年(1984年)5月。登場から10年が経過したダイハツ タフトはフルモデルチェンジでラガーと名を変えた。「真の2代目タフト」とも言える後継車は、果たしてどんなクルマだったのか? このラガーの解説をもって、初代タフト短期集中講座をしめくくることにしよう。

TEXT&PHOTO 赤木靖之(キュリアス編集室)

 昭和59年(1984年)5月。登場から10年が経過したダイハツ タフトは、フルモデルチェンジで2代目を襲名せずに新たにラガーと名を変え、姉妹車のトヨタ ブリザードは2代目を襲名してLD20系に移行した。
 その変貌ぶりは、トヨタのランクル40が70に、日産パトロールがサファリに、三菱ジープJ30系がパジェロ・エステートになったのと同じ印象を受ける。
「トレンド」なんて軽い言葉を使いたくはないが、旧来の四輪駆動車が衣替えを求められた時期だった。
 それでもラガーの場合、タフト由来のジャストサイズこそが存在意義であり本分だ。拡大されたトレッドは現行ジムニーに毛が生えた程度の、前1320mm/後1300mmにとどまる。全幅も小型車枠上限まで11cmもの余裕を残した1580mmだったから、骨太な足腰をして険しい小道に突っ込んで行ける美点は残されていた。
 そもそもタフトのシャシーはランクル40やジープほど設計が古くない。ラガー用に寸法変更を施したに過ぎず、用いられる部材も同じである。それは年々肥大化の一途を辿った4WD群にあって、悪いことではなかった。

昭和62年(1987年)のマイナーチェンジ後の「角目」ラガー。ラガーというクルマの変遷は、変わりゆく時代の波に翻弄された、当時の"RV四駆"の存在そのものを象徴しているかもしれない。

 ラガーでは2530mmのホイールベースを持つ中尺車が加わった。タフトの時代には、輸出向けを除いて単一ホイールベースのまま、オーバーハングの長短が選べるのみだった。
 ラガーのレジントップ車は全てこのサイズとされ、鉄屋根のバンと幌車はホイールベース2205mmの短尺車だ。なお、姉妹車のブリザードは短尺車のみとされ、レジントップ車は存在しない。

車両サイズの参考に、筆者の愛機・三菱ジープJ38を並べてみた。意外なほど狭い場所に入り込めること。他車の牽引や連続酷使に耐えること。そして舵角が小さく小回りが効かない点も共通する。中尺ラガーは筆者にとっては違和感のない車だ。

ラガー登場:「丸目」の時代

「丸目」とはラガー登場時のスタイルを指す。タフトディーゼルそのままのパワープラントで発売され、4カ月後の昭和59年(1984年)9月にターボ車を追加。これはレジントップ、バン、幌、すべてのタイプで選ぶことができた。
 ディーゼルRV四駆の動向を思い返せば、三菱のパジェロは最初からターボで、いすゞのビッグホーンも昭和59年にターボ化。余力のあった6気筒の日産サファリまで同じ時期にターボ化(次期モデルの新エンジンでNAに戻る)。さらに1年少し後、トラックエンジンのトヨタ ランクルBJや大排気量のHJにも直噴化されたターボ車が登場し、ディーゼルターボ百花繚乱の時代となった。
 これも時流に乗った「トレンド」であり、要不要にかかわらず「TURBO」の5文字が求められた。メタリックカラーを上下に塗り分けるツートンが流行りだしたのもこの頃だった。

ターボ追加時のカタログより。欧米人モデルを起用した気恥ずかしいほどの80’sな演出が懐かしいが、話が脱線するので本稿では触れない。
タフトから少し改良された自然吸気のDL型エンジンは、最高出力79ps/3600rpm、最大トルク18.0kg-m/2200rpm。ターボによって97ps/3600rpmに、23.0kg-m/2400rpmに向上した。 効きの穏やかな小径タービンは、かすかなヒュイーン音と、メーターパネル内でチカチカ光るターボインジケーターで存在をアピールする。ターボラグは極めて小さく、低速トルクもさほど落ちていない。
ラガー発売当初のラインナップは3機種、ターボ化によって6機種に倍増。中尺のレジントップはEXという上級グレード扱いでファブリックシートに絨毯敷き。短尺のバンと幌は廉価なDXとして、四駆らしい簡素な内装。
タフト後期に設定された簡易脱着式幌の流れを汲む幌車。ドアサッシュを外し、ウインドウフレームをステーで保持し、Tバールーフにできることも新しかった。RV的オープンエア走行を強く意識しており、幌骨の構造とあわせ、パジェロやビッグホーンより進んでいる。

5ナンバー登録車の追加:乗用車化の時代

 雰囲気の演出、あるいは売り方としての「乗用車化」はラガー登場時から始まっていたが、5ナンバー登録車の追加で名実ともに乗用車となった。昭和60年(1985年)9月のことだ。車体そのものに大きな変化はなく、乗用車の基準に合わせてリヤシートを大型化、あとは安全対策程度。
 諸元表を見ると97psから91psにパワーダウンしている。これは乗用カテゴリの場合ネット表示となるためで、乗り味は大差ない。内装の違いで30kgほど重くなっただけだ。

ワゴン登場時のカタログでは、フランスのバレリーナ、モニク・ルディエールを起用して、一転エレガントな演出。現在も舞台やバレエ学校の校長として活躍するルディエール氏の肖像権を考慮し、全体をお見せできないことが残念。このラガーはワゴンの上級グレード、レジントップEL。
昭和61年(1986年)8月に小改良が施された。この時、トランスファの2H〜4H切り替えがスイッチによるバキューム動作になっている。4L(ローレンジ)へはレバー操作だ。トヨタのランクルが古くから採用している手法。

マイナーチェンジ:「角目」ラガーの迷走

 昭和62年(1987年)9月、マイナーチェンジが行なわれ、ヘッドライトが「角目」に。装備品に大きな変更はなかった。
 エンジンもDL型の続投だが、構造的なグレードダウンが行なわれた。従来は、タイミングギヤで駆動されるカムシャフトがブロック脇に位置し、プッシュロッドでロッカーアームを動かす典型的なOHVだった。高回転まで対応しない代わり、堅実な機構といえる。せいぜい3500rpmが上限の古典的ディーゼルには最適なものだった。
 ところが角目のカタログに「OHV・ベルト駆動」と不穏な文言がある。基本構造はOHVのまま、ギヤを短い歯付きベルトに置き換えてしまったのだ。
 軽量化や騒音低減には僅かなメリットがあるだろう。なによりコストが安い。それだけのために、タイミングベルト破断時のエンジンブローや高額な定期交換費用をユーザーは負うことになる。OHVとOHCの悪いトコ取りにも思える。

 この変更は、当時の四駆雑誌でまったく話題に上がらなかった。多くの四駆たちがブームに浮かれ“質実剛健なヨンク道”を見失い始めた時代。ラガーも徐々におかしなことになってきた。平成元年には「プリオール」のグレード名で、オーバーフェンダー/ワイドタイヤ車を追加している。

 翻ってトヨタのブリザードは平成2年に販売を終了。オーバーフェンダー等の加飾は施されず、素の姿のまま幕を下ろした。その後、ビスタ店では、あらたにランドクルーザーワゴン(70系にハイラックスの駆動系を組み合わせたライト系のランクル・LJ71G)を売ることになった。

最上級グレードのワゴンELは、ギラついたメッキグリルにイエローバルブの角目ライト…。昔気質のオフローダー達はいささか「ん?」と思い始めたのだった。もっとも、これはラガーに限った変化でもない。
いくら着飾っても、前後リーフリジッドの脚周りを「ラガーの大きな誇り」と表現するカタログに安心感を覚える。フロントサスペンションはシャックルを後部に配置。さらにハンドリング重視でラテラルロッドを追加したストロークには不利な仕様となっているが、走破性が低いわけではない。フリーハブも当然マニュアル式。
シンプルなバンDXも残され、実用ユーザーを切り捨てることをしなかったのはメーカーの姿勢として立派。車重はワゴンELより180kgも軽く、6.00-16の細い下駄山が素敵だ。当時はランクルもパジェロも昔ながらの簡素なグレードを残す良き風潮、ある種の余裕があった。
姉妹車のブリザードなきあとの平成2年(1990年)11月、インタークーラーを追加してさらなるパワーアップが図られ、フロントグリルを意匠変更。これはベルギー版のカタログ。仕向け先により、ラガーはロッキーと呼ばれ、日本でいうロッキーはフェローザとなる。国内表記のエンジンスペックは115ps/3400rpm 25.2kg-m/2200rpm(ネット値)と、ライバルを圧倒。
相変わらず国内では売ってくれなかったピックアップ。型式はF77、ホイールベースは2800mm。
駆動系の末端にオートフリーハブがついてしまった。RV全盛期にあえてラガーを選ぶ客層が、いざという場面で抜けてしまうような不確実なモノを望んだだろうか?

果たしてラガーが迎えた最期は…? 次ページへ続く!!

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