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陸上自衛隊:陸自初の戦闘工兵車両「施設作業車」1台でブルドーザとショベルカーの機能を持つすごいクルマ 自衛隊新戦力図鑑2020

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陸上自衛隊「施設作業車」。写真/陸上自衛隊

施設作業車は施設科職種の専用装備だ。「EV(Engineering vehicle:戦闘工兵車両)」と呼ばれる装備だ。どんな車両だろうか?
TEXT&PHOTO◎貝方士英樹(KAIHOSHI Hideki)

 陸上自衛隊の職種のひとつに「施設科」がある。施設科はいわゆる土木・建築を担う専門家だ。主には陣地を構築する築城作業や橋を架ける架橋作業、川を渡る渡河作業などに不可欠の技能集団である。
 施設科は戦闘職種の普通科(歩兵部隊)や特科(大砲・ミサイル部隊)、機甲科(戦車部隊)と連携し、戦闘部隊をスムーズに前進させたり、各種の支援を行なう。ときには戦闘部隊よりも前へ出て地雷などの障害物を処理することもあるから、状況によりかなり危険な仕事を行なうことになる。銃弾・砲弾の飛び交うなかで活動することから「戦闘工兵」とも呼ばれ、諸外国軍では「エンジニア」と呼ばれることが多い。

アームを高々と大きくのばした施設作業車。巨大なバケットとアームを使えばパワーショベルとして作業することもできる。
専用爆薬をバケットの先端に引っ掛けて設置すれば、目の前に立ち塞がる瓦礫や掩体を爆破させて撤去することも可能だという。柔軟な使い方ができることが施設作業車の真骨頂だ。写真/陸上自衛隊

 施設作業車は名称どおり施設科職種の専用装備だ。1999年から配備されている。装甲ブルドーザである75式ドーザの後継として配備された「EV(Engineering vehicle:戦闘工兵車両)」と呼ばれる装備だ。装軌(キャタピラ)式の装甲車両で、車体前面にドーザブレード(排土板)、車体上にショベルアーム(パワーショベル)を装備した外観は独特の雰囲気がある。

車体後部、格納定位置のバケットで隠れて見えない部分には鋼鉄製の扉があり、その中に障害物撤去用の爆薬が収納されている。

 施設作業車は、87式砲測弾薬車をベースに、その車台を利用して開発された。砲測弾薬車とは特科が用いる各種野砲に弾薬を供給する装軌式砲弾輸送車だ。車体前部の操縦室など乗員が乗り込むスペースを中心に装甲が施されている。施設作業車の防弾能力は非公開だが、重機関銃レベルの攻撃にはビクともしないものと思われ、戦闘地域での築城作業を安全に行なえる装甲性能を持っている。

演習場を走行する施設作業車。エンジンや車台は87式砲測弾薬車と共通だが、車体は前後逆にレイアウトしている。既存装備をうまく流用して開発費を抑えているという。写真/陸上自衛隊

 車体前面のドーザブレードは角度可変式で車内から操作でき、効率的な排土作業が可能だ。上面のショベルアームは前方に向けて伸縮が可能。つまり1台にブルドーザとショベルカーの機能が盛り込まれている。これらの作業装置を組み合わせることで、施設作業車は従来の機材では不可能だった複雑な作業も1台でこなせるようになっている。加えて、作業開始位置さえ指定してやれば自動的に掩体を作ることも可能だ。掩体とは射撃を容易にするとともに敵弾から射手を守るための諸設備のことを指す。掩体壕などとも呼ばれる。自動化能力を持つ施設作業車は、ドーザブレードやショベルアームを駆使して、ひとりでに機関銃座などを作り上げる機能を持っているわけだ。

演習場内を移動中の施設作業車。使い込まれたドーザブレードが玄人感を醸し出している。車体後部にはレーザー警戒装置と連動するスモークディスチャージャーを装備、戦闘地域で活動する車両の証だ。写真/陸上自衛隊

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