マツダ・ロードスターRF 外気温42℃。酷暑のオープンエア・モータリングは爽快か? ロードスターの魅力を再確認する
- 2020/08/14
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MotorFan編集部 鈴木慎一

マツダ・ロードスターは、ソフトトップの「ロードスター」と電動リトラクタブルハードトップの「ロードスターRF」のふたつのモデルがある。RFの魅力は、トップを上げていれば、よく出来た2シータークーペ、下ろせばオープンエアを気軽に満喫できる二面性だ。この二面性、真夏の東京ではどうなるか? 1週間、通勤とドライブで試してみた。
TEXT & PHOTO◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)
オープンカーのベストシーズンは冬である。では夏は?

オープンカーのベストシーズンは冬である。
と個人的に思っている。もちろん、春も秋もオープンエア・モータリングは爽快だ。それでもベストは真冬(東京の気候で)。マフラーを巻き、ヒーターを効かせ、場合によってはシートヒーターをかけてドライブするのは素晴らしい。頭寒足熱は頭が冴える。ピンと張り詰めた空気が心地いい。
オープンカーのワーストシーズンは真夏である。
と個人的に思っている。これ、もう、どうにもならない。とくに最近の猛暑日は。エアコンをどんなにフルでかけようと、体温より高くねっとりした空気が顔の周りにまとわりつく。エアコンの風を足下から出しても、頭熱足寒でどうも調子がよろしくない。
わかっていてマツダ・ロードスターを8月のお盆の時期にかり出したのは、「RF」なら真夏もアリなのではないか、と思ったからだ。

RFは、リトラクタブル・ファストバックの略で、電動のリトラクタブルハードトップを持つモデルだ。お借りしたのは、RSグレードだ。ハードトップを閉じていれば、コンパクトな2シータークーペとなるRFは、ソフトトップのロードスターよりも上級なスポーツカーという位置づけだ。エンジンもロードスターの1.5ℓ直4DOHC(SKYACTIV-G1.5 132ps/152Nm)ではなく2.0ℓ直4DOHC(SKYACTIV-G2.0 184ps/205Nm)を搭載する。電動ハードトップを積む分、車重も80kgほど重い(ロードスターRSが1020kgなのに対してRF RSは1100kg)。ちょっと大人のロードスターなのだ。
筆者はかつてNAロードスターを所有していたこともある、オープン好きだ。実際、雨の日以外は夏も冬もほとんどオープンにしてドライブしていた(90年代前半の東京の夏はいまほど酷い暑さではなかったような気がする)。
RFは、「基本はクローズド、ここぞという時にオープン」というクルマだと思っている。今回のテーマは、「真夏に”ここぞ”というタイミングがあるか?」である。
お盆休み前にマツダのR&Dセンター横浜でクルマを預かり、比較的空いた首都高速で新宿の編集部まで走る。気温は30度をゆうに超えている。から、クローズドでマニュアル・トランスミッションの感触を確かめながら流す。54kmほど走って燃費計は15.6km/ℓと表示していた。
お盆期間中の空いている都内をロードスターRFで気持ちよくドライブする……つもりだったのだが、今年の夏はいつもの夏とは違っていた。存外に道が混んでいた。6速が直結(1.000)となるMTの操作は、道が混んでいてもまったく苦痛ではない。都内でも6速まで普通に使えて走れる。けれど、まぁ楽しくはない。なにせ、ほとんどストップ&(ちょっと)ゴーなのだから。
エアコンを内気循環にして24度に設定。外気温計が42℃を示していると、アイドルストップもほぼしなくなる。こんな具合で通勤を含めて230kmほど混んだ市街地を走った燃費は9.8km/ℓだった。燃費的に最悪の条件下の数値だから、これがロードスターRF(6MT)の燃費の下限だと思う。


試乗車は、ピアノブラック塗装の2トーンルーフ(5万5000円のオプション)装着車だった。炎天下のドライブでも室内で天井を触ると熱くない。音もそうだがRFは断熱もばっちりだ。エアコンもよく効く。
前述のとおり、RFはトップを閉じていれば、美しいシルエットをもつクーペそのものだ。”ここぞ”というときは、信号待ちの短い時間(約13秒)でもスイッチひとつでオープンに変身できるのが、RFの魅力。そしてオープン/クローズドでスタイルが変わらないのもいい。

とはいえ、東京の8月は、なかなか”ここぞ”というタイミングがない。22時くらいに編集部を出たときが、その時だと思って、地下駐車でトップを下ろしてみた。地上に出る。22時を過ぎても外気温計は33℃を示しており、期待していた爽快感は残念ながら味わえなかった。と思ったら次の信号待ちですぐにクローズドにできるのがうれしい。
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