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【美しすぎる車・ベスト3(繁浩太郎)】私が考える「本当の美しさ」を具現化している「ホンダ・シティ」

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ホンダで様々な車種の開発責任者を務めた繁浩太郎さんが選んだ「美しすぎる車」、その中の1台はホンダの初代シティ。とかく疾走感を求めがちな車のデザインだが、「造形」や「存在感」で心に染みる美しさを表現しているという。

TEXT●繁浩太郎(SHIGE Kotaro)

今回のお題は、美しい車のベスト3を選ぶということで、回答者のセンスが問われるようで緊張しております。

私が選んだベスト3は、以下の通りです。

第1位:フェラーリ・テスタロッサ

1984年に発表されたフェラーリのフラッグシップ、テスタロッサ。デザインはもちろんピニンファリーナによるもので、サイドマウントされたラジエターに冷却風を導くためのフィン付きエアインテークが目を引く。

第2位:ホンダ・シティ&シビックシャトル

1981年から発売が開始されたホンダ・シティ。全長×全幅×全高=3380mm×1570mm×1470mmという、全高の高さが際立つスリーサイズで「トールボーイ」という愛称が与えられた。
ホンダの3代目シビックの5ドア版。セダンより全長は255mm短い一方で、全高は105mm高くなっており、サイドから見ると独特なプロポーションをしているのが分かる。

第3位:ホンダN-BOX

ジリ貧だったホンダの軽自動車カテゴリーで、起死回生のスーパーヒット作となった初代N-BOX(発売当時はN BOXでハイフンなし)。「室内の広さが一目でわかる」「幅広いお客様に愛着を持っていただける、飽きの来ない」デザインを目指したという。

今回はちょっと趣向を変えて全車まとめて解説したいと思います。

クルマの本当の美しさとは、形の「美しさ」だけでなく造形や存在そのものが美しく感じるところにあると思います。

それは、「人の心にしみるように入ってくる」「機能的なモノであることを忘れてしまう」、そんなデザインのクルマです。

しかし、一般的にクルマデザインの目指す美しさは、空気を切って走る「疾走感」という形の表現が多いように思います。デザイナーは少しでも車体は低く幅広く、キャビンは小さくて、流麗さのあるデザインを目指します。

その究極はまさにフェラーリ・テスタロッサですが、これは形だけでなく造形や存在そのものが美しく感じるデザインです(第1位にランキング)。

しかし、すべてのクルマには「ハードポイント」「目標コスト」等の様々な事情や都合があり、フェラーリの姿形には行きつかない中で、軽自動車からメルセデス・ベンツまでが「疾走感」の表現を目指しています。

この頃は背の高いSUVが流行りですが、その中でも、低く見せたいというデザイナーの願望が消えていないデザインは多いと感じます。

クルマの「本当の美しさ」は「疾走感」という形にこだわるよりも、造形や存在感で「心にしみる」ことが大切と思うのです。

ホンダの初代シティや初代シャトルは、無理して「疾走感」を狙わず、「走り感」程度の表現に抑え、クルマの美しさを良く考えたものとなっています。結果デザイン本来の造形や存在そのものが美しいと感じます(ともに第2位にランキング)。

つまり初代シティや初代シャトルは背の高いクルマということもあり、形だけでないクルマの「本当の美しさ」を具現化したと思います。また、こってりとやり過ぎないセンスの良さも感じます。

さらに現代のクルマの中で、クルマの「本当の美しさ」を考え表現したクルマはホンダの初代N-BOXだと思います(第3位にランキング)。小さくて背の高いクルマの「美しさ」があります。コツはグラフィックと面の造形です。

またホンダのザッツや日産の二代目キューブは「疾走感」を捨てた姿形で、クルマらしくないデザインで面白いのですが、「美しい」とまではいっていないように感じます。

【美しいクルマ造りへの私的提言】
・疾走感を表現するために小手先の形だけでデザインしないこと。
・新人デザイナーのようにこってりとデザインしすぎないこと。
・センス良さを忘れずに。


世の中が「美しいクルマ」であふれることを願っています。

2002年に登場したホンダの軽自動車、ザッツ。当時、iMacが起こした「スケルトンブーム」の影響もあり、フロントグリルがスケルトンとなっている。
ヒット作となったハイトワゴン、初代キューブからガラリと印象を変えた2代目は2002年に登場。ラウンドスクエアなフォルムや左右非対称のリヤウインドウなど、独創性に富んだデザインが人気を呼んだ。

『美しすぎる車・ベスト3』は毎日更新です!

どんなに走りが楽しくても、どんなに乗り心地が良くても、ブサイクな車には乗りたくない。そう、デザインは車の命。ということで、これまで出会った車の中からもっとも美しいと思ったベスト3を毎日、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。

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