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【CRF250Lが8年越しの大進化】フルモデルチェンジで、軽さ・パワー・ルックスの3拍子が揃ったCRF250Lを解説。

  • 2020/11/13
  • 佐藤恭央
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発売から8年目を迎えたCRF250Lがいよいよリニューアル! 今回のフルチェンでは内外ともに刷新されて、よりスタイリッシュに、より扱いやすく変貌を遂げている。

REPORT●佐藤恭央(SATO Yasuo)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Syunsuke)
※写真はプロトタイプです。実際の製品とは一部異なる部分があります。

ホンダ・CRF250L……599,500円

ホンダ・CRF250L〈s〉……599,500円

全面刷新でオフの走行性+日常使いでの扱いやすさを向上!

今回のモデルチェンジに伴って名称も変更されている。従来のCRF250Lが「CRF250L<s>」、CRF250LDがCRF250Lとなり、ローダウン仕様がスタンダード的な位置づけとなる。

 XR230/250の実質的な後継機として2012年5月に登場した「CRF250L」。モトクロッサー、CRFの名を冠したスパルタンなフォルムに心打たれたものだが、「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむ、ちょうどいい相棒」という開発コンセプト通り、中身はXRシリーズの伝統でもある“乗りやすさ”が重視されていた。
 見た目はスタイリッシュで万人に受け入れられる特性という、まさにシティオフローダーとしての魅力が詰まった一台なのだ。
 そんなCRF250Lが発売8年目にしてフルモデルチェンジされることに! 改良点はいくつもあるが、まずは「軽量化」についてご紹介しよう。

約6kgの大幅な軽量化を実現!

 フレームは剛性としなやかさとのバランスを最適化しながら、2150gもの軽量化を実現。さらにアルミ鍛造を新採用したボトムブリッジは730g、スイングアームは550g、LEDヘッドライトとメーターを合わせて180g、他にもエキパイやLEDウインカー、リヤマスターシリンダーなども軽量化されて約6kgも軽くなっている!
 モータースポーツにおいて軽さは正義とよく言われるが、重心が高くなりがちなオフロードバイクでは一層効果的であり、ハンドルの取り回しも軽快になるなどメリットは盛りだくさん!

滑らかな出力特性を獲得! 全域でパワフルに!

 次はパワーユニットについて。CBR250R(MC41型)をリファインした水冷エンジンは、2017年のマイナーチェンジで出力が若干増加されているが、今回のフルチェンでは、インテークカムシャフトを新設計してバルブタイミングを変更し、マフラーやエアクリーナー、点火時期も新たに見直されて主に低中回転域での出力をアップ! 粘り強さが増し、旧モデルのウィークポイントである低中回転域の“パワーの谷”が大幅に改善されている。また、高回転域でもパワー&トルクが上がっているのも見どころだ。

ステージに合わせたギヤセッティング!

従来のCRF250ラリーのみに設定されていたABSを採用。メーター右のスイッチでABSをキャンセルできるのでオンオフのステージに合わせてチョイスできる。
 出力の向上に伴い、6速ミッションは、1速から5足までのギヤ比を従来よりも低め(ローレシオ)に、6速はハイレシオ化して、街乗りから高速走行までシチュエーションに応じて最適なギヤが選べるようになっている。
 また、液晶メーターの情報が表示されるレイアウトも若干変更され、このギヤ数が視認できる「ギヤポジションインジケーター」が追加されているのも嬉しいところ。

スリッパークラッチで走りに集中!

 さらに注目したいのが、「アシストスリッパークラッチ」を採用したこと。これは急激なシフトダウン時にバックトルクを効率的に逃がし、リヤタイヤのホッピングなどを回避できる優れもの。ライディングに集中できることから、モトクロスやモタードレースでは15年以上前から投入されている機構で、旧CRF250L用の社外キットも人気を博している。
 このスリッパークラッチは、市販車でも大型スポーツバイクなどで標準採用されるのが当たり前になったが、ミドルクラスでの普及はここ数年のことであり、CBR250RRなど高価なスポーツモデルが中心だった。しかし、リーズナブルさを謡うCRF250Lで取り入れられたのはトピックだ。

足着きはほぼそのままで走破性をUP!

キャスター角は従来の27° 35′から27° 30′と立ち気味になり、トレール量が113mmから109mmに減少。逆に軸間距離は1445mmから1455mmへ10mm長くなり、ディメンションが変更されている。

 今回の仕様変更で筆者が一番気になったのが、最低地上高が30mmも高くなっていることだ。これはエンジンのマウント位置などを上げることで実現したという。荒地での走破性が高くなるのはオフロード乗りには歓迎するところだが、それと引き換えにシート高が上がってしまうのでは?という懸念もあった。

デザインが刷新されて外装もスリム化。主にシート前方とシュラウド部に当たる太ももからヒザにかけてのライディングポジションが見直され、さらにクラッチレバー荷重が軽減されたことで扱いやすさに磨きがかけられている。
 しかし、シート高は5mmアップの880mmに留められ、足着き性は従来とさほど変わらなそうな感じ。もちろんローダウン仕様も健在で、こちらはシート高が同じ830mmのまま最低地上高が810mmから845mmと、35mmもアップ!
  さらに、φ43mm倒立フロントフォークはストローク量が250mmから260mmに伸長されて路面追従性が向上されている(ローダウン仕様では前35mm、後50mmもストローク量アップ!)。先述した軽量化と相まって操縦安定性は一層高められている印象だ。

待望のLED化! 全てはユーザーのために!

 さらに、ヘッドライトとウインカーがLED化され、夜間での視認性を改善。当然、外観も躍動感を押し出したスタイルに洗練されており、純正オプションでスキッドプレート&ワイドペグが追加されているのも機能性&オフイメージを高められるグッドポイントだ。
 今回のモデルチェンジをひっくるめて言えば「よりカッコよく、そしてユーザーフレンドリーになっている」ということ。新型CRF250Lは、XRシリーズから脈々と受け継がれてきた、扱いやすいホンダのオフ車の正当進化と言えるだろう。

主要諸元

車名・型式 ホンダ・2BK-MD47
全長(mm) 2,210〔2,230〕
全幅(mm) 820
全高(mm) 1,160〔1,200〕
軸距(mm) 1,440〔1,455〕
最低地上高(mm)★ 245〔285〕
シート高(mm)★ 830〔880〕
車両重量(kg) 140
乗車定員(人) 2
燃料消費率*1(km/L)
 国土交通省届出値:定地燃費値*2(km/h) 46.0(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値★(クラス)*3 34.8(クラス 2-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.3
エンジン型式 MD47E
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量(cm3) 249
内径×行程(mm) 76.0×55.0
圧縮比★ 10.7
最高出力(kW[PS]/rpm) 18[24]/9,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 23[2.3]/6,500
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式★ セルフ式
点火装置形式★ フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式★ 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 7.8
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比
 1速 3.538
 2速 2.250
 3速 1.650
 4速 1.346
 5速 1.115
 6速 0.925
減速比(1次★/2次) 2.807/2.857
キャスター角(度)★ 27° 30′
トレール量(mm)★ 109
タイヤ
 前 80/100-21M/C 51P
 後 120/80-18M/C 62P
ブレーキ形式
 前 油圧式ディスク(ABS)
 後 油圧式ディスク(ABS リアキャンセル機能付き)
懸架方式
 前 テレスコピック式(倒立サス)
 後 スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 セミダブルクレードル

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