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マツダの近未来予測 FR+直6エンジン、ロータリーエンジン(SKYACTIV-R )EVはどうなるのか?

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「エンジンルームに収めたときはこうなります」という合成画像。フロントサスペションストラットのトップマウントとの位置関係から見て、前軸よりも前に発電用ロータリーエンジ ン( RE)/モーターが並び、前輪への出力軸はこのユニットの後方に位置すると想像できる。

マツダがこの先、どう進むのか。それを公表されている情報から推測して整理してみよう。マツダは2019年11月に「中期経営計画」を発表しているが、新型コロナウイルスの影響を受けて20年11月に計画の見直しを行なった。これによれば、計画の最終年度は2026年3月期へ1年先延ばしされている。技術や商品に関するロードマップを図にまとめた。エンジンをフロントに縦置きする後輪駆動のLargeプラットフォームや直列6気筒エンジンはどうなるのか?

マツダの技術ロードマップ

注目は、足場固めのこの先の2年である。22年3月期(つまり21 年度)に、ベース技術にLarge 商品用ハードウェアとして「ガソリン/ディーゼル/X 直列6気筒」と書いてある。また、電動化で「PHEV/48Vマイルドハイブリッド」「ロータリーエンジン技術を使ったマルチ電動化技術」の記述もある。これは、22 年3月までに、縦置き(つまり後輪駆動ベース)のモデルを発売し、そこに直列6気筒エンジンを載せるということだ。

2020年11月にマツダが公開した画像。ガソリン、ディーゼル、そして直4のPHEV仕様が見える。

直6は公表された写真を見てもわかるように、ガソリンターボ、SPCCI 燃焼のX、ディーゼルターボの3つの仕様を用意する。登場がいつかはわからないが、Large モデルには3つの直6エンジンを用意するわけだ。北米への直6ディーゼルの投入はないだろうから、直6ディーゼルは、日本、欧州向けだろう。

現在、直列6気筒を持っているメーカーは、BMW、メルセデス・ベンツ、ジャガーの3社。どれも設計年度の新しいエンジンだ。マツダの直6のスペックは、通常のガソリンターボ、ディーゼルはライバルと同じような出力レベルになるだろうが、注目はSKYACTIV-X直6のスペックだろう。

また、直4エンジンにモーターとバッテリーを組み合わせたPHEVも開発していることがわかる。Large に載せるマイルドハイブリッドは48V、新世代Smallの24Vと使い分けると予想できる。すべてのエンジン車になんらかの電動デバイスが求められるから、48V マイルドハイブリッドは、ベースモデルから設定する可能性もある。トランスミッションについては、中期経営計画には記載がないが、新たに縦置きエンジン用のトランスミッションを自社で開発することになるだろう。また、Large モデルにもAWDが設定される。

発電用REを中心にレンジエクステンダー、PHEV、シリーズHEVを展開できるというマルチ電動化の考え方。燃料搭載量を 少なく、バッテリー容量を大きくというレンジエクステンダーがもっとも環境負荷が小さいという説明でもある。

読み取るのが難しいのがロータリーエンジンだ。「ロータリーエンジン技術を使ったマルチ電動化技術」という表記だが、フロントに1ローターのロータリーを発電用に搭載した写真が公開されている。発電用のロータリーについては、商品として出す、と以前から公言しているマツダだが、駆動用エンジンとして使うロータリーについては、詳細はいまだわからない。期待して待つしかないのが実情だ。

電気自動車(BEV)については、「導入完了」となっている。これは欧州で販売が始まったMX-30のことで、21年初頭からは日本でも発売することが発表されている。EV 専用プラットフォームを採用するEVは、その先になる。

22 年以降の本格成長の鍵を握るのは、次世代EV 専用プラットフォームと「エレキプラットフォーム」だろう。エレキプラットフォームについても詳細は不明だが、統合電子制御技術が数年後のマツダ車を魅力あるものに変えていくと予想できる。さて、CASE 時代のマツダがどう進化していくのか。期待したい。

MFi特別編集『マツダの最新テクノロジー』

前作 MFi特別編集『マツダのテクノロジー』から7年、新世代商品群に移行しつつあるマツダが、いまどんなテクノロジーを開発しているのか? Largeと呼ばれる後輪駆動のプラットフォーム、直列6気筒を開発しつつあるマツダのテクノロジー、デザイン、生産技術、技術戦略まで広く深く取材した。発売は12/26です。

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