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細い7本スリットが左右に分割され、バンパー開口部も控えめなセドリック 日産セドリック(10代目)/グロリア(11代目)1999-2004 日産の大変身を予感させた最後の「セド/グロ」【週刊モーターファン・アーカイブ】

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日産自身が混迷を極める中、ルノーとの提携間もない頃に登場した、10代目セドリック/11代目グロリア。結果的に最後の世代となったこのモデルには、日産の大変身を予感させる画期的なデザインが与えられていた。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

レポート=遠藤正賢(90年代国産車のすべて より 2011年刊)

 「これが最後のセド/グロ⁉︎」
 99年6月に発表された10代目セドリック/11代目グロリア(Y34型)を、当時見た人の多くがそう言って驚かれたはず。特に、先代のY33型がそのボリューム感と押し出し間の強さで古典的な高級感を体現していただけにそのふくよかなエッジの鋭い前衛的なデザインから受けるインパクトは大きかった。

 今現在の視点で見てもなお斬新さを失わず、鮮烈な存在感を放ち続けるこの内外装、99年6月という、Y34型発売の直前にCOO(最高執行責任者)へ就任したカルロス・ゴーン氏による影響は基本的にない。「デザインの革新」をキーワードに掲げた開発陣の熱い想いによって実現したものだが、95年に「変わらなきゃ」を企業スローガンに掲げていた日産が本当に変わろうとしているのを結果的に強く実現させてくれた。

グロリアはドットプリントが入る太い4本横バーと大きなバンパー開口部が力強い。セドリックは高級、グロリアはスポーティという性格の違いが一目でわかる。
グロリアのテールランプには、当時としては画期的なクリアレンズとLEDを採用。

 さらにY34型では、これまで両車種に設定されていた、高級タイプの「ブロアム」シリーズとスポーティな「グランツーリスモ」シリーズをともに廃止。セドリックにはややコンサバティブな、グロリアにはより前衛的なフロントグリル&バンパー、リアコンビライトとインテリアを与えることで、セドリックは”ノーブル(高貴)”、グロリアには”ダイナミック”という個性の違いを明確に打ち出していた。(とはいえ01年12月のマイナーチェンジでは、グロリア全車で「グランツーリスモ」の名が復活しているのだが……)

セドリックは通常の白熱電球に赤色のレンズの組み合わせ。落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 エンジンはY33型からの新世代V6「VQ型」がメインで、NAは2.5ℓと3ℓのいずれも直噴化。3ℓターボは10psアップの280psに高めながら、全てのVQ型エンジンで平成12年排出ガス規制に適合していた。また、99年12月にはベルト式CVTでは耐えられない大トルクにも対応する市販車世界初のトロイダル式無段変速機「エクストロイドCVT」を設定。それを3ℓターボと組み合わせることで、その先進性と高性能をアピールしていた。

自発光式メーターの左側いつづく形でディスプレイを組み込んだ、先進的なインテリア。ナビの主な操作はディズプレイ手前のスイッチで行う。

 しかしながらライバルのクラウンが、同じ99年9月に発表した11代目で、グロリアのお株を奪う「アスリート」シリーズを展開。さらに03年12月発売の12代目、通称「ゼロクラウン」で劇的な若返りを図ったため、販売面では終始苦戦を強いられることとなった。

 そして、03年には北米で「インフィニティM」として販売開始されたこともあり、セドリック/グロリアは04年10月、より海外市場に適した高級セダン「フーガ」にバトンタッチ。約45年の歴史に幕を下ろした。

シートはセドリックが伸びやかな縦基調
グロリアがサイドサポートを強調した横基調のデザイン
第250弾 新型セドリック/グロリアのすべて (1999年7月発行)

SPECIFICATIONS:グロリア300アルティマ

【発表】1999年6月28日
【価格】421.0万円(当時)
【寸法・重量・性能】
全長×全幅×全高:4865×1770×1440mm
ホイールベース:2800mm
車両重量:1660kg
【エンジン】
種類:V型6気筒DOHCターボ
総排気量:2987cc
最高出力:280ps/6000rpm
最大トルク:39.5kgm/ 3600rpm
10・15モード燃費:9.0km/ℓ
【走行伝達装置】4速AT
駆動:FR
サスペンション前:ストラット
サスペンション後:マルチリンク式
ブレーキ前:ベンチレーテッドディスク
ブレーキ後:ベンチレーテッドディスク

モーターファン別冊 その他のシリーズ 90年代国産車のすべて

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■10~20年前のクルマに感動しよう!
 80年代という時代は、非常に興味深いクルマがふんだんに登場し日本の自動車史に名を残すモデルが目白押しでした。そこには80年代後半にむけて興ったバブル経済の影響も少なからずありました。逆に90年代はバブル経済の崩壊が代表的なキーワードとなることもあり、あまり良い印象がありません。同様にその当時のクルマもそれほどインパクトがあった記憶がないのです。しかし、情熱だけで押してきた80年代に対して、90年代は80年代に並行して行われていた技術開発が開花した時代でもあったのです。実は「クルマはこうあったらいいな」という思いが結実したのが90年代だったのです。そして興味深いのが、これらのクルマの多くは現在でも中古車市場で販売されている点です。程度は保証の限りであはりませんが、興味を持てたら自分のクルマにしてみるのも面白いかもしれません。

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