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M176、M177、M178にはどのような特徴があるのか 新型メルセデス・ベンツSクラスが積む新型V8エンジンとは

  • 2017/08/14
  • Motor Fan illustrated編集部 萬澤 龍太
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M177のカムトレーンレイアウト

V8ツインターボ、しかもバンク内排気レイアウトを採るダイムラーの新世代V8ターボ。Sクラスに載せられたのはM176と称する型式である。同じ機械構成でAMG63シリーズが積むM177、そしてAMG GTが載せるM178エンジンがある。これらにはどのような由来と特徴があるのだろうか。

M176の外観。インタークーラがコンパクトに収まっています。
メルセデス・ベンツのSクラスがビッグマイナーチェンジを施され、開通前の外環道で自動駐車のデモンストレーションをしたのは多くの方がご存じでしょう。現地に赴いたスタッフは「暑かった」「猛烈に往復が渋滞していた」と言っていました。お疲れさまでした。

そのSクラスが新しいV8エンジンを搭載しています。560グレード(懐かしい名前ですねえ……)に搭載されているそのユニットの名称はM176。もう少し詳しく言いますと、「M176DE40AL」。Mはオットーサイクル(ガソリンエンジン)、176が型番で、DEは直噴、40が排気量で(3982cc)、Aはターボチャージャ、最後のLはインタークーラ装備という意味です。

さてこのM176、ダイムラーのメルセデス・ベンツ車に搭載されるのは2機種目でして、最初がGクラス。そのときは「G500」のグレードとして用いられ、310kW/610Nmの性能を与えられています。今回の「S560」は345kW/700Nm。過給圧を上げたわけですね。

M178。右側が前方で吸気。強烈な吸気系部品の配置です。
さらにこのM176はV8エンジン3兄弟のうちのひとつで、さらにM177とM178が用意されています。ファミリーを通じて機械的寸法はすべて一緒、圧縮比もすべて10.5。当然すべて縦積みで吸排気方向も同じ。型式を分ける必要は果たしてあるのかとも思いますが、まあとにかくそんなことになっています。

■ M176はメルセデス・ベンツの「G500」と「S560」(メルセデス・マイバッハ仕様も)に搭載。
■ M177はメルセデスAMGの「63」の名称を持つグレード各車に搭載。
■ M178はメルセデスAMGの「GT」シリーズに搭載。

どうやらM176はAMGブランド以外に用いられるエンジン、M177がロクサン用、M178はGT専用の型式という位置づけのようですね。

CAMTRONIC。カムロブがふたつあり、スイッチング構造なのが見て取れる。
車両搭載性を追求するとクランクウェブを噛ませてバンク角60度とするのがいまのところ最善策なV6エンジンに対して、V8は「4気筒×2」という作り方ができるので全長を短縮できるのがメリット。

当然、シリンダブロックの設計思想も共用できます。実際、M178が登場したときには、同じメルセデスAMGが仕立てる4気筒エンジンM133のブロックに由来すると発表されていて、ボア×ストロークはもちろんボアピッチの数字も共通としています(83.0×92.0:90mm)。

M176/177/178は排気量もM133の1991ccのちょうど2倍、3982ccですね。だからアルミブロック+ダイムラー称するところの「NANOSLIDE」ボア壁面溶射構造も共通、わずか0.1〜0.15mm厚のコーティングを施すことで軽量化と熱伝達性の向上を図っています。

ちなみにこのM133、元はメルセデス・ベンツ横置きシリーズに搭載されているM270のチューンアップ大改変版です。M270はさらに縦置きシリーズにも改変されていて、その型番がM274。吸排気方向を逆にする大改造を施されています。

M176とM177の一部は近年のエンジンらしく気筒休止システムを装備。カムロブをスライドさせてゼロリフトとする「CAMTRONIC」によって、2番3番5番8番シリンダの吸排気バルブを停止させます。右シリンダの内側ふたつ/左シリンダの外側ふたつを止める格好ですね。作動条件はM176が900-3250rpm、M177は1000-3250rpmとしています。

ちなみに同じV8の気筒休止で思い出すGM・LT4は止めるシリンダが正反対で、1番4番6番7番を休止させます。こちらはOHVだから、プッシュロッドの動作を止めるラッシュアジャスタのような部品を用います。直4では2番3番を、V6ではホンダの気筒休止システムVCMが非常にユニークな止め方をしていましたね。

「いつ止めたのか全然わからない」というのが、気筒休止システムを備えるエンジンのインプレッションのほとんどです。フォルクスワーゲンの1.4TSIでようやく、「なんか力出ないな」と思ったら2気筒状態だったというくらいで、最近の気筒休止の制御はお見事。まあ逆を言えばそれだけ普段の運転ではまったくパワーを使っていないわけですね。

トヨタ・センチュリーの積む1GZ型12気筒エンジンが、万一の故障時でも片バンクで走れるという思想があったというのは本当かどうかわかりませんが(笑)、アイドルストップが本当に環境に優しいのかなんていう論調が出てくるのに比べれば気筒休止は可変バルブリフト機構を備えられるだけのコストが確保できれば有効な施策だと個人的には思います。

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